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友人に仕事を頼む「個人間取引」のときに必要なこと

自分の仕事を同業者に手伝ってもらったり、仕事で使う名刺デザインを知り合いのデザイナーにお願いしたり——。そんなふうに友人・知人に仕事をお願いできるのも、個人事業主のよいところです。これらの個人間の取引において、源泉徴収や支払調書の発行や契約関係の書類を取り交わす必要はあるのでしょうか。気になる点をまとめてみました。



POINT
  • 自分が源泉徴収義務者かどうかをチェックしよう
  • 源泉徴収義務者でなければ、支払調書は発行不要
  • トラブルを避けるため、契約関係の書類を取り交わそう

源泉徴収の義務がある場合とは?

最もわかりやすい個人間の取引として、例えばこんなケースがあったとします。

私はA社から100万円の仕事を受注しました。
しかし自分1人で行える仕事ではなく、友人のBさんに仕事を手伝ってもらいました。
結果として、私はBさんに対し、額面20万円の報酬を支払うことになりました。

この場合、私はBさんへの報酬支払額にかかる「源泉徴収税」を国に納めないといけないのでしょうか? 仕事を発注する「私」が「源泉徴収義務者」の場合で、なおかつ相手が個人事業主(フリーランス)の場合、仕事の内容によっては源泉徴収をする必要があります。この「源泉徴収の対象となる報酬」については、この記事(どうすればいい? 外注先への源泉徴収)を参照してみてください。

「源泉徴収義務者」とは、支払い金額に応じた所得税・復興特別所得税を差し引き、支払いを受ける者(この場合はBさん)に代わり税金を納める必要がある企業・事業者のこと。私が源泉徴収義務者である場合、お金の流れは以下のようになります。

◎「私」が源泉徴収義務者の場合

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実際の源泉徴収税は復興特別所得税を含めた10.21%(※注1)ですが、ここではわかりやすいよう、10%としています。
(※注1)原稿料や講演料、弁護士などに支払う報酬・料金が100万円以下の場合。100万円を超える部分については、20.42%となる。

しかし以下のいずれかに該当する場合は、これら源泉徴収の必要がなくなります。

  1. 常時2人以下のお手伝いさんなど家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
  2. 給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

(2)に該当する「私」のような個人事業主の場合、源泉徴収は不要です。

源泉徴収義務者でなければ支払調書の発行は不要

先の例に当てはめるならば、源泉徴収義務者でなかった場合のお金の流れは、次のようになります。

◎「私」が源泉徴収義務者ではない場合

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しかし振り込まれた金額を見たBさんが「源泉徴収された税抜価格」だと勘違いしてはいけませんよね。この場合の友人のBさんは、所得に応じ税率が10%ではないこともあります。Bさんは源泉徴収をされていないので、原則として確定申告により税金を納付しなければなりません。「私」からBさんに対して「今回の報酬は、源泉徴収は行っていないので、確定申告でBさんのほうから申告してください」など、その旨をきちんと伝えておくとよいでしょう。

【参考】どうすればいい? 外注先への源泉徴収

【参考】源泉徴収とはなにか?概要と歴史を解説

平成28年分(平成29年1月以降に発行されるもの)の支払調書から、「支払いを受ける者」および「支払者」の欄に個人番号(マイナンバー)、法人の場合は法人番号を記載して、税務署に提出するようになります。
なお、源泉徴収義務者でなければ、支払調書を発行する必要はありませんので、マイナンバーを相手から取得する必要もありません。

個人間取引でも取り交わしておきたい契約書類

個人間の取引で特に気を付けたいのは、お金や納期に関わるトラブルです。特に友人・知人にお願いする仕事は、メールもしくは口頭だけで条件の確認を済ませてしまいがちです。

しかし個人間とはいえビジネスの取引に違いなし! 企業相手の取引と同様に、一連の書類を取り交わしておけば後々のトラブルも避けられます。

〈取引の相手からもらうべきもの〉
見積書 宛名、件名、摘要などの基本事項のほか、見積金額、納期、納品場所などを記載
納品書 上記に加え、実際の納品日・納品場所・納品物(数量含む)などを記載
請求書 上記に加え、振込先・支払期限・振込手数料の負担の有無などを記載

取引相手に対して、こちらから「発注書」(正式な発注時)、「受領書」(納品時)を発行してあげるとより安心です。

正直なところ、実際にこれらの書類が「絶対に必要か」といえば、必ずしもそうではありません。しかし、もしこれらの書類を取り交わすことができなかったとしても「金額」「納期」「数量」などに関するメールの履歴を残しておくなどの対策はしておいたほうがよいでしょう。

勘定科目は内容に応じて適宜変える

最後に、確定申告や記帳の際の「勘定科目」についてです。

勘定科目は外注した仕事の内容によって適宜変わります。個人間の取引で特に使うことが多いのは、「外注費」(外部に仕事を委託した際の代表的な科目)、「支払報酬」(弁護士や税理士への報酬)など。また、デザイナーにお願いした名刺作成や印刷の費用は「広告宣伝費」として計上できます。

会計ソフト上の既存の勘定科目にないものについては、「原稿料」(ライターにお願いした原稿料)、「取材費」(取材時の謝礼等)、「講演料」(イベントゲストへの謝礼)など、新たな勘定科目を設けて問題ありません。

友人・知人に頼んだからといって何でもおざなりにすることなく、最低限のルールを守った取引を心がけましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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