税理士が教える!今流行のクラウドファンディング

インターネットやSNSの発展とともに資金調達の手段にも新たなものが広がりつつあります。その一つがクラウドファンディング(Crowd funding)。クラウドファンディングとは、簡単にいうとインターネットを通じて個人から少額のお金を集めることで資金を調達する方法です。
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2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!
目次
- POINT
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- クラウドファンディングには投資型と非投資型がある
- 投資型の一つである融資型には、金融機関と異なる独自の審査要件がある
- 今後は投資家が株主となる株式型のクラウドファンディングの増加も見込まれる
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングには、大きく分けて2種類があります。
投資を目的としたものはさらに、
に分けられます。
この中でも、世界的によく利用されているのが融資型のクラウドファンディング。投資家と借り手である事業者の間にクラウドファンディング事業者が入り、資金を集めたクラウドファンディング事業者が、事業者に融資を行う形をとっています。日本では今のところ「キャンプファイヤー」など非投資型が有名ですが、法改正などとともに融資型のクラウドファンディングも増えていくことが予想されます。
起業家が融資型クラウドファンディングを利用するメリット
起業家にとって融資型クラウドファンディングを利用するメリットは、資金面や実績面などで金融機関の融資が通りにくいような場合でも、事業資金を集められる可能性があるという点。たとえば、金融機関では事業経験5年や自己資金が融資額の2分の1といった要件があり借りられない場合でも、ビジネスモデルが魅力的で収益力があると判断されれば融資を受けられるかもしれません。
ただし、どんな事業でも融資型クラウドファンディングで資金を集められるというほど甘くはありません。融資型クラウドファンディングは、一般投資家から資金を集めて、その資金をもとに起業家が融資を受ける仕組み。一般投資家にとっては、投資の見返りとして、クラウドファンディング事業者から利息の一部が分配されます。もし起業家の返済が滞れば、一般投資家への分配金の支払いもできなくなってしまいます。こうなるとクラウドファンディング事業者の信用もなくなってしまうため、返済の確実性が重要視されるのです。
通常の金融機関もこの点は同様ですが、融資が焦げ付いた際の影響が、金融機関自身だけでなく一般投資家にも直接及んでしまうので、返済の確実性はより厳しく審査されます。ただ、通常の創業融資とは審査の基準が違うというのは特筆すべき点でしょう。一般の創業融資では、自己資金や経験など、形式的なことを重視するのに対し、クラウドファンディングでは事業の将来性など、事業の中身を重視します。以下参考になさってください。(尚、審査基準などは公表されておりません)
起業家がクラウドファンディングを利用するデメリット
クラウドファンディングは、利率が通常の金融機関の借入に比べて高い点がデメリットとして挙げられます。一般投資家への分配金を支払いつつ、クラウドファンディング事業者の取り分も残さなくてはならないためです。年利10%といったケースも珍しくありません。
この点も考慮したうえで、利用するかどうかを検討しましょう。
クラウドファンディングの今後
2015年4月には、先ほど少しだけ触れた株式型を利用しやすくするための法改正が行われることになっています。
金融商品取引法等の一部を改正する 法律の概要(資料)
現在参入規制が厳しい株式型クラウドファンディングの取り扱い事業者の要件を緩和し、より多くの中小企業への投資を呼び込もうという試みです。起業家がエンジェル投資家を探すための手段として、積極的に活用できる日も近いといえるでしょう。