帳簿が合わないときの原因と対策

四苦八苦しながらもなんとか入力を終えて、これで完成……と思いきや、確かめてみると計算が合わない! 帳簿をつけている人ならば誰もが、そんな経験があるのではないでしょうか。そんなとき計算が苦手な人ほど、自暴自棄になりがちです(私です)。でも、ちょっと落ち着いてください。計算が合わないときに、間違いを探す方法をご紹介したいと思います。
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目次
- POINT
-
- 合わない金額を2で割ってみる
- 合わない金額を9で割ってみる
- 元の資料の数字を疑う
プラスとマイナスのミスを見つけるには?
きっちり仕訳を行って間違いなく入力したはずなのに、帳簿の残高が実際の預金残高が合わない……。
そんなとき思わず頭を抱えたくなりますが、間違いにはいくつかパターンがあります。慌ててすべての数字を確認する前に、どんなミスが考えられるのかを踏まえたうえで、効率的な方法でチェックしてみましょう。
<パターン1>
違う科目で入力していないか
私の場合は、執筆業のため「新聞図書費」が経費のほとんどを占めます。
例えば、うっかりして違うものまで新聞図書費としてしまった場合、単純に合わない金額で探せば見つかるはずです。
つまり、新聞図書費が1,000円多く、交通費が1,000円少なくなっていれば、そこにミスがあったということです。これはカンタンですよね。
<パターン2>
数字を足さなければならないところを引いてしまっていないか
次に、見つけるのが大変で、かつミスしやすいのがこのパターン2です。
「数字を足さなければならないのに引いてしまった」場合、計算をやり直さなければならないと考えがちですが、深呼吸して合わない数字を2で割ってみましょう。
例えば、正しい合計金額の数字が「965,214円」のはずなのに、「956,842円」となってしまったとしましょう。
合わない金額は「965,214円-956,842円=8,372円」となります。この「8,372円」を2で割ると、「4,186円」です。
すると、「4,186円を足すべきところを引いてしまった」という可能性が高くなります。入力した内容を探して「4,186円」という数字を探してみましょう。間違えてマイナスで入力しているところが見つかるかもしれません。
<パターン3>
桁の数が間違っていないか
これも慌てていると、結構やりがちなミスです。この場合は「9」で割ると見つけることできます。
今度は合わない金額が「5,715円」だったとしましょう。「5,715円÷9=635円」と9で割り切れますよね。
この場合は
「6,350円と入力すべきところを635円と誤入力していないか(もしくはその逆)」
をチェックしてみてください。
つまり「6,350円」か「635円」の数字を探せばOKです。
<パターン4>
位を入れ替えて計算してしまっていないか
「9で割り切れるのに、桁数の間違いはなかった……」
そんなとき、もう一つの可能性があります。それは「数字の位を入れ替えて入力している」というミスです。
例えば、「985円」と入力しなければならないのに「958円」と計算してしまったケースです。この場合、合わない金額は「985円-958円=27円」です。やはり9で割り切れますよね。
そう、実は……
「位が入れ替わってしまっている場合の差額は、常に9で割り切れる」のです。
これは、実際に試してもらえればわかりますので、やってみてくださいね。
見つけ方としては、
9で割った数字がもし「9以下」の場合は「1と10の位」、
「10以上99以下」の場合は「10と100の位」、
「100以上999以下」の場合は「100と1000の位」
が入れ替わっている可能性があります。
上記の数字では「27」を「9」で割ると「3」。9以下なので「1と10の位」にミスがあることになります。「985円」と入力しなければならないのに「958円」と入力したのですから、まさにぴったり当てはまりますね。
元の資料にミスがある場合も
それでも間違いが見つからない場合、元の書類自体が間違えていないかを確認してみるのも有効です。これが意外と多いんですね。私も何度か経験しています。
特に確定申告時期にもらった資料は、先方もバタバタしているので、注意が必要です。印刷された活字になっているとつい信頼しがちですが、計算ミス以前にそもそもの数字に間違いがないか、確認してみましょう。
やみくもに計算し直す前に、上記の可能性を念頭においてチェックしてみると、効率的に間違いが見つけられるので、ぜひやってみてください!
photo:Thinkstock / Getty Images