源泉徴収簿で行う年末調整5.納付書の書き方と年末調整のやり直し
年末調整の計算が終り、超過額や不足額の精算をした場合には、その内容を年末調整した月分の源泉所得税の納付書(所得税徴収高計算書)に記載したうえ、徴収税額を納付します。
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目次
納付書に不足額と超過額を記入する
各従業員の年末調整が終ったら、全体の不足額と超過額を集計します。そして、年末調整をした月の納付書にその記載をして、源泉所得税の納税額を確定します。
12月の給与支給額が4,256,000円で源泉徴収税額が75,800円、年末調整の不足額が12,500円、超過額が72,800円の場合の納付書の記載は下記の通りです。納税額は15,500円となります。
納税額がゼロでも納付書は税務署へ
12月の給与支給額が4,256,000円で源泉徴収税額が75,800円、年末調整の不足額が12,500円、超過額が132,800円の場合の納付書の記載は下記の通りです。12月の源泉税の納税額は0円となります。
超過額は132,800円から12月の給与にかかる源泉徴収税額75,800円と年末調整の不足額12,500円に充当されるため、納税額はゼロになります。充当しきれなかった超過額44,500円(132,800円-75,800円-12,500円)は、翌年1月の給与にかかる源泉徴収税額に充当されることになります。
納税額がゼロでも納付書はe-Taxや郵送で所轄の税務署に送ることが必要です。
翌年1月の納付書は次の通りです。12月で充当できなかった44,500円を年末調整の超過税額に記載して充当します。その結果、1月の納税額は32,700円になります。
年末調整のやり直し
(1)年末調整後に給与の追加払いがあった場合には、年間の給与総額が違ってしまいますので、再度年末調整をやり直す必要があります。
(2)次のような場合には、源泉徴収票を各人に交付することとなる翌年の1月末までに年末調整のやり直しをすることができます。
1.年末調整後に扶養親族等の数が異動した場合
2.年末調整後に配偶者特別控除の適用を受けた配偶者の所得の見積額に差額が生じた場合
給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書の給与所得者の配偶者控除等申告書には、配偶者の合計所得金額(見積額)を記載しますが、年末調整後にこの見積額に差額が生じて配偶者特別控除額が変動する場合は年末調整のやり直しをすることができます。
3.年末調整後に生命保険料や地震保険料を支払った場合
4.年末調整後に住宅借入金等特別控除申告書の提出があった場合
(3)国民年金の保険料、小規模企業共済等掛金、生命保険等の控除証明書を1月末までに提出することを条件に年末調整を行った場合で、その証明書類が期日までに提出されなかった場合には、それらの保険料を除いたところで年末調整のやり直しをして、不足額を徴収します。
- 納付書(所得税徴収高計算書)を税務署に提出する理由
- Q.源泉所得税の納付書の税額がゼロでも納付書を税務署に送らなければならないのはなぜですか?
A.税務署では源泉所得税の納付を納税者ごとに月ごとに管理していますので、納税額がゼロでも納付書を税務署に送る必要があるのです。納付書を送らないと税務署から問い合わせが来ることがあります。
知っておきたい基礎知識|年末調整|まとめINDEX
- 年末調整とは?
- 年末調整と確定申告の違い
- 年末調整ができる人・できない人
- 年末調整はいつするのか?時期や期間について
- 年末調整のポイントは各種申告書の正確な記入
- 年末調整の扶養控除等申告書とは?目的とマイナンバーとの関係
- 年末調整の扶養控除等(異動)申告書の書き方
- 年末調整の基礎控除・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書の書き方
- 年末調整の保険料控除申告書の書き方
- 年末調整の住宅借入金等特別控除申告書の書き方
- 源泉徴収簿で行う年末調整1.源泉徴収簿の見方・書き方・フロー
- 源泉徴収簿で行う年末調整2.毎月の給与と賞与の記入
- 源泉徴収簿で行う年末調整3.各種控除額を記入し所得税額を確定
- 源泉徴収簿で行う年末調整4.過不足額の精算
- 源泉徴収簿で行う年末調整5.納付書の書き方と年末調整のやり直し