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【個人事業主向け】電子マネーの仕訳を徹底解説【チャージ・決済・売上まで】

「電子マネーでの支払いや売上が立ったときは、どうやって仕訳をしたらいい?」
この記事では電子マネーの仕訳について、以下のような具体例で解説します。

・電子マネーに現金でチャージしたときの仕訳
・電子マネーにクレジットカードでチャージしたときの仕訳
・電子マネーで実際に買い物をしたときの仕訳
・電子マネーで売上げたときの仕訳

個人事業主向けに、電子マネーの経理処理の実務で役立つ内容も紹介。
電子マネーの処理に困ったときに参考にしてみてください。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

POINT
  • チャージした時は預け金など資産勘定を使用するのが原則
  • 重要性に乏しい金額の場合は、簡易的処理もOK
  • 電子マネーの売上は入金されるまで売掛金で処理

電子マネーで支払ったときの仕訳

個人事業主が電子マネーで支払いを行ったときを想定した仕訳を解説します。

電子マネーの仕訳は支払の方法で異なる【3種類】

ひとくちに電子マネーといっても支払の仕方には3種類あります。

電子マネーの支払い方法3種類

  • プリペイド:前払い。あらかじめ現金をチャージして使用する
  • ポストペイ:後払い。主にクレジットカードからチャージして使用する
  • デビット:決済時に銀行口座から引き落とし

プリペイド式・ポストペイ式どちらも選択できる電子マネーも多いので、現金でのチャージや銀行口座から引き落としならプリペイド式、クレジットカードからの引き落としならポストペイ式の仕訳になるので注意してください。

プリペイド式・ポストペイ式を選択できる電子マネーの例

  • PayPay
  • nanaco
  • 楽天Edy
  • au PAY
  • Suica
  • PASMO

それでは、実際に電子マネーの仕訳の方法をみていきましょう。

電子マネーの仕訳①プリペイド式の場合

プリペイド式の電子マネーの仕訳の方法は2種類あります。

  1. 現金から預け金に振替える方法
  2. 支払いのときのみ仕訳を行う方法

原則的には「1.現金から預け金に資産を振替える方法」が正しいですが、簡易的に「2.支払いのときのみ仕訳を行う方法」で処理を行っても構いません。

それぞれの仕訳について具体例で解説します。

1.現金から預け金に振替える方法

①Suicaに1,000円を現金でチャージした

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
預け金 1,000 現金 1,000

現金から電子マネーに資産が振替わった、と考えて仕訳を行います。電子マネーにチャージした段階ではまだ実際に支払いを行っていないので、経費にはできません。

この例では「預け金」という勘定科目を利用していますが、「電子マネー」「Suica」といったわかりやすい勘定科目を設けてもOKです。

②電車賃150円を支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
旅費交通費 150 預け金 150

預け金から費用勘定に振替える仕訳です。実際に費用を支払ったこの段階で費用の勘定科目として処理できます。

なお、交通系ICカードにチャージしたからといって必ずしも旅費交通費で処理するとは限りません。例えば、Suicaを使ってボールペンを購入したのであれば勘定科目は「消耗品費」。使用目的に合わせて費用の勘定科目を選びます。

③決算をむかえた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
仕訳なし

決算では仕訳は必要ありません。

なお、決算の際には帳簿上の預け金の残高が実際の残高と合っていることを確認しておきましょう。

2.支払いのときのみ仕訳を行う方法

①Suicaに1,000円を現金でチャージした

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
仕訳なし

Suicaに現金をチャージしただけでは、費用は発生していないので仕訳をしません。

②電車賃150円を支払った

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
旅費交通費 150 現金 150

電子マネーへのチャージ額はそれほど多額になるとは考えにくいです。

したがって、重要性の観点から、上記のように支払ったときにだけ費用の仕訳を行うとしても問題になることはほとんどないと言えます。(会計上の考え方である重要性の観点については後述します。)

チャージの都度、仕訳を行う必要がある「1.現金から電子マネーに資産を振替える方法」よりも実務上は現実的です。

電子マネーの仕訳②ポストペイ式の場合

電子マネーへのチャージにクレジットカードを使用するポストペイ式では、チャージした段階でクレジットカード会社に「未払金」の負債が発生する点が特徴です。

1.PayPayにクレジットカードで3,000円をチャージした

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
預け金 3,000 未払金 3,000

クレジットカードで電子マネーにチャージした時点からクレジットカードから口座引き落としが行われるまで、未払金が発生します。

2.PayPayで500円の文房具を購入した

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 500 預け金 500

電子マネーで実際に支払いをした時点で費用が発生します。相手勘定はチャージしておいた預け金です。

3.クレジットカード払い分が口座から引き落とされた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
未払金 3,000 預金 3,000

クレジットカード会社からの口座引き落としで未払金の負債勘定が消え、預金が減ります。まだ使っていない2,500円のPayPay残高は預け金勘定に残っています。

個人用のクレジットカードでチャージした場合

プライベート用のクレジットカードで電子マネーにチャージした時には、「事業主借」の勘定科目を使用します。

1.PayPayにクレジットカードで3,000円をチャージした

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
預け金 3,000 事業主借 3,000

私用のクレジットカードを使用してチャージしたので、預け金の相手勘定は「事業主借」です。

2.PayPayで500円の文房具を購入した

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 500 預け金 500

3.クレジットカード払い分が口座から引き落とされた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
仕訳なし

プライベート用の口座から引き落とされるため、仕訳はありません。

電子マネーの仕訳③デビットカードの場合

デビットカードは、決済と同時に銀行口座から引き落としが行われるので、仕訳は次の通り。

例:文房具300円を購入してデビットカードで支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 300 預金 300

電子マネーのポイントで支払いをしたときの仕訳

電子マネーの中には、支払いの分ポイントが還元されて決済に使用できるものがあります。ポイントで支払った場合には、「雑収入」として仕訳をすることになります。

例:1,500円の文具を購入し、電子マネーのポイントで支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 1,500 雑収入 1,500

ポイントを付与されたときには仕訳をせず、ポイントを使用した時に決済と同額の収入として「雑収入」として扱っています。

なお、全額をポイントで支払っているので、値引きがあったとして考えれば「仕訳なし」とすることもできます。ただし、10万円以上の物品の購入では減価償却が必要な固定資産となり、税務調査などで論点になる可能性があるので注意しましょう。

【個人事業主向け】電子マネーの仕訳の実務で知っておきたい「重要性の原則」

会計の考え方のひとつに、「重要性の原則」というものがあります。

企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。

企業会計基準注1「重要性の原則の適用について」

つまり、金額的に重要性の乏しいものは、簡易的に処理しても構わないということです。

事業規模に対して電子マネーでの支払いの金額が非常に大きければ厳密な処理が必要ですが、一般的には電子マネーでの取引は金額的に小さいものが多いでしょう。

したがって、以下のようにチャージの時には仕訳をせずに、簡易的に処理していたとしても問題になることはほとんどありません。

例:電子マネーで文房具500円を購入した。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 500 現金 500

プリペイド式、ポストペイ式を問わず、上記の経理処理をしておくのが最も簡単で手間のかからない仕訳の方法になります。

電子マネーにチャージする都度に仕訳をするのでは、実務上は手間がかかりすぎます。簡易的な仕訳を継続的に行うのであれば、会計上も差支えないといえます。

金額的な重要性の判断が難しい場合には、税理士や会計士にも相談してみてください。

電子マネーで売上げたときの仕訳

電子マネーで売上げたときの仕訳

この章では、個人事業主が電子マネーで売上げたときの仕訳について説明します。電子マネーでの売上金に対してかかる手数料の払い方を次の2つに分けて解説します。

  1. 手数料が一括して引き落とされる場合
  2. 手数料が差し引かれて入金される場合

それぞれ具体例でみていきましょう。

電子マネーで売上げたときの仕訳①手数料が一括して引き落とされる場合

1. 商品の売上5,000円が電子マネーで決済された

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 5,000 売上 5,000

売上げた時点ではまだお金を受け取っていないので、売掛金で処理します。

2. 電子マネーでの決済分が振り込まれた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
預金 5,000 売掛金 5,000

電子マネーの決済分が入金されたら、売掛金が回収されたものとして仕訳をします。

3. 決済手数料500円が口座から引き落とされた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
支払手数料 500 預金 500

電子マネーの手数料は「支払手数料」などの費用科目を使用します。

電子マネーで売上げたときの仕訳②手数料が差し引かれて入金される場合

1. 商品の売上5,000円が電子マネーで決済された

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 5,000 売上 5,000

2. 決済手数料500円を差し引いた金額が振り込まれた

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
預金 4,500 売掛金 5,000
支払手数料 500

上記のように、振り込まれたときに支払手数料として処理するほか、下記のように売掛金の計上時に支払手数料を計上しておく方法も考えられます。

売掛金の計上時に決済手数料を計上する方法

1. 商品の売り上げ5,000円が電子マネーで決済された

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 4,500 売上 5,000
支払手数料 500

2. 売掛金が入金された

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
預金 4,500 売掛金 4,500

売掛金の入金時に振込手数料を計上するか、売掛金の計上といっしょに振込手数料を計上するかにかかわらず、売掛金が入金されたらきちんと消込を行うことに注意してください。

【個人事業主向け】電子マネーの仕訳|まとめ

電子マネーの仕訳を支払ったとき、売上げたときに分けて解説してきました。

電子マネーの支払いについては事業用とプライベート用を分けておくと、取引履歴から月末にまとめて仕訳をするときなどに便利です。

個人事業主の皆さんは経理処理をできるだけ効率よく行って、本業に専念したいと思いますので、簡易的な仕訳方法もおすすめです。

photo:Getty Images

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