【全問正解ならキミも税金マスター?】連載1周年!Gパンパンダの「個人事業主への道クイズ」【前編】

公認会計士兼税理士の星野さんと、MENSA会員の一平さんによる超インテリお笑いコンビ・Gパンパンダのお2人と一緒に1年にわたり、個人事業主やフリーランスに必要な税金や届け出の知識を、いろいろ勉強してきましたが……ちゃんと覚えているでしょうか?
今回は、まとめクイズで楽しみながらの総復習です。ぜひ読者のみなさまも、全問正解を目指してみてください!
※この記事は2020年2月6日に取材したものです。
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目次
「開業届」や「即時○○」……うろ覚えの正式名称、正確に言える?
――この連載も、めでたく一周年を迎えることができました!
一平:
ありがとうございます!
星野:
一年も続くなんて、本当にありがたいことです。
――特に一平さんは、この一年で、税に関する新たな知識がたくさん身についたのではないでしょうか?
一平:
そうですね。すでに周囲から“税金マスター”と呼ばれることも、あったりなかったりしますね。
――そんな税金マスター(仮)の一平さんに、この一年間のおさらいとなる内容を、星野さんからクイズとして出題していただきます!もちろん一平さんには、クイズの内容はシークレットとさせていただきました。さて、全10問中、何問正解できるでしょうか!?
星野:
言ってしまえば、この一年間、一平くんは僕の解説を聞く立場だったわけですよ。僕は一平くんを読者の方々の代表とみなして、複雑な税の話をわかりやすく伝えてきたつもりです。果たして彼がその話を、本当にちゃんと聞いていたのかが、今回のクイズで明らかになりますね。
一平:
聞いてたよ!
――誰よりも間近で、星野先生の講義を受けてきていますからね。
一平:
裏を返せば、僕がクイズに答えられなかったら、星野の説明が読者のみなさんにちゃんと伝わってなかった……ということだから、星野は今後の教え方を考え直したほうがいいよね。
星野:
敵のせいにするという、失礼な予防線の張り方ですね(苦笑)。一平くんは自分に甘いけど、クイズの内容は甘くないので心して臨むように!
一平:
僕がどれだけ読者のみなさんと一緒に成長してきたか、証明しますよ~!全問正解してみせます!!たとえ1問正解だったとしても、全問正解のように振る舞います。
星野:
ずいぶん弱腰だなあ。今回も正解数によって、「スモビバ!」編集部の方々がごほうびを用意してくれてるよ。
一平:
本当?じゃあ、確実に全問正解です!微妙な場合もどうにかして正解をもぎ取る!!
星野:
……いつかは僕も、何かごほうびが欲しいですね(ボソッ)。では、早速クイズを始めていきましょう!
【Q1-1】
個人事業主は、事業を始めるにあたって「開業届」を出す必要があります。この正式名称を答えてください。
一平:
開業届を出すのは当たり前ですが、その際に正式名称を覚えておく必要はありません!名前を知らなくても出せて、個人事業主として認められます!
星野:
回答を焦らないでください(笑)。今のはいわば【Q1-1】です。この1問目には続きがありますよ。
【Q1-2】
また、開業届はいつまでに出すのでしょうか。出さなかったら、どうなるでしょう?
一平:
ちょっっっとヤバいですね、1問目から~!
星野:
開業届に関しては、連載開始直後の記事で解説しましたね。今からほぼ一年前になりますが、高IQ芸人の一平くんならきっと覚えているでしょう。
一平:
……開業届がどういう用紙か、見た目は覚えてるよ!住所とか事業概要とか屋号とか書く欄があるやつ!!
星野:
部分点狙いなのか、すごい勢いでしゃべってますね(笑)。実際に、この正式名称を言える人はかなり少ないと思います。ただ、「この単語は絶対に覚えておくべき」という部分があるので、そのポイントを押さえてくれれば正解にしてもいいですね。
一平:
……事業……開業の……届?いや、事業等の!?
星野:
事業等の?
一平:
事業等の……開業申請の書!
星野:
歴史上の資料みたいだ(笑)。えー、開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
一平:
あーーーっ!!‟廃業”もあるんだった!そうだそうだ!廃業することもあるのよ!そうなのよ!
――まさに、この‟廃業”の部分がポイントだったんですね。
一平:
今の僕の答えは、10点満点中6点ですね。
※「国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」」から引用。
※2020年4月時点の書式です。
星野:
まあまあまあ……4点くらいかな?‟個人”という言葉も入っていなかったので。
一平:
僕が言った‟事業等”の‟等”には、‟個人”という意味も含まれてたんですよ。
星野:
正誤は、次の【Q1-2】も踏まえて判断しましょうか(笑)。さて、開業届はいつまでに出すべきかも答えてください。
一平:
これは、開業すると決めた日……。
星野:
……残念でした!正解は、「開業してから1ヵ月以内」ですね。
一平:
まだ答えを言いきっていません!僕は「開業すると決めた日……から、1ヵ月以内」と言うつもりだったんです!途中で勝手に締め切るのはズルいですよ!
星野:
ファイナルアンサーじゃなかったってこと?面倒くさいなあ(苦笑)。では、開業届を1ヵ月以内に出さなかったらどうなるでしょうか?これも取材時に話しましたよ~。
一平:
う~ん……1ヵ月以内に出さなくても明確な罰則はないけど、青色申告ができないし、青色申告ができないってことは、白色申告をすることになるけど、その白色申告をしなかったら、無申告加算税という罰則がある……。
星野:
ずっとゴチャゴチャしゃべってるけど(笑)。……とりあえず、1問目は半分正解で△ということにしましょう。
一平:
おっ?おおっ!?
星野:
一平くんが長考してるのを待ってたら、いくら時間があっても足りないから、この問題は激甘で採点して終わります(笑)。一平くんが言った通り、開業届を提出しないことに対する明確な罰則はありません。でも、所得税の青色申告をする場合は、開業から2ヵ月以内(ただし、開業日が1月1日~1月15日の場合は、3月15日が提出期限(※))に「青色申告承認申請書」を提出する必要があるため、開業届と一緒に出すのがいいでしょう、と話しましたね。
一平:
僕の説明、完璧じゃん!
星野:
……‟完璧”というところはスルーしましょう。ちなみに、青色申告承認申請書も、提出しなかったからといって罰則があるわけではありませんが、青色申告ができなくなってしまうので要注意です。
【Q1 解答はこちらの記事をチェック!】
個人事業主になる準備って?超インテリお笑いコンビ「Gパンパンダ」に聞いてみよう!
星野:
さて、次は軽減税率の記事で解説した内容に関する問題ですね。
【Q2】
会計時にその場でキャッシュレス還元がおこなわれることを「即時〇〇」といいます。〇〇に入る言葉は?
一平:
軽減税率に関して、僕はすべてを知っていると言ってもいいですからね。即時……答えの1文字目は‟還”ですね?合ってますよね??
星野:
ヒントをもらおうとせずに、早く答えてください。
一平:
「即時還元」か、「即時還付」みたいな感じだったと思うんだけどな~。ちなみに、「○○だから漢字2文字」という考え方でいいですか?
星野:
メタ視点でクイズを考えてますね(笑)。そうです、漢字2文字ですよ。
一平:
よし!答えは「即時還元」だ!!
星野:
……残念!正解は「即時充当」です。
一平:
全然違うじゃないか~!(泣)
星野:
穴埋め問題は難易度が低いですから、しっかり正解してほしかったですね~。キャッシュレス還元については、ホワイトボードに書いて仕訳の解説もしましたし。
一平:
キャッシュレス還元の仕訳の仕方はわかるけど、「即時充当」って言葉は覚えてなかった……。これも細かい用語だからキツいって~~。
星野:
キャッシュレス還元において、値引きのようなイメージでその場で還元がおこなわれ、お会計が安くなることを「即時充当」というんでしたね。
一平:
へえ~。みなさん、初めて聞きましたね。
星野:
1つずつ記憶を捏造しようとしても、無理だから(笑)。これは不正解です!
【Q2 解答はこちらの記事をチェック!】
2019年(令和元年)分の確定申告の変更点と注意点!Gパンパンダ(超インテリお笑い芸人)が解説
家事按分、公認会計士と税理士の違い、税にまつわる罰則……きちんと理解できているかチェック!
【Q3】
次の5つのうち、家事按分できないものをすべて答えてください。
(1)引っ越しの運送費
(2)敷金
(3)火災保険料
(4)住宅ローンの元本
(5)洗濯機の購入費用
一平:
洗濯機は、事業に用いるんですか?
星野:
それも踏まえて考えてくださいね。これらは全部解説してきたことですから!
一平:
では、順に言っていきます!まず(1)の運送費は、家事按分できます。(2)の敷金は、将来返ってくるお金なので、家事按分できません!(3)の火災保険料は~、控除欄に書くところがなかった気がするんだよね。生命保険料は欄があるんだけど。こういうことをちゃんと覚えている僕って、素晴らしいですね。
星野:
ここもおしゃべりが止まらないですね(笑)。
一平:
えっと、火災保険料は、仕事をする住宅を維持するために必要なものなので、家事按分できます!でも!これは!住宅で仕事をする場合です!仕事をしない住宅はダメですよ!!
星野:
はいはい(笑)。(4)住宅ローンの元本は?
一平:
将来的に返ってこないお金だから、家事按分できるはずだね。そして(5)洗濯機の購入費用は、仕事着の洗濯に使うなら家事按分できる!
星野:
……残念!1つだけ間違いがありますね。
一平:
うわ~!火災保険料!?
星野:
火災保険料の解釈は合ってたよ。一平くんが間違えたのは、(4)住宅ローンの元本です。
一平:
住宅ローンの元本!?なんで?
星野:
仮に、住宅を事業に使っている前提だとしても、これはあくまで借金(借入)なんですよね。借入をするというのは、コストとして費用が発生しているのではなく、負債があるという考え方になります。つまり、出費ではなく負債という扱いになるので、経費には該当せず、家事按分もできません。
一平:
はあ……(深いため息)。みなさん、家事按分できるかどうかわからないものは、ちゃんと確認してから確定申告するほうがいいですね!
星野:
明るく取り繕っていますが、この3問目は不正解ですね。
一平:
えー!!!△じゃなくて×!?くっそ~、次だ次!
【Q3 解答はこちらの記事をチェック!】
税務調査でチェック?!確定申告で家事按分できるものや計算方法を解説!
ルームシェアの家賃に引っ越し代、車関係は確定申告で家事按分できる?
【Q4】
個人事業主が相談するなら、公認会計士と税理士のどちらが適切な存在と考えられるでしょうか?理由と、選ぶときのポイントについて答えてください。
一平:
これは簡単すぎる!公認会計士は、上場企業等の不正がないか、会計を監査する仕事ですから、個人事業主には関係ありません。個人事業主が税金について聞くべきなのは、ズバリ税理士でしょう!
星野:
まず、ここまでは正解ですね。過去の記事で解説した通り、公認会計士の仕事のメインは監査ですから、上場企業などを相手にするケースが多いです。税理士は、個人事業主やフリーランスの方から見ると、確定申告書を作ってくれたり、税金の相談に乗ってくれたりする身近な存在と言えるでしょう。
一平:
それはさすがにわかるよ~。なんといっても、相方が公認会計士兼税理士ですからね!
星野:
では引き続き、税理士を選ぶときのポイントも説明してもらえますか?
一平:
確定申告は、個人事業主の業種によって、経費の使い方など、いろいろ専門的で複雑なことが必要になりますね。なので、自分の業種の専門分野に詳しい税理士さんがいい……ということですよね?だから、過去にその業種のクライアントを担当していた人などがいいのではないでしょうか!
星野:
おお~。いい答えですね。正解です!
一平:
これは二重丸!2問分正解したことにして~!!(笑)
――特別に花丸をつけておきましょうか(笑)。さあ、一平さんにはまだまだ問題があるので、頑張ってください!
【Q4 解答はこちらの記事をチェック!】
会計士と税理士の違いって?超インテリお笑いコンビ「Gパンパンダ」が徹底解説!
【Q5】
確定申告をしないと、どうなるのでしょうか?一平さんの見解をお答えください。
星野:
これは、いくつかの過去記事の複合的な問題といえるかもしれませんね。
一平:
確定申告をしない期間も含めて考えるってことだよね?……壮大な記述問題じゃん!!(汗)えっと、まずは社会的な信用を失います!だから、しないよりはしたほうがいいですね!
星野:
何度も言っていますが、「したほうがいい」じゃなくて、僕たちのような個人事業主は、「絶対しないといけない」ものですよ!
一平:
そうですそうです。だから、確定申告しないと、無申告扱いになるので、ものすごいペナルティを受けます。その人が支払うべきだった税金額に応じて、罰金が科されます。ただし!その年の確定申告の期限から1ヵ月以内に、自主的に「ごめんなさい!遅れました」と申告する、かつ、税務署から「払ってないですよね!?」って通知が来てない場合、かつ、5年以内に税金に関して悪いことをしていない場合……。
星野:
一文が長すぎるので、どこかで句点を打ってくださいね(笑)。
一平:
とにかく、「期限から1ヵ月以内に申告する(※)」「税務署から通知が来ていない」「5年以内にペナルティを食らっていない」の3つの条件をクリアしたら、無申告の罰金はかかりません!
星野:
ペナルティ以外の観点はありますか?「確定申告をしないとどうなる?」という問題なので。
一平:
あ~!税務調査が来たりしますね!これは非常に大変です!!
星野:
「非常に大変です」が解答?(笑)
一平:
これまで保管している領収書やレシートなど、経費の証明になるものを出さないといけないし、源泉徴収票などの収入を示すものや、過去の確定申告書の控えなんかも出さなきゃだし。よくわかんない場合は、税理士を急いで探して相談に乗ってもらわなきゃいけない!大変!!
星野:
最悪の場合は、いったいどうなるでしょうね?
一平:
いやあ~!どうなるんだ~~!!廃業させられちゃいそう!!
星野:
廃業がファイナルアンサーでいいですか?
一平:
いや、廃業はしません!
星野:
もし申告書を出したとしても、「税金を少なくしたいから」という悪質な考えでわざと内容を変えて、正しい申告をしていない場合はどうですか?
一平:
うお~~~~~、なんか漢字3文字くらいの罰金があったな~~~~~!(悶える)名前は思い出せないけど、確か35%以上の罰金だ!罰金の名前は、採点基準に関係ないですよね!?
星野:
温情で、名前は問わないことにしてあげましょう(笑)。そもそも確定申告をしなかった場合は、無申告加算税、悪質な目的で正しい内容の申告をしなかった場合は、重加算税がかかります。そして、いずれの場合も税務調査が入る可能性があります。この記述問題は正解ですね。
一平:
やった~!ありがとうございます!!
【Q5 解答はこちらの記事をチェック!】
確定申告しないとどうなる?間に合わない時は?待ち受ける罰則をチェック!
税務調査って何?いきなり来るの⁉超インテリ芸人・Gパンパンダに聞こう!
税務調査はSNSもチェック?手順や流れを超インテリ芸人・Gパンパンダに聞こう!
――ここまでで一平さんは5問中2問正解!追い上げがあるのでしょうか……?そして税理士ジョークは生まれるのか……?後編へ続きます!
Photo:沼田学