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WEBデザイナーのための確定申告ガイド

近年、ノマドワーカーをはじめ、会社から独立してフリーランスとして仕事を受注するWEBデザイナーが増えてきています。会社に勤めていると、毎月のお給料から所得税が徴収され、これをもとに年末調整手続きを行うことで納税手続きは完結します。

一方、フリーランスとして独立すると、自分自身で年に一度、確定申告手続きを行い、税金納付を行う必要があります。

「何をどこまで経費にしていいの!?」
「売上ってどのタイミングで計上するの!?」
「源泉税ってどの様に集計して、いつ還付されるの!?」

今回は、WEBデザイナーが確定申告を行ううえで気になるポイントを解説します。

POINT
  • 経費率は意識不要。経費は「事業関連性」で判断しよう
  • 青色申告は、実現主義である「納品時売上計上」が原則
  • 漏れなく源泉還付! 請求書金額と入金額を必ずチェック

どこまでOK!? WEBデザイナーの経費の範囲

税金は、「売上」-「経費」=「利益」の「利益」部分に対し税率を乗じることで発生します。そのため、「利益」が少なくなれば、支払う税金は少なくなりますが、算出式からわかるように、「経費」が多ければそれだけ「利益」の金額が下がり、税額は少なく計算されます。

では、実際はどこまで経費として計上できるのでしょうか。

まずは迷いがちな経費の範囲についてみてみたいと思います。経費の範囲は、現在行っている事業との「事業関連性」で判断しましょう。

例えば、デザインの打ち合わせを喫茶店などで行った場合、その支出は会議費として計上可能です。また、パソコンなどの電子機器や事務用品については、通常、業務に使うものがほとんどですので、その全額が消耗品費として計上出来ます。また、スキルアップや情報収集のためのスクール代、セミナー代は研修費として考えて良いでしょう。

自宅をオフィスとして使用している場合の家賃や携帯電話料金などについても、事業用途で使用する割合を算出し、当該部分について経費計上することが認められています。

一方で、スーパーでの日用品の購入、レジャー施設の年間パスポートなどの娯楽費用、保育園代などは経費として認められません。

実務的には、「経費の範囲」について、明確に区分出来ない部分が多いのも現状です。そんな時は、支出との「事業関連性」を考えて経費計上を判断してみて下さい。

納品時!? 請求書発行時!? 入金時!? WEBデザイナーの売上計上

売上を計上するタイミングは、税額計算にとって重要な要素です。では、WEBデザイナーは、どのタイミングで売上計上を行うべきでしょうか。ここでは、不明点の多い売上計上時期について説明します。

まず、原則的には、実現主義に基づく納品基準により売上計上を行います。これは、受注したデザインなどを依頼先に納品したタイミングで売上計上する方法です。一方で、簡便性を重視した例外的な売上計上のタイミングとして、2つの基準が認められています。

1つめは、請求書発行基準で売上計上する方法です。フリーランスのWEBデザイナーは、自分自身で請求書を発行することも多く、請求書発行日を売上計上のタイミングとします。

2つめは、入金基準で売上計上する方法です。口座に実際の入金があった日を売上計上のタイミングとします。

いずれの売上計上基準を採用するかは、自分自身で決めることができますが、青色申告には、実現主義である原則的な納品基準が必要とされていますので、まずは納品基準の適用を検討するようにしましょう。また、税額調整とみなされないよう、一度設定した売上計上基準は、毎期継続的に適用する必要があることに留意して下さい。

源泉徴収ってなに? WEBデザイナーの源泉還付について

「源泉徴収」という言葉。一度は耳にしたことがある方も多いと思います。

「源泉徴収」とは、支払い側が支払額の一部を徴収し、定期的に国に納める制度です。請求書記載額と入金額が相違するケースにおいて、多くの場合、支払い側にて源泉徴収が行われています。そして、この源泉徴収額を年間の納税額に調整する手続きを行うことが確定申告手続きです。

Webデザイナーの場合、100万円以下の売上に関しては一律で10.21%、100万超の売上に関しては20.42%が支払い側より源泉徴収されます。この入金額を減らす源泉税額、社内管理体制の整った大企業においては、「いくら源泉しましたよ」という支払調書を年末に書面で送付してくれますが、明確な発行義務があるものではなく、支払調書を発行しない会社も多くあることから、「源泉税額の集計が漏れる」といった事態が発生しがちです。

そこで、売上管理表の作成や請求書に記載した金額と入金額との突き合わせを定期的に行うことにより、源泉税額の集計を漏らさないようにしましょう。

まとめ

経費集計、売上計上、源泉税額により、確定申告書の内容は大きく異なります。

確定申告をはじめとしたお金の管理もWEBデザイナーとして独立後に行う重要な案件のひとつです。今まで会社がやってくれていたことを自分自身で行わなければならない分、負担も大きいですが、本業であるデザイン業務を別の側面から見ることが出来るよい機会となることも事実です。

所得税の確定申告書提出期限は、毎年3月15日です。期限内の提出を目指し、知らないことにより損をすることがないよう、必要最低限の知識をもって確定申告手続きに臨んで下さい。

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photo:PIXTA

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