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「僕がメンタルコーチングで起業した理由」(株)FLYHIGH 小田桐翔大氏インタビュー【スポーツビジネスで独立】

2020年の東京オリンピックも間近に迫り、昨今ではよりいっそう注目されているスポーツビジネス。きっと、「スポーツに携わる仕事で起業ができたら」と願う人も増えているだろう。

とはいえ、スポーツをビジネスとして具体的に考え、実行に移せる人は、まだ少ないのではないだろうか。また、仕事内容や競技などによっては、依然としてスポーツをマネタイズすることが難しい状況も考えられるだろう。

そこで今回は、約4年間の会社員生活を経て、2013年1月にメンタルコーチとして独立。その後2016年3月に法人化し、会社を設立した、株式会社FLYHIGH 代表取締役の小田桐翔大さんに、スポーツビジネスでの起業についてうかがった。

アスリートにも企業にも「メンタルコーチング」「チームビルディング」のノウハウ

アスリートにも企業にも「メンタルコーチング」「チームビルディング」のノウハウ

――そもそも、「メンタルコーチング」と「チームビルディング」とは、どういうものなのか伺いたいです。また、その2つを仕事の軸にされている理由は何でしょうか?

まずメンタルコーチングの目的は、アスリートが本番で100%の実力を発揮することと、競技力を最大限高めるためのサポートをすることです。

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この2つの目的を達成するために、質問やワークなどによって選手自身の気づきや答えを引き出していきます。

アスリートにも企業にも「メンタルコーチング」「チームビルディング」のノウハウ

チームビルディングでは、チームの目的達成のために、チームの力を引き出していきます。望む結果を手に入れるために、チームで課題解決アクティビティに挑むなど、プロジェクトベースドラーニングを通して、質の高い関係構築を目指します。スポーツチーム以外に、企業の新人研修や管理職研修として実施することもよくあります。

アスリートと話していると、チームに関する悩みも多く、「個人だけでなくチームについても理解できたほうがいいな」と感じたのが、チームビルディングも勉強し始めたきっかけです。この2つを軸にしたおかげで仕事の幅が広がりましたし、ラートの日本代表チームに帯同させてもらったりと貴重な経験もできていますね。

――メンタルコーチングやチームビルディングにおいて、スポーツとビジネスの共通点、あるいは違う点はどんなところですか?

どちらも人間を相手にしていますし、目標に向かって進んでいくことやチームの重要性など、根本は同じだと思っています。むしろ、「スポーツとその他のことを違うものとして捉えず、スポーツを通して学んできたことはビジネスや人生にも活かせる」というメッセージをたくさんの人に伝えたいと思っています。

例えば、競技を引退したアスリートで「普通の仕事なんかできないよ」と言う人がいますが、スポーツを通して学んだことは仕事にも必ず適用できると思うんです。アスリートが相手でも、企業が相手でも、自分の経験から得た学びをいろいろな場面で適用できるようになるためのサポートをしていきたいと思っています。

――確かに、人の心や意識、メンタル面などにアプローチするという点は共通していますよね。小田桐さんご自身は、起業してメンタル面やライフスタイルの変化はありましたか?

ひとりで働くということで自由になった分、自律が大変ではあります。でも、会社員時代よりも仕事中心の生活になりましたが、「仕事が趣味」という感じでとても楽しいです。
独立直後は通帳を見て青ざめていたときもありますが……(笑)、起業は自ら決めて始めたこと。覚悟も決意もあったので、メンタル面ではハングリーに続けてこられました。

スポーツビジネスのやりがいや喜び、難しさとは?

――小田桐さんのように「スポーツビジネスを仕事にしたい」という方も多いと思います。スポーツビジネスの喜びや難しさを教えてください。

喜びは、アスリートと一緒に悩みや感動を共有できることですね。アスリートに直接関わって、そのアスリートが大舞台に行ったり、より飛躍したりする過程をサポートできる……なかなかできない貴重な経験だと思っています。

スポーツビジネスの難しい点は、やはり収益化ではないでしょうか。私は企業も仕事の対象にしているおかげで収益を上げられていますが、独立直後は苦労しました。
とはいえ、自分もずっとスポーツをやっていたので、その世界で戦っている一流のアスリートには尊敬の気持ちを持っていますし、自分のほうがパワーをもらうことも多いです。だからこそ、スポーツビジネスには大いにやりがいがありますね。

スポーツビジネスのやりがいや喜び、難しさとは?

2014年のソチオリンピックでは、リュージュ日本代表・金山英勢選手に帯同

――起業家の中には、チーム作りの答えが見つけ出せず悩んでいる人もいると思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?

「チーム作りはこうすればいい」というひとつの正解は無いと思います。ただ、メンバー間の「関係の質」や「心理的安全性」を高めることは、どのチームにも共通して大切なことだと言えるかもしれません。
MIT(マサチューセッツ工科大学)のダニエル・キム教授が提唱した「組織の成功循環モデル」によると、望む成果を手に入れるためにはまず「関係の質」を上げることが大事だとされています。「関係の質」を上げることで、「思考の質」が上がり、それが「行動の質」を上げることに繋がり、結果的に「結果の質」も上がります。

スポーツビジネスのやりがいや喜び、難しさとは?

弊社では組織のビジョンや課題をヒアリングさせていただいた上で、目的達成に最適なオーダーメイドプログラムを提供していますので、チーム作りでお悩みの方はぜひ私にお問い合わせください(笑)。

覚悟があるなら、起業へのチャレンジはきっと価値がある

覚悟があるなら、起業へのチャレンジはきっと価値がある

――仕事における、小田桐さんご自身の今後の展望はどんなものですか?

アスリートに関しては、より本質的なところに貢献して、その選手の人生そのものを豊かにするお手伝いをしていきたいです。そのためにキャリアコンサルタントの国家資格も取得しました。

企業に関しては、今後は新入社員や管理職などを対象にした研修案件に加えて、企業全体の組織開発など、より企業の経営や本質に関わることに貢献していきたいです。

あとは、「FLYHIGH Lab.」というメディアを立ち上げました。スポーツなどの「体験からの学び」が、人生の他の分野にも適用できることを、これから広く伝えていきたいと思っています。

――それでは最後に、起業を目指す方にメッセージをお願いします!

私の場合、大学でトップクラスのバスケ部に初心者でいきなり飛び込んだのも、会社を辞めて起業をしたのも、「チャレンジを通して自分を変える」という意味では同じでしたし、それができたことが強みだったと感じています。

何事も、実際にやるかやらないかの差は大きいと思います。覚悟を持ってチャレンジすれば、必ず道は開けると思います。一度きりの人生なので、起業の覚悟や決意があるなら、思いきって飛び込んでみる価値はあるのではないでしょうか。

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小田桐 翔大おだぎり しょうた

小田桐 翔大

株式会社FLYHIGH代表取締役。メンタルコーチ・ファシリテーター。1985年青森県生まれ。中学校・高校は岩手県にて野球部に所属。筑波大学体育専門学群卒業。在学中はバスケットボール部に所属し、全国ベスト8を経験。 (株)JTB法人東京で約4年間勤務した後、2013年1月にアスリートの力になりたいという想いでメンタルコーチとして独立。ソチ五輪リュージュ日本代表金山英勢選手、ラート日本代表チームのメンタルコーチや数多くの企業研修など幅広く活動。2016年3月8日に法人化し、株式会社FLYHIGHを設立。東京を拠点にメンタルコーチ・ファシリテーターとして活動中。

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