一人社長が、会計事務所とつきあってよかったこと

フリーランスにとって目標のひとつが法人への移行「法人成り」です。法人となれば税務申告書の作成や法人税の支払、節税対策など、フリーランス時代にはない会計業務も増えます。
今回は、法人成りで一人社長になった元フリーランス編集者から、会計事務所と上手につきあう方法を教えてもらいました。
[おすすめ]法人の会計業務をかんたんに!無料で使える「弥生会計 オンライン」
目次
- POINT
-
- 法人を設立するなら会計事務所と契約した方がよい
- こまごまとした業務の委託や助言を得られる
- 事業計画、資金繰りなど将来をともに見据えるパートナーに
会社設立をきっかけに会計事務所に業務を依頼
法人の代表取締役社長として編集制作業務を行っているKさんが、フリーランスから法人の一人社長になったのは数年前。課税所得が600万円を超え、法人にした方がお得だと聞いたからでした。
法人となれば会社法(会社計算規則)に則った会計処理だけでなく、将来を見据えたお金の相談相手が必要になるはず。そう考えたKさんは、フリーランス時代から収支管理が苦手だったこともあり、会計業務を複数の税理士がいる会計事務所に依頼することにしました。
フリーランスから法人に変更して大きく変わったのは、Kさんが自分の会社から給与をもらうようになったことです。
一人社長のKさんにとって、会社の売上=Kさんの売上とほぼ同じ。Kさんの給与は「給与所得控除」として会社の利益から差し引いて計算できますが、Kさんの給与には所得税や住民税がかかります。また会社にも「法人税(法人住民税+法人事業税)」がかかり、社会保険料を会社とKさんとが折半して支払わなくてはなりません。
Kさんの給与額をいくらにすれば得になるのか、会計事務所のアドバイスが有効となりました。
- 【関連記事】
- 社長の給料、ホントにその金額でいいんですか?
報酬支払に伴うこまごまとした業務の委託や助言を得る
法人にしてからKさんは、大きなプロジェクトの依頼も増えて外部の協力者に業務を委託するようになりました。
源泉徴収が必要な報酬を個人事業主に支払い、アルバイトスタッフも採用することに。週20時間以上働くアルバイトスタッフには、社会保険に加入してもらうことになりました。
社会保険料や預かった源泉徴収税の支払い手続きなどを、会計事務所に代行してもらう契約にして日々の業務を乗り切ったそうです。
また終電後まで事務所で仕事をすることが増え、事務所と自宅の往復にKさん所有の自家用車を使うように。取引先へも自家用車で訪問する機会も増えました。
「最近、仕事が遅くなりがちで、仕事場にクルマで通っているんですよね」と会計事務所の担当者にポロリとこぼしたKさん。「では、通勤用のクルマを法人の名義にしてはいかがですか?」と担当者。「いや、好きで買った車だし、自分名義のクルマを法人名義には変更したくないな……」
なんの気なしに話したことでしたが、ここでも会計事務所からアドバイスをもらうことに。このアドバイスでKさんは、自家用車にまつわる費用を以下のように分類することにしました。
一人社長が通勤・業務に自家用車を使う場合の経費
・毎月のリース料を会社がKさんに支払う
・通勤・業務で使ったガソリン代、高速代、駐車場代は会社が支払う
・自動車保険、車両代はKさんが支払う
結果として、Kさんはクルマの名義は自分名義のまま、仕事に使用した分のクルマの費用を経費化することができました。
このことで、Kさんは普段から会計事務所の担当者と密なコミュニケーションを取っていてよかったと感じ、今まで以上にいろいろなことを会計事務所の担当者に相談するようになったそうです。
事業計画や資金繰りで将来を見据えるパートナーに
最初は一人社長から法人をスタートしても、取引先が増えたり、社員を雇って組織が大きくなったりと、未来に向けて仕事の幅が広がっていくこともあるでしょう。それに伴い、収支の規模も大きくなるため、現在の利益や資金を把握して「経営」の視点が重要になります。
そんなときに会計事務所は、経理代行だけでなくフリーランス時代に経験しなかった場面でも、将来を見据えたお金の相談相手になってくれるはずです。
フリーランス時代には確定申告の時期しか自分の売上を見ていなかったKさんも、会計事務所から月次決算の報告をしてもらうようになり、会社の財務を見ることが仕事のやりがいのひとつになったそうです。
Kさんのように会計事務所と上手につきあうためには、ちょっとした電話やメールなどでもいいので、普段から小まめなコミュニケーションを取ることがとても大事。そうすることで、専門家の見地からお金や経営面でのアドバイスを得ることができると思います。
社長になって、会計事務所と上手につきあって、日々の業務が拡がる喜びを味わいたいですね。
経理業務はもちろん、融資や経営計画のアドバイスなど、事業にかかわる様々なお悩みをサポートする「豊富な経験と実績がある税理士・会計事務所」を無料で紹介します。
photo:Getty Images