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アフィリエイトはメリットが大きいビジネス 〜日本アフィリエイト協議会・笠井氏〜

21世紀、インターネット上のビジネスとして定着してきたアフィリエイト。うまく活用できれば、大きな収入源となる可能性を秘めていますが、一方、やり方を間違えると、不正行為につながったり、悪質な詐欺にひっかかってしまう恐れもあります。しかし、適切な情報を知り、正しくアフィリエイトを活用すれば、非常に大きな可能性を秘めたビジネスモデルだと言われています。
これからアフィリエイトを始めてみたい人のために、ビジネスを成功させるための秘訣や、はじめるにあたっての心得、アフィリエイト収入の確定申告について、日本アフィリエイト協議会・代表理事の笠井北斗さんにお話を伺いました。

アフィリエイトは、経費の面で他の事業よりやりやすい?

――アフィリエイターの確定申告についてお聞きしたいのですが、申告のために普段からどのようなことをやっておくべきでしょうか?

前述しましたが、収益用の銀行口座を作っておくこと。アフィリエイターの方は複数のASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)から収入を得ているだけに、記載漏れをしてしまう恐れがあるので、情報は集約してまとめておくべきですね。それと、領収書をきちんととっておいて、帳簿もつけておくこと。クラウド会計ソフトなど便利なサービスも登場していますので、いくら経費として使ったかを把握しておくことをおすすめします。

笠井北斗さん

――アフィリエイターの方から確定申告に関する相談を受ける際に、どのようなケースが多いですか?

やはり「経費」に関するものです。「どこまで経費にしていいのか」「これは経費になりますか」などよく聞かれますが、「アフィリエイト報酬を得るために必要とした支出だったかどうかで考えてください」と必ずお答えしています。「このイベントに参加したから、収入につながった」など、一連のストーリーを説明できることが重要です。ただ、この点に関して、アフィリエイトは記事で経費のアウトプット(成果)を作ることができる利点がありますね。他の事業に比べて経費の部分でやりやすいかなと思うのが、「これのおかげで、この記事になりました」とインプットとアウトプットをセットで具体的に説明できるところです。

――経費のケースとして、お聞きしたいのですが、たとえば、初期投資としてブログの写真撮影のためにカメラを3万円で購入し、実際、アフィリエイトをはじめたら収益が3万円までいかなかった……という場合は、経費として認められるのでしょうか?

もちろん、アフィリエイト用途に使っているのであれば経費として認められます。ただし、最初の数枚は取材の写真、あとは旅行や家族の写真……という場合は、アフィリエイト用途のものではなくなってしまいます。なので、経費にするためには、カメラなども個人用とアフィリエイト事業用に分けたほうがいいです。実際、私は交通系電子カードも分けて使っていますし、洗濯機も事業用と個人用で2台あります。「これはこの用途で使っている」と完璧に説明できるように、できるだけ分けて考えるのがいいと思います。

――アフィリエイトの収益を申告する際は、事業所得と雑所得のどちらかで申告になりますが、これは、ケースはさまざまだとは思うのですが、何か見極めるラインなどはありますか?

これは確かに難しいですが、ラインとしては、金額ではなく取り組む人の「本気度」ですね。本気でアフィリエイトをやろうと考えるのであれば、収益が少なくとも、最初から事業所得として申告したほうがいいと思います。実際、アフィリエイターさんでも、収入がほとんどない時期から事業所得にして、開業届も出して青色申告をしている……という人は、スタートラインから真剣ですから、伸びるスピードも速いですね。

マイナンバーがアフィリエイターの本気度を上げる追い風に

――数年前に、Amazonアソシエイト・プログラムが、支払調書の送付を停止しましたが、広告主がアフィリエイターへ支払いをする際に、源泉徴収はされるのでしょうか? また、支払調書の発行はあるのでしょうか?

源泉徴収はされず、したがって支払調書も報酬を受け取る側には出さないです。ただ、アフィリエイトはウェブ事業なので、広告の管理画面にログインすれば、いくら収入があったかはわかります。また、支払調書は、報酬を受け取る側に出されなくても、税務署にはしっかり出していることもありますし、税務署から調査の依頼がきて提出することもあるようです。アフィリエイターは自分で収入を把握して、申告書に記載することが必要です。

笠井北斗さん

――2016年(平成28年)分の確定申告(2017年3月15日締め切り)から、ついにマイナンバーの記載が必要になりますが、アフィリエイターの確定申告で、なにか変わることはあるのでしょうか?

劇的に変わることはないと思いますが、収入をごまかして申告したり、そもそも確定申告をしていないアフィリエイターがいたりすれば、マイナンバーでそうしたことがばれて、相応のペナルティを課せられるはずです。
ただ、普段から確定申告をしている人は、個人番号(マイナンバー)を記入して提出すればいいだけなので、何も心配はありません。きちんと確定申告をするように心がけていただければと思います。私個人としては、マイナンバーのおかげでアフィリエイターの皆さんの間で確定申告をやる意欲が高まっている感じがしていて、本気度を引き上げる追い風になるのではないかと期待をしていますね。

――そうすると、マイナンバーの影響で個人のアフィリエイターがより本気度の高い事業主へと変わっていくことがあるかもしれませんね。

そうですね。個人ができるのがアフィリエイトのよさですが、個人とはいえお金をもらう以上やるべきことがあり、それに対する理解も進んでいくのではないかと思います。

――最後に、これからアフィリエイトをやろうと考えている方たちへのメッセージをお願いします。

アフィリエイトはデメリット以上に大きなメリットがあるビジネスモデルです。仕組みをうまく活用すれば多大な収益を得ることができ、夢もやりがいもある。この先、成果型報酬のビジネスモデルがなくなることはおそらくないので、中長期的な目線でビジネスをやっていくうえで、ぜひ採り入れていただきたい。そのために、日本アフィリエイト協議会がさまざまな場面で勉強会や情報共有をしていますので、ぜひ活用して成果を伸ばしていってほしいです。

――本日は、ありがとうございました。

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笠井北斗かさい ほくと

笠井北斗さん

1999年初頭、アメリカでアフィリエイト・マーケティングに出会う。以降、アフィリエイトサイト運営者側、広告主側の両方でアフィリエイトに関わり続け、2005年1月1日に独立起業。2006年5月11日にクロスワーク株式会社を設立。アフィリエイター向けの教育サービスや広告主のアフィリエイト運用支援、ASPの企画サポートなど、総合+専門のアフィリエイト事業に取り組む。
クロスワーク株式会社 代表取締役社長
日本アフィリエイト協議会 代表理事
公式HP:日本アフィリエイト協議会

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