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見積書送付時のメールの書き方【駆け出しフリーランス必見!】

見積書をメールで送るよう依頼されたとき、皆さんはどんなことに気を付けていますか? 見積書の内容を確認することももちろん大切ですが、あわせて気を配りたいのが見積書を送付するときのメール文です。

見積書の送付時は契約を結ぶ前の段階であり、特に複数の候補から発注先を決める「相見積もり」のケースでは、メール文から伝わる印象が検討材料になることもあります。そこで今回は、フリーランス歴10年以上かつ、普段からさまざまな企業とビジネスメールを交わしている3名の方のお話をもとに、見積書送付時のメール文の書き方について解説します。

POINT
  • 見積書を作成する前に追加料金や納期などの条件をすり合わせておく
  • 見てすぐ用件が伝わる件名(タイトル)をつける
  • メールの本文はわかりやすく簡潔にまとめる

添付する見積書の内容をチェックする

見積書の内容に不備があると信頼性が損なわれますし、取引先の手間を増やします。まずは、事前にすり合わせた内容との相違がないか、指定された形式になっているかをきちんと確認したうえで以下の項目についてチェックしましょう。

□上書きできないファイル形式になっている?
□金額は妥当?
□記入事項に抜けはない?
□誤字脱字はない?
□税込・税別の表記はOK?
□宛名はOK?
□押印の要・不要は確認済み?
□納期や追加料金などの条件を記入している?
□担当者以外の人が見ても問題ない内容になっている?
□スケジュール表などほかに作成を依頼されている資料はない?

なかでも、知人のフリーランスの中で、よくある失敗例として多く挙がったのが追加料金です。予想以上に修正回数が多いにもかかわらず、見積書に記入していなかったため、追加料金を請求できなかったという話も出ました。こうしたお金の話が多くなるのは、見積書のメールならではのことです。

個人対個人のやり取りであれば融通がきく場面でも、取引先が企業だと臨機応変な対応が難しいこともあります。案件をスムーズに進行するためにも、見積書に記入する条件に抜けがないかチェックしておきたいところです。

また、見積書のほかに添付する資料がある場合は、容量の重さに注意し、送信漏れを防ぐためにメール本文に添付ファイルの内容を明記しておきましょう。

好印象につながるメール文の書き方は?

お伝えしたように、見積書のメールは契約を結ぶ前に送るものです。スムーズな契約につなげるためにも、相手によい印象を与えられるよう気を配る必要があります。取引先の社内で共有されることも考えて、以下のポイントに注意しながらシンプルでわかりやすいメール文を作成しましょう。

①パッと見てすぐ伝わる件名をつける

「お送りします」「〇〇(自分の名前)です」など、用件がわからないメールの件名は不親切です。「お見積書をお送りします_○○○○(必要であれば屋号+自分の名前)」のように、誰から何の用件でメールが来たかすぐわかる件名をつけましょう。

②宛名は正確に書く

案件の担当者ではなく、営業部や経理部、担当者の上司など別の人に見積書を送るよう依頼されることもあります。宛先を事前に確認したうえで、会社名、所属、名前を間違えないよう記入します。

③わかりやすく簡潔な文章にする

まわりくどい表現や、こそあど言葉の多用などのわかりにくい文章は避け、あいさつ→用件→お礼のシンプルな構成にします。また、「なるべく早めにお知らせください」といった曖昧な文章の場合、「なるべく早め」の基準は人によって異なります。「〇月〇日までに」と具体的に明記しましょう。

④署名欄に連絡先を記入する

最後の署名欄に、電話番号などすぐに連絡がとれる手段を記載しておくと親切です。派手な飾り罫線は避け、署名は名前+肩書き+連絡先のシンプルな構成でまとめます。

⑤自然な一言をプラスする

状況に応じてメールに一言添えるという意見も出ました。企業対企業ではビジネスライクな関係が好まれることもありますが、フリーランスでは取引先との信頼関係が業務の潤滑油になり、契約につながるきっかけにもなるとのこと。特にリモートでのやり取りが多い場合は、信頼関係を築く手段のひとつとして、猛暑が続いているときは相手の体を気遣う一言を添える、取引先の動向を常にチェックして関心をひかれる動きがあれば一言添えるなど、それぞれで工夫しているようです。

マイナス印象を招くNGメールにご注意を

メールは便利な一方、対面でのやり取りとは異なり、行き違いや誤解があってもその場でフォローすることは困難です。まだ契約前の段階であることを忘れずに、こちらが意図しない伝わり方や失礼が生じないよう、次のポイントに注意しましょう。

①件名に「要返信」「至急」をつけない

たとえ取引先から急いで見積書を送るよう依頼された場合でも、件名に「至急」のような要求を記載することは控えます。傲慢な印象を与えかねませんし、件名をわかりやすく明記しておけば十分です。

②ついでにほかの用件を伝えない

ひとつのメールにつき、ひとつの用件が基本です。担当者が同じだからと別の用件を付け足すと、情報が混乱しますし、見落とされる可能性もあります。ほかに伝えたいことがあれば、「〇〇の件に関しては改めてご連絡いたします」と伝えるまでにしておきましょう。

③不安や誤解を招く言い回しをしない

見積額のすり合わせが完全にできていないのに、すでに同意を得ているかのような言い回しをする、急いでいるからと挨拶やお礼を省くといったメール文が、マイナスな印象や相手の不安を招くこともあります。はじめての取引になる場合は特に、誤解を招かない表現を選びましょう。

NG文例&OK文例で理解度をチェック!

最後に、お伝えしたポイントを踏まえてNG文例とOK文例をご紹介します。自分ならどの部分を調整するか考えてみましょう。

NG文例

件名:至急確認してください。

〇〇様

先日はお電話ありがとうございました。納期や宛名、修正回数についての質問にいろいろ答えていただけたのでとても助かりました。そのときに指示された見積書を送ります。しばらく不在になりますので、間違いがあれば早めにご連絡ください。

△田△子

OK文例

件名:お見積書をお送りします_△田△子

○○株式会社
○○部
○○様

お世話になっております。
ライターの△田△子です。

お見積書を添付いたしますのでご査収ください。

先日いただいたお電話で、
・押印が必要
・納期は〇月〇日
・修正対応は3回まで、4回以降は追加料金を加算
とのお話があったかと存じます。
上記の内容を踏まえて作成しておりますが、
万一不備な点がございましたらご一報ください。

なお、〇月〇日~〇月〇日の期間は夏季休暇を予定しております。
大変恐縮ですが、修正が必要な場合は、
〇月〇日までにご連絡いただければすぐに対応できるかと存じます。

厳しい暑さが続きますが、どうぞご自愛くださいませ。
引き続き何卒よろしくお願いいたします。

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△田△子(ふりがな)
フリーライター

Mobile:000-0000-0000
Mail:(メールアドレス)
URL:(サイトがあれば表記)

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いかがでしたか。上記はあくまでも一例です。チャットツールで見積書を送るケースもあるかと思いますが、注意したいポイントは基本的に変わりません。表現をそぎ落とすイメージで、短く簡潔な文章で伝えることが大切です。

photo:Getty Images

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