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日本ママ起業家大学近藤代表「ママであっても自分の人生を生きてほしい」

今年で設立3年目を迎える一般社団法人 日本ママ起業家大学では、プロフェッショナルな女性起業家の養成と、企業とのマッチングオーディションを実施し、働き方のステージアップをサポートする事業を展開している。座学だけのスクールではなく、代理店のようにマッチングに特化しているわけでもない、この一風変わったママ専門の起業家塾はどういった経緯で生まれたのか。代表理事を務める近藤洋子氏に話をうかがった。

——元々OLやラジオDJの仕事を経て現在の事業に就かれたとうかがっています。何がきっかけでママの起業家を育成する事業を始めようとお考えになったのでしょうか?

私自身の生き方や働き方に端を発しています。3年間OLとして働いた後、アナウンススクールに通ってラジオDJとなりましたが、余命宣告をされた母親の介護のため一旦仕事を辞めました。このタイミングで第1子を授かったり、さらに主人が仕事を辞めると言い出したりと、いろんなことが重なった時期でした。

フリーランスで働いてきた私には産休や育休があるわけでもなかったので、就職して家計を安定させようと思い、トータルで200社にエントリーしたのですが、箸にも棒にもかからないという現実を知りました。そこで初めて、ある程度年齢を重ねた小さな子どものいる女性が社会に復帰するのは大変なことなんだと実感したんですね。

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運良くラジオの仕事に復帰できた私は、自分がママの立場になって初めて見えてきたこの現状に問題意識が芽生え、ラジオでそんな女性たちにインタビューするコーナーをやってみることにしました。300人くらいに話を聞いたかな? おせっかいにも勝手にアドバイスやサポートしたりしているうちに、いつの間にかセミナーや研修につながっていったというわけです。

また、その間に母を看取ったのですが、まだ59歳という若さでした。人生はいつ終わるかわかりせん。しかし何歳であっても、人生の志や核のようなものがあれば、その人の人生は充実したものとなるのではないかと気づきました。

ママの強みというのは履歴書では表現のしにくいものなんです。むしろ、行間にこそ強みが生まれるんじゃないかと思っています。子どもが寝た後の2時間で何ができるかを考えるのは立派なタイムマネジメントだと思いますし、子どもを躾けることは人材育成にもつながっていきます。これほどまでに事業として確立されていることって他にあるでしょうか。ママが仕事をするのは理にかなっていると思います。

ママ起業家大学のスローガンは「日本のかぁちゃんは、カッコイイ!」。お母さんがひとりひとり精一杯生きている姿を見せることが大事だと思っているんです。

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——ママに特化した起業家育成事業とはあまり聞いたことがありませんが、勝算はあったのでしょうか?

「これでいける!」みたいなものは全くありませんでしたが、当初より私たちの考えに企業や官公庁が協力してくださいました。今年から3期生がスタートするのですが、西友さんがCSR事業の一環として奨学金制度を始めていただき、6名が利用しました。志があっても一歩踏み出す余裕のないシングルマザーや経済的に困窮しているママもサポートしたいという、私たちの想いを汲み取っていただけたんです。

一方、旧来型の価値観を押し付ける男性経営者もいましたね。「年商100億円稼げないなら起業とは呼べない」みたいな。女性の敵は女性だと思っていたんですが、実際は異なりました。

私たちは「儲けることが成功の象徴」という価値観ではなく、やりがいであったり、自己実現であったり、もっと新しい価値観を提言していきたいと思っています。子どもがいる、ママでいることがマイナスにならない文化がないのなら、いっそのことつくってしまおうという心意気のある方に集まっていただけて、感謝しています。

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