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個人事業主の保険 経費にできるものとできないもの

個人事業主が加入する保険には、経費にできる保険とできない保険があります。その違いは、事業を継続するために必要であるかどうかです。

事務所や個人事業主の場合は、自宅を事務所として使用していたり、仕事に自家用車を使用していることもありますよね。この場合は、経費を事業分とプライベートに分ける必要が生じます。これを家事按分といい、経費として認められるのは、事業で使用している部分のみになります。

この家事按分の考え方は、保険料に関しても適用されます。経費とならない部分に関しては、所得控除の対象になる場合も。以下、経費として認められる保険とそうでないものについてまとめました。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

POINT
  • 事業の継続に必要な保険料は経費として認められる
  • 個人事業主やその家族従業員に掛けられた保険は経費にならない
  • 経費として認められない保険料でも控除の対象になる場合がある

経費にできる保険とは

まずは、保険の中で経費にできるものを見てみましょう。前述のとおり、事業を継続するために必要な保険の保険料が、経費として認められます。

たとえば通常の経費で考えると、事業の継続に必要な事務所の家賃は全額が経費となりますが、自宅を事務所としている場合には、事業で使用する部分の面積を割り出し、事業分のみを経費に計上することができます。これは保険料でも同じこと。

どのような保険が経費となるのか、計上の際に注意するべき点も合わせて解説します。

自動車保険料

自動車保険料は、事業で自動車を使用しているなら経費としての計上が可能です。特に運送業などではすべて経費となるでしょう。

バイクや自転車も同じで、事業用の場合は経費となります。ただ、事業とプライベートの両方で自家用車を使用している場合には、家事按分によって、事業で使用している割合のみが経費として計上できます。家事按分は、使用回数や走行距離によって算出します。

扱いとしては、任意保険でも自賠責保険でも同じですが、任意保険で契約が複数年にわたる場合は、長期費用と見なされて仕訳の方法が少し異なりますので注意が必要です。

火災保険料

事務所や店舗など、事業に関係する建物の火災保険料は経費となります。自宅兼事務所として利用している場合などは、保険料の一部を経費にすることが可能です。

この場合、事業で使用した部分の保険料は、家事按分で面積などをもとに算出し、経費計上します。しかし、原則としてプライベートな部分は経費にならず、保険料控除の対象にもならないので注意が必要です。

地震保険料

同じく、経費への計上が可能です。自宅を事務所として利用している場合も、事業で使用している部分に関しては、経費に計上できます。

なお、火災保険とは異なり、地震保険料は平成19年1月の税制改正によって、控除の対象になったため、プライベートにあたる自宅分の保険料を一定額控除することが可能です。

従業員の傷害保険料

従業員を被保険者または受取人とした傷害保険は、経費として計上できます。仕事中の業務災害や通勤中の事故など、ケガや事故などに備える傷害保険もそのひとつ。さらに、いったん事業主が受け取った保険金を、見舞金として従業員に支払った場合も、福利厚生費として処理することができます。

保険ではありませんが、健康に関するものとして、従業員が受けた人間ドックなども、福利厚生費の項目で計上可能です。

従業員の生命保険料・社会保険料

会社が従業員のために支払う生命保険料は、福利厚生とみなされて経費になります。社会保険も同様です。

社会保険は、会社が保険料の一部を負担することが法律で定められており、休職中の従業員の分に関しても支払わなくてはなりません。これらは法定福利費と呼ばれ、健康保険・介護保険、厚生年金保険などの社会保険のほかに、労災保険や雇用保険なども含まれます。これらも事業主が負担した分に関しては、経費として計上が可能です。

生命保険料に関しては、契約内容などによって、税務上の取り扱いが異なる場合がありますので、注意しましょう。

経費にできない保険とは

経費にできない保険とは

それでは、経費にできない保険とは、どのようなものなのでしょうか。

基本的に個人事業主や専従者(家族従業員)など、事業と直接関係ないものに掛けられた保険料は、経費にはなりません。そもそも事業主が健康でなければ、事業は成り立たないとは思いますが、事業主や専従者にかけられた保険は、事業に直接かかわるものとは言えず、個人的なものと見なされてしまうのです。

しかし、経費に計上できないものでも、所得控除の対象となる場合がありますので注意しましょう。

事業主や専従者の生命保険料

前述したとおり、事業主本人やその家族を対象とする生命保険料は、経費として計上できません。事業主がいなければ会社は回らないのでは、とも考えられますが、生命保険はあくまで個人のもので、事業が対象ではないという考え方から来ています。

ただし、個人事業主の場合は生命保険料控除があります。払い込んだ保険料によって一定の金額を所得税の確定申告で、生命保険料控除として、所得控除をすることができます。法人の場合は、損金として計上できる生命保険もあります。

事業主や専従者の国民健康保険料や国民年金保険料

個人事業主や専従者は社会保険に加入できないため、国民年金と国民健康保険に加入することになります。これらは従業員が加入する社会保険と違い、残念ながら経費としては認められません。

さらに、国民健康保険には扶養家族という概念がないため、20歳以上の家族はそれぞれ自分で保険料を支払うことになります。保険料も会社負担はなく、全額自己負担になりますが、そのぶんは、所得税の確定申告で、社会保険料控除として、所得控除をすることができます。

事業主や専従者の傷害保険料

事業者や専従者は、原則として労災保険に加入できません。そのため、必要に応じてケガや不慮の事故などに備える傷害保険に加入することもあるでしょう。

しかし、事業者や専従者の傷害保険料は経費に計上できません。傷害保険は普段の生活にも適用されるために、事業に関係なく加入するものとして、必要経費ではなく、プライベートな費用とみなされてしまうのです。

ただし、所得税の確定申告で、生命保険料控除として、所得控除することができます。

費用となる保険料を理解して節税を

そもそも経費とは、事業に関する費用のことを指します。事業者と専従者には、従業員の福利厚生を目的とする費用である、福利厚生費が認められていません。そのため、従業員であれば経費に計上できる保険でも、事業者や専従者を対象とする場合は、経費とならないことを理解しておきましょう。

個人事業主の場合、事業の経費とプライベートな出費が曖昧になってしまうこともありえます。保険料に関しても同じことで、ここが間違っていると経費が過剰になり、税金を少なく申告することになってしまいます。納税額が不足すると、税金の差額を徴収されるだけではなく、ペナルティとして、加算税が課される場合もありますので、注意が必要です。

経費に計上できないものでも、所得控除の対象になる場合がありますが、一般的には所得控除より経費として計上した方が、税金が抑えられます。支払う保険料が経費となるのかどうか、しっかりと確認してもれなく申告しましょう。

photo:Getty Images

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