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定款は会社設立に必須な書類!記載内容や手続き方法を解説

監修者 : 渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

定款(ていかん)とは、会社や一般社団法人といった組織を設立する際に必ず作成しなければならない書類です。

本記事では、定款に記載すべき事項や注意点のほか、紙定款、電子定款それぞれを作成した際の認証方法などについて解説しています。これから会社設立を目指している方におすすめしたい定款の作成方法についてもご紹介しますので、手続きの際の参考にしてください。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

定款とは、組織の構成や活動内容を明記した書類のこと

定款とは、会社や一般社団法人、組合といった組織の構成や活動内容を明記した書類のことです。「会社の憲法」や「会社のルールブック」などと呼ばれることもあり、事業を行う上でのすべての基本となります。

そのため、会社を設立する際には必ず作成しなければいけません。株式会社を設立する場合は「会社法」、一般社団法人や一般財団法人を設立する場合は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(いわゆる一般法人法)など、設立する団体によって、効力を持つ法律が異なります。作成した定款は、法人が消滅しない限り保管が必要です。これは、紙で作成した場合も、電子的に作成した場合も同様です。

引用:日本公証人連合会 「定款等記載例(Examples of Articles of Incorporation etc)」より

なお、株式会社などを設立する場合には、公証役場で定款の認証を受けなければならず、その後20年間公証役場に定款が保管されます。また、定款は一度作成した後、所定の手続きを経て変更を行うことも可能です。

株式会社設立には定款の認証手続きが必須

株式会社、一般社団法人、一般財団法人を設立する場合は、定款を作成した後、公証役場で認証手続きをとる必要があります。法務局で登記手続きを行う前に、まずは認証手続きを行いましょう。

一方、合同会社、合資会社、合名会社等を設立する場合、定款の作成は必須ですが、認証手続きは不要です。これらの会社を設立する場合でも、法務局での登記手続きを行う際には定款を提出する必要があります。

定款の提出が求められるケース

定款は、会社を設立する際の設立登記時に法務局へ提出しなければならない書類のひとつです。会社設立後も、銀行で法人口座を開設するとき、許認可申請の手続きを行う際などに提出を求められることがあります。

定款を紙で作成した場合も、電子で作成した場合も、会社が存続する限り必要になるものですから、大切に保管しておきましょう。ただし、公証役場で認証を受けた定款はあくまで会社設立時の内容です。その後会社の状況に応じて定款を変更していく場合は、常に最新の状態で保存しておく必要があります。

定款に記載する内容

定款には、内容に応じて3種類の記載事項があります。必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」と、法的な記載義務はないものの記載がないと効力を発揮しない「相対的記載事項」、どちらにも当てはまらず任意で記載する「任意的記載事項」の3種類です。それぞれの記載事項について、詳しい内容を見ていきましょう。

絶対的記載事項

絶対的記載事項は、法律上、必ず定款に記載する必要があるものです。絶対的記載事項が不足していた場合、定款自体が無効になってしまいます。絶対的記載事項は、下記の5点です。

商号

商号は、会社名のことです。株式会社を設立した場合は、必ず社名に「株式会社」とつける必要があります。

事業の目的

会社がどのような事業を行うのかを記載します。事業の目的が複数ある場合は、通し番号を振るのが通例です。

本社の所在地

本社の所在地は番地まで書く必要はなく、「市町村」までを記載するのが一般的です。

出資される財産の額又は出資される財産の最低額

会社の設立にあたって出資される財産の額(またはその最低額)を記載します。

発起人の氏名(または名称)と住所

発起人全員の氏名と住所を記載します。なお、個人ではなく法人が発起人になることも可能です。

相対的記載事項

相対的記載事項とは、法的に定款への記載が義務付けられているわけではないものの、法的な効力を持たせるためには定款への記載が必要な事柄です。

相対的記載事項に挙げられる内容は多岐にわたりますが、代表的なものとしては、「発行可能株式総数」や「株券単元株式数」「株式の譲渡制限」「株券発行会社である旨」「取締役会の設置」「取締役の任期」などがあります。

例えば株式の譲渡制限に関する規定は、定めがなければ取締役会の設置が必須になるなどの制約が生じますので、小規模な株式会社であれば、記載するべき内容だといえるでしょう。法的義務がないから書かなくても良いというわけではないため、ご注意ください。

任意的記載事項

任意的記載事項は、記載するかどうかを任意で決められる内容です。法律に違反しない内容であれば、定款に定めた範囲で株主などの行動を制限する法的な効力を持ちます。

ただし、任意的記載事項に書かれる内容は、定款ではなくそれ以外の文書に定めることで効力を持たせることもできます。この点が、相対的記載事項との大きな違いです。

任意的記載事項として定款に記されることが多い内容には、事業年度、取締役・監査役の人数、定時株主総会の召集時期、株主名簿の基準日などがあります。

定款の構成

引用:日本公証人連合会 「定款等記載例(Examples of Articles of Incorporation etc)」より

定款は、項目ごとに章立てて記載します。絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の順で書くわけではない点に注意しましょう。また、企業の規模によって、記載する項目や順番が異なる場合もあります。

ここでは、小規模な会社の記載例をご紹介します。

第1章 総則

商号、事業の目的、本店の所在地について記載します。

第2章 株式

発行可能株式総数や株券発行の有無、株式の譲渡制限、基準日といった株式に関する決まりを記載します。株式に関する内容は、相対的記載事項で記載の義務があるわけではありません。しかし、株式会社を設立する場合は、記載しておくべき重要な事項となっています。

第3章 株主総会

株主総会の召集時期や議決要件などについて記載します。こちらも相対的記載事項や任意的記載事項ですが、重要な内容です。

第4章 取締役

取締役および代表取締役の人数や決定方法などのほか、必要に応じて、取締役会や委員会、執行役についての決まりを記載します。

第5章 計算

事業年度を記載します。そのほか、剰余金の配当などについてもここに記載しましょう。

第6章 附則

附則には、会社設立時の一時的な内容を記載します。絶対的記載事項の、資本金額と発起人の氏名(または名称)と住所もここに記載しましょう。そのほか、現物出資や財産引受などについてもこの欄に書きます。

なお、定款の記載例は、日本公証人連合会のウェブサイトからダウンロードすることができます。団体の種類や事業規模に応じた定款の記載例や、補足説明付きのものなどが用意されていますから、作成の際の参考にしてください。

電子定款の認証手続き方法

定款の認証手続きは、本社が所在する都道府県の公証役場で行わなければなりませんが、手続きの流れや費用は、作成する定款が電子定款か紙定款かによって異なります。電子定款の場合は、公証人とテレビ電話での面談で認証を受けることが可能です。電子定款認証の主な手続きの流れや必要書類、手続きの費用についてご説明します。

なお、公証役場によって手続きの流れが異なる場合がありますので、詳細は認証を依頼する公証役場に問い合わせてください。

【テレビ電話で定款認証する場合の手続きの流れ】

  1. 作成した定款を公証役場にメール、FAX、持ち込み、いずれかの方法で提出し、内容を事前に調査してもらう。この際、テレビ電話での認証を希望している旨を伝える。
  2. 提出した定款の事前調査が終えたら、公証人より連絡が入るので、テレビ電話で認証手続きする日時を、予約する。
  3. メールで認証手数料の金額と振込先、およびテレビ電話のURLが送られてくるので、テレビ電話で認証手続きをする日の前日までに振込を済ませる。
  4. 法務省の登記・供託オンライン申請システムにアクセスして、公証人への定款のオンライン申請を行う。この申請もテレビ電話で認証手続きをする日の前日までに行う。
  5. 送られてきたURLにアクセスして、公証人へのテレビ電話で認証をしてもらう。この際、運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きの公的身分証明書を提示する。
  6. テレビ電話での面談により定款が認証されたら、公証人がオンライン申請システム経由で送付された定款を認証する。
  7. 認証されたデータをダウンロードして保存する。

必要書類

電子定款の認証手続きに必要な書類は下記のとおりです。定款を自分で作成するか、作成を代理人(行政書士など)に依頼するかで必要書類が変わります。

【発起人自身が定款を作成する場合】

  • 印鑑登録証明書(発起人が法人の場合は全部事項証明も必要)
  • 謄本申請書

【定款を代理人が定款を作成する場合】

  • 印鑑登録証明書(発起人が法人の場合は全部事項証明、企業の場合は登記簿謄本が必要)
  • 謄本申請書
  • 発起人全員分の委任状(発起人全員の実印で割印をした定款を添付)
  • 定款作成代理人の本人確認書類

【定款作成者から委任された代理人が認証を依頼する場合】

  • 代理人の本人確認書類
  • 定款作成者から受領者に対する委任状

費用

定款認証手数料は、設立する会社の資本金が100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、300万円以上なら5万円です。2022年(令和4年)1月1日から定款認証手数料が改定されて、手数料が下がって、会社が設立しやすくなりました。

なお、手数料は設立する会社の資本金等によって決まります。しかし、この資本金の額等が定款案に記載されていない場合、「設立に際して出資される財産の価額」が判断基準になります。定款の中には、「設立に際して出資される財産の最低額」を記載しているものがあります。

この場合、公証人手数料令第35条第1号および第2号のどちらにも該当しないため、公証人手数料令第35条第3号の「前二号に掲げる場合以外の場合」に該当して、手数料は5万円になります。

紙定款の認証手続き方法

定款を紙で認証する場合の手続きの流れと必要書類、費用は下記のとおりです。紙定款は、電子定款よりも費用が余分にかかる点に注意が必要です。

手続きの流れ

  1. 作成した定款を公証役場にメール、FAX、持ち込み、いずれかの方法で提出し、内容を事前に調査してもらう。
  2. 事前調査後に公証人からの電話連絡が来るので、役場を訪れる日時などを決める。
  3. 必要書類と手数料を持って公証役場に行く。

必要書類

紙定款の認証手続きに必要な書類は下記のとおりです。

【発起人全員が公証役場に行く場合(発起人が1人の場合を含む)】

  • 定款3通
  • 印鑑登録証明書(発起人が法人の場合は全部事項証明も必要)と実印
  • 弁護士法人や司法書士法人など、社員資格に制限がある法人の定款の場合は社員の資格証明書

【発起人のうちの1人が代表して公証役場に行く場合】

  • 定款3通
  • 印鑑登録証明書(発起人が法人の場合は全部事項証明も必要)と実印
  • 手続きに来られない発起人全員の委任状

費用

定款認証手数料は、電子定款と同じです。設立する会社の資本金が100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、300万円以上なら5万円です。2022年(令和4年)1月1日から定款認証手数料が改定されて、新しい手数料になりました。

なお、手数料は設立する会社の資本金等によって決まります。しかし、この資本金の額等が定款案に記載されていない場合、「設立に際して出資される財産の価額」が判断基準になります。定款の中には、「設立に際して出資される財産の最低額」を記載しているものがあります。この場合、公証人手数料令第35条第1号および第2号のどちらにも該当しないため、公証人手数料令第35条第3号の「前二号に掲げる場合以外の場合」に該当して、手数料は5万円になります。

また、紙定款の場合、4万円分の収入印紙を定款に貼付する必要があります。

定款を変更する際の手続き方法

定款に記載されている内容に変更がある場合は、定款の変更手続きを行います。ただし、定款は会社の基本的なルールですから、安易に変えることはできません。

変更を行う場合はまず、株主総会で特別決議を得る必要があります。特別決議の条件は、定款に特別な定めがない限り議決権の過半数に該当する株主が出席することと、出席した株主の3分の2以上が賛成することです。

さらに、変更内容によっては法務局への登記申請も必要です。商号や資本金の変更、事業目的の追加、本社所在地の移転といった登記されている事項の変更があった場合は、変更があった日から2週間以内に法務局で登記申請を行いましょう。

簡単に定款を作成するなら、電子定款作成サービスがおすすめ

会社の設立に際しては、事務所の契約や営業活動など、さまざまな事柄を並行して行わなければいけません。それに加えて、定款の作成や定款認証、法人登記といった事務手続きを行うとなると、大きな負担がかかります。定款は難度が高い手続きでもあるため、専門家に依頼するか、手軽に定款を作成できるサービスの活用がおすすめです。

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photo:PIXTA

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