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給与計算での源泉所得税の計算方法

毎月の従業員の給与から控除して納める所得税は、どのように計算するかご存知ですか? 今回は実際に具体例を挙げながら説明します。

ある会社員の例

会社員Aさんを例に挙げましょう。Aさんは給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を会社に提出しています。下図はAさんの平成29年10月の給与明細書を抜粋したものです。図の黄色部分に額を入れたいと思います。Aさんに関する情報は以下のとおりです。

  • Aさんは電車通勤
  • Aさんの家族構成
    妻:パート年収80万円、子:高校生 17歳
    扶養親族等の数 2人

ある会社員の例

源泉徴収税の求め方

源泉徴収税額は、一般的に給与計算担当者が毎月電卓を叩いて計算するわけではありません。給与所得の源泉徴収税額表を使い、簡単に求めることができます。ただし2つの情報が必要です。

  • ①課税対象額……その月の給与額から非課税である通勤手当と社会保険料を引いた額
  • ②扶養親族等の数……一定の要件を満たす配偶者や親族等

配偶者の要件についてはこちらをご参照ください。
【参考記事】給与計算担当者は要注意! 平成30年からの所得税控除・配偶者控除等の変更点について

扶養親族の要件についてはこちらをご参照ください。
【参考】国税庁HP「タックスアンサーNo.1180 扶養控除

このうち、②については従業員が給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を会社に提出することでわかります。また、申告書を提出した場合、税額表の中の甲欄を使用します。

課税対象額の求め方

課税対象額は、以下の計算式で求めます。

課税対象額=支給額合計―非課税通勤手当―社会保険料

Aさんの社会保険料は、

  • 21,964(健康保険料)+34,770(厚生年金保険料)+1,144(雇用保険料)=57,878円

Aさんは電車通勤で、1カ月あたりの合理的な運賃の額が150,000円以内なので、通勤手当は全額非課税です。
【参考記事】給与計算での支給項目と非課税扱いになる手当
【参考】国税庁:電車・バス通勤者の通勤手当[平成29年4月1日現在法令等]

Aさんの課税対象額は

  • 381,217(支給額合計)―14,760(通勤手当)-57,878(社会保険料)=308,579円

税額表にあてはめる

Aさんの以下の情報を税額表にあてはめるとその月の源泉所得税は5,490円ということがわかります。

  • ①課税対象額…308,579円
  • ②扶養親族等の数…2人

税額表にあてはめる

国税庁HP:給与所得の源泉徴収税額表(平成30年分)より抜粋

まとめ

源泉所得税は、給与計算ソフトを使った場合は自動計算されますが、最新の法令に対応しているかに注意し、計算結果の確認ができるよう求め方は理解しておきましょう。

————————

給与計算ソフトを活用しましょう

従業員を雇用すると、給与計算から、社会保険、年末調整などの業務が発生します。金銭にかかわることなので、ミスがないように遅滞なく行う必要があります。

しかも、給与関連業務は、法令改正や保険料の計算など最新の法令に対応した処理が必要なので、常に最新の法令に対応した処理が求められます。そんな給与関連業務にかかる負担を軽減するためには、給与計算ソフトの利用が効果的です。

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知っておきたい基礎知識|雇用と給与|まとめINDEX

  1. はじめて従業員を雇うときに知っておきたいこと
  2. 従業員の雇用には、どんな手続きが必要か?
  3. 従業員を雇用するときに準備する必要書類
  4. 労働保険・社会保険とは何か?
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  6. 労働保険の手続き
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  8. 住民税 普通徴収と特別徴収の違いと手続き
  9. 標準報酬月額とはなにか? 決定のタイミングはいつ?
  10. 算定基礎届・月額変更届とは?
  11. 給与の源泉徴収と源泉所得税納付の手続き
  12. 賞与での社会保険の計算と手続きについて
  13. 年末調整とはなにか?
  14. 給与計算・年間スケジュール
  15. 給与計算のための就業規則・給与規程のポイント
  16. 給与計算・給与明細書の作成前に準備すること
  17. 給与計算での支給項目と非課税扱いになる手当
  18. 給与計算での「社会保険料」の計算
  19. 給与計算での「雇用保険料」の計算
  20. 給与計算での源泉所得税の計算方法
  21. 給与での支給額の算出方法と給与計算後の納付事務
  22. 「退職」とは何か? 退職の種類と手続き、規程
  23. 「解雇」とはなにか? 禁止事項と基本的なルール
  24. 「休職」とは?基本的なルールと必要な手続き
  25. 妊娠・出産・育児・介護に関する「休業」と必要な手続き
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