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個人事業主・起業家のためのストレスマネジメント

経営への不安や資金繰り……。昨今、従業員のストレスケアが話題になっていますが、個人事業主・起業家も何かとストレスに苛まれるものです。しかし人として生きているかぎりストレスの原因因子から逃れることはできません。日々の仕事に追われながらも、いかにストレスと上手に付き合っていくのか、それが肝心です。今回は、個人事業主の「ストレスマネジメント」について解説します。

POINT
  • 多くの事業所がストレスチェック制度を施行
  • “替えがきかない個人事業主”にも、ストレスマネジメントが必要
  • ストレスの原因因子を4つに分類し、その解消法を考えよう

2015年より「ストレスチェック制度」がスタート

厚生労働省により5年に1回行われている「労働者健康状況調査」の最新版(平成24年)によると、メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所は事業所全体の「47.2%」にまで増加しているそうです。

こうした流れを汲み、2015年12月1日からは、労働安全衛生法の改正に基づき、従業員50名以上の事業所を対象とした「ストレスチェック制度」が施行されました。制度では年に1回、労働者に対する「ストレスチェック」と、(結果によって)「医師による面接指導」を事業所に課しています。

これらはいずれも事業所による取り組みのため、会社員でないかぎり関係のないことと思われるかもしれません。しかし、社会制度的なストレスケアが及ばないうえ、同僚や部下に仕事を代わってもらうことも休職することもできない……。そんな”替えがきかない個人事業主”こそ、ストレスマネジメントが必要と考えられるのではないでしょうか。
【参考記事】
スモールビジネス事業者にも大事な「メンタルヘルスケア」とは?

4つに分類してストレスの因子を考える

ところで、私たちは「ストレスを感じる」「ストレスが溜まってきた」なんて当たり前のように表現していますが、そもそも「ストレス」って何なのでしょうか?

ストレスとは、さまざまな刺激を受け、心身が何かしらの反応をしている状態のこと。その原因因子は「ストレッサー」と呼ばれ、「イライラする」「疲労感」「不安な気持ち」「活気がない」といった精神面の不調、さらには、うつ状態、胃痛などの心身反応(ストレス反応)を引き起こします。

ストレッサー(ストレスの原因因子)はわかりやすく大別すると、以下のように分類されます。

物理的要因:寒冷、光、音、においetc
生理的要因:空腹、体調不良、疲労、睡眠不足etc
社会的要因:人間関係、生活の変化etc
心理的要因:生活・仕事に対する満足度、将来への不安etc

すなわち、今の天気も、今あなたが見ているパソコンのディスプレイも、はたまた今日の睡眠時間、対人関係、仕事のことなど、身のまわりの”あらゆるもの”がストレスの原因因子になるということ。

考えれば考えるほど、ストレスをまったく感じずに生きるなんて不可能かも……なんて思えてきてしまいます。

快適な仕事場をつくる方法

しかし「ストレッサーの数を少なくする」ことは十分可能なはずです。気分転換を図ることを「ストレス解消」などと言いますが、身のまわりからストレスの原因因子をなくす、すなわち、”もとから断つ”こともまた、非常に理にかなったストレス解消法だと思いませんか。

ここからは、先ほど4つに大別したストレッサーを、個人事業主の生活・仕事に発生しがちなものに置き換え、考えていきましょう。

物理的要因→仕事場の環境
生理的要因→体調管理(特に睡眠)
社会的要因→公私の区別と人間関係
心理的要因→将来への不安(特にお金のこと)

まずは「仕事場の環境」。暑い場所・寒い場所・薄暗い場所などで作業をしていると、知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまうことがあります。そこで参考にしていただきたいのが、労働者の安全・健康を守るための法律「労働安全衛生法」です。

ここでは快適な職場の室内環境は「気温は17〜28℃、湿度は40〜70%」と記されています。対策としてエアコンの設定温度を管理するほか、温度・湿度計の機能のある置き時計をデスクに備え、基準に達しているか日々チェックしてみてもよいでしょう。

また、部屋の明るさについて「労働安全衛生法」では、「精密な作業」は300ルクス以上、「普通の作業」は150ルクス以上、「粗な作業」は70ルクス以上と基準を設けています。ルクスとは「1平方メートルが1ルーメンで照らされるときの照度」のことで、各種照明器具ごとにルーメン数(光束の単位)が定められています。

照明器具には消費者にわかりやすいよう、「適用畳数の基準」(75~150ルクス確保できる部屋の広さの基準)も定められていますので、ご自分の仕事内容を踏まえたうえで照明選びをすれば、ストレスの溜まりにくい快適環境が確保できます。

体内時計を管理して体調改善

次に「体調管理」です。個人事業主が体調不良として一番多いのが、睡眠不足を原因にしたものではないでしょうか。

実は人間には体内時計が備わっています。しかし、部屋に閉じこもって生活していると、社会的な24時間の周期と体内時計に”ズレ”が生じていきます。一説によるとそのズレは「10分」程度ですが、人によって個体差があります。ズレが大きい人だと24時間周期が乱れ、だんだんと夜更かしになっていくそうです。

このズレを解消し、24時間刻みの生活に”同期”する役割を果たしてくれるのが「太陽の光」です。睡眠時間が短くても、朝、カーテンを開けて太陽の光を浴びることでカラダがリセットされ、体調が改善されます。

仕事とプライベートの区別をつけよう

「公私の区別と人間関係」は、なかなか解決が難しいものです。個人事業主はプライベートな空間で仕事をしていますし、時間管理の面でも公私の区別がしにくくなります。また人間関係についても、上司・部下がいない個人事業主はいわゆる”職場の人間関係”に心を痛ませることはありません。しかし仕事の時間内にプライベートな人間関係でストレスが生じ、結果としてそれが仕事に支障をきたすことがあり得ます。

この解消法は、時間管理の面でも気持ちの面でも、仕事とプライベートをはっきりと分けること。そのうえでプライベートな時間はおもいきり羽を伸ばしましょう。

また、人間関係が起因となるストレスは、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」が解決の糸口になるかもしれません。アンガーマネジメントに関しては、以下の記事をご参照ください。
【参考記事】
個人事業主のための「アンガーマネジメント」入門

お金の補償が心の支えとなる

最後に「将来への不安」です。これこそが、個人事業主の頭をいちばん悩ませるものかもしれませんね。

いくら今の仕事が順調だとしても、1年先、はたまた5年先、10年先も同じように仕事があるとは限りません。そのためには、既存の取引先と良好な関係を築き、新たな販路を開拓しておくことが何よりの心の支えとなります。

一方で「お金の補償があること」も、心の拠りどころとなります。日頃の収支管理を欠かさず、事業の安定化を図るのはもちろんのこと、緊急用の口座を開設し、数ヵ月〜半年間くらいの生活ができるお金を蓄えておくとよいでしょう。

また、万が一仕事ができなくなったときのため、民間保険や共済プランなどに加入しておくことによって不安も解消されます。
【参考記事】
今からでもできる個人事業主の節税施策
【参考記事】
もしも仕事ができなくなったら……個人事業主の保険・補償制度

4つの分類に分けてストレス解消法を考えてみました。とはいえ、重度のストレス反応が出た場合は、重大な精神的・肉体的な病いを招くなど、本人や家族はもとより、企業にとっても最悪の事態を招きかねません。もしもカラダに不調を感じたら、病院の専門機関や心療内科などの医師に相談する。このことも、絶対に忘れないでください。

photo:Thinkstock / Getty Images

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