個人事業主が実践すべき効率的な時間管理法

企業はその在籍している従業員を最大限活用してその生産性を高めますが、個人事業主の場合は、企業のように人海戦術を使うことはできないため、事業主個人のパフォーマンスを最大限引き出すことが重要となります。すなわち、「限られた時間の中で効率的に仕事ができる能力」が個人事業主には求められているのです。そこで今回は、個人事業主が実践すべき効率的な時間管理方法について解説したいと思います。
[おすすめ]確定申告はこれひとつ!無料で使える「やよいの青色申告 オンライン」
目次
- POINT
-
- 「目」に入ることでより時間管理の意識が高まる
- 「音」を使って半強制的に時間を管理する
- 「目的」を達成することを強く意識をして「逆算」することが大切
可視化による時間管理法
個人事業主は、私設秘書でもいない限り自分のスケジュールは自分自身で管理しなければなりません。けれども、日々の仕事に追われていると、たとえ手帳にメモしておいたとしても、うっかりスルーしてしまう恐れもあります。会社であれば、おそらく社員間でスケジュールを共有しているでしょうから、万が一忘れていても何かしらの形で気がつくかもしれませんが、個人事業主の場合、頼りになるのは自分だけです。
そこで実践してほしいのがスケジュールの「可視化」です。可視化とはすなわち、強制的に自分の目に入るような状態にするということです。
例えば、デスクの目の前やサイドにホワイトボードを設置し、そこに1週間のスケジュールを大きく書き込み、それを見ながら日々仕事をするのです。常に目に入る状態にすることで、潜在意識の中にもしっかりと残ります。特にルーチンワークに関しては、これを繰り返すことで習慣化できるため、しっかりと時間管理ができるようになります。
アラーム機能を使った時間管理法
とにかく日々忙しい人の場合は、たとえ可視化していたとしても、徹底した時間管理ができなくなるケースがあります。そんな場合はスマホなどのアラーム機能を使った時間管理法をおすすめします。
例えば、クリエイティブな仕事をしている人であれば、その作業工程を時間割りし、あらかじめスマホのアラームに設定しておきます。そして時間になってアラームが鳴れば、どんなに忙しくても、いま自分が何をすべき時間なのかが分かります。
特に、忙しい人の場合は、「忙しい=仕事をしている」という感覚に陥りがちのため、あとから振り返ってみると、直接利益に結びつく成果が出ていないということが起きたりします。
このような場合は、たとえ作業途中だったとしても、アラームが鳴ったら一旦切り上げて当初立てていたスケジュールどおりに行動してみることで徐々に改善していきます。
ゴールからの逆算計画法
可視化やアラーム機能などを使って時間を管理するためには、あらかじめもっとも効率的な時間割を自分自身で考える必要があります。この際、1日の始まりから順番に計画を立てていき、就業時間が終わって終了、というような考え方をしてしまうと、効率的な時間割になりません。
ポイントは、「ゴール」すなわち1日の目標としている地点(売り上げ目標、契約件数、生産個数、作業工程など)を先に設定し、それをクリアするために何時までにどこまで終えていれば良いのかを、ゴールから逆算して時間割を設定していくのです。
この考え方で時間割を計画すると、多少強引にでもこの計画どおりに1日を過ごせば、目標を達成することができやすくなります。
時間管理法を駆使して、時間を作り出すその目的とは
「時は金なり」といいますが、個人事業主にとって時間はお金以上に重要なものです。日々その日の仕事だけに追われてしまうと、自分自身のスキルアップをする時間を失ってしまいます。ただ、個人事業主が事業として成功するためには、あなた自身のスキルアップなくして成功はありません。例えば、その道の技を磨く時間、資格を勉強する時間、人脈を広げる時間など、個人事業主には業務以外のことに費やす時間も仕事のうちなのです。
これまでご紹介してきた時間管理法の主な目的は、仕事を効率化して生産力を高めるということだけではなく、それによって「時間を作り出す」ことなのです。時間管理法によって作り出した時間をさらに有効活用すれば、より自分自身のスキルアップと成長につながるでしょう。
photo:Thinkstock / Getty Images