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資金繰りの基本 掛け取引と収支ズレとは何か?

資金繰りが大変と言われるのは掛け取引と収支ズレを把握しなければならないこと。今回は押さえておきたい資金繰りのポイントと、資金繰り表を作成するためのポイントをご紹介します。資金繰り表のサンプル付き。

資金繰りの重要性

資金繰りは経営者が最も気をつけなければならないことの一つです。お金は企業の血液。人間が血液の流れが滞ると死んでしまうように、企業もお金が尽きて支払いができなくなると倒産してしまうからです。

そして、利益が出ていれば資金繰りは安心ということでもありません。利益が出ているにも関わらず、手元資金での支払いが間に合わず、倒産してしまう「黒字倒産」といった事態も考えられます。そのようなことにならぬよう、資金繰りの基本について、しっかりとマスターしておきましょう。

掛け取引と収支ズレ

資金繰りを行う上で必ずおさえておきたいのが掛け取引収支ズレです。

掛け取引

企業間取引では、商品やサービスの引き渡し・提供を先に行い、その対価の支払いは後から受ける掛け取引が中心です。売上については『売掛金』としてお金を後から受け取りますし、仕入や諸経費については『買掛金』や『未払金』としてお金を後から支払います。

例えば、「月末締めの翌月末支払」などといった支払条件で取引される商取引が多いですよね。

このような掛け取引があると売上の計上と入金のタイミング、仕入の計上と支出のタイミングがズレてきます。利益が出ているかどうかと、手元資金が足りているかどうかが一致しない原因の一つがこのことです。

収支ズレ(運転資金)

収支とは、収入と支出のことです。収入と支出のタイミングが一緒であればいいのですが、収支のタイミングがズレてしまうような商取引も行われます。

以下の例をご覧ください。

<例1>
A社は問屋B社から現金払いで商品を仕入れ、お客様に末締め末払いで売った

収支ズレ1

このようなケースでは利益は出ていても、現金の収支という意味では、1カ月以上のズレが生じます。

<例2>
C社はソフトウェアの受託開発を行っている。
従業員に毎月の給料を支払いながら、ソフトウェア開発を進めた。ソフトウェアは無事に完成し、お客様であるD社に納めた。入金は納入の1カ月後である

収支ズレ2

このケースでも、利益は出ていても、先に現金が出ていきます。従業員の給料、家賃、水道光熱費、交通費、その他の諸経費が先に出ていきますよね。

このような入出金のズレを収支ズレといいます。
この収支ズレを埋めるために必要なのが運転資金です。毎月の収支ズレがどれだけ発生し、運転資金としてどのように調達していくかを考えることが重要です。

設備資金

業種によっては、会社運営のため設備を必要とします。
設備とは、機械設備、車、お店の内装、什器備品などのことで、一度購入したらしばらく使い続け、頻繁に購入する必要のないものを指します。

資金繰りとして問題になるのは、それらの設備は高額なものが多いこと、そして、その設備を使って営業した成果物は、長い時間を掛けて売上入金として回収されていくということです。

以下の例をご覧ください。

<例3>
E社は居酒屋を開店するにあたり、店の保証金、内装工事、看板工事、厨房機器、レジ、パソコンなどの支出をした。全部で1000万円かかった。

このケースでは1000万円という多額の支出を最初にする必要があります。その初期投資分を売上入金として回収できるのは長い期間が掛かるというのが通常です。このような設備に関する収支の長期間のズレを解消するために必要なのが設備資金です。設備を導入するときには、金融機関からの借入を同時に検討するのが基本です。

資金繰り表

ここまで見てきたように、入金と支出との間にはズレが生じることが大半です。このズレを把握すること、そして、そのズレを解消するために行動するのが資金繰りだといえるでしょう。

まず経営者として大切なことは、「資金繰り表」を作成して、ズレを把握することです。

資金繰り表
(単位:万円)
  12月
実績
1月
実績
2月
予想
3月
予想
4月
予想
①前月より繰越 600 630 639 539 249
収入 現金収入 5 4 5 5 10
売掛金回収 480 540 400 200 350
前受金 0 10 50 10 0
②収入計 485 554 455 215 360
支出 買掛金支払 130 140 150 450 200
現金仕入 20 100 100 50 30
地代家賃 40 40 40 40 40
給与手当 150 150 150 150 150
水道光熱費 10 10 10 10 10
消耗品費 15 15 15 15 15
旅費交通費 5 5 5 5 5
法定福利費 20 20 20 20 20
前渡金 50 50 50 50 25
その他支出 5 5 5 5 5
③支出計 445 535 545 795 500
④差引過不足(①+②-③) 640 649 549 ▲41 109
その他収支 借入金入金(収入) 0 0 0 300 0
借入金返済(支出) 10 10 10 10 10
⑤その他収支計 ▲10 ▲10 ▲10 290 ▲10
翌月へ繰越(④+⑤) 630 639 539 249 99

こちらは資金繰り表のサンプルです。
売上や仕入が発生するタイミングではなく、実際にキャッシュが入金あるいは出金するタイミングを捉えて予測し、表につけていくのがポイントです。

資金繰り表が常にプラスになっていればいいのですが、どこかでマイナスしたり、ギリギリだったりする場合は対策を考えなければなりません。
突然「お金が足りない!」となっては対策ができないので、資金繰り表は最低でも3カ月先まで作成しておきましょう。

この例では『3月予想の差引過不足4』の部分がマイナス(▲41)になっています。このままではお金が足りないので、どのように調達するかを考えます。ここでは300万円の借入金でまかなうことにしました。

このようにキャッシュがマイナスになるタイミングがあると予測できる場合は、

1.入って来るお金を増やす
2.出ていくお金を抑える

この2つを考える必要があります。

1.の具体策として、

  • 未回収のお金があれば回収を急ぐ
  • 掛け取引のお客さまにお願いし先に入金してもらう
  • 売れない在庫を売って現金に換える
  • 金融機関や親族などから借入する

などがあります。

2.の具体策として、

  • 接待費や残業など経費を削減する
  • 人員減を検討する
  • 仕入先に支払いの先延ばしを打診する
  • 金融機関に返済を先延ばしできないかどうかお願いする(リスケジュール)

などがあります。
仕入先や金融機関への先延ばしのお願いをすることは、迷惑を掛け信用低下にもつながるため、最終的に考える手段といえるでしょう。

いずれにしても、このような判断を正確に下すためにも、日頃から資金繰り表を作成しておくことは必須となります。

知っておきたい基礎知識|独立・起業(法人編)|まとめINDEX

  1. 会社設立のメリット・デメリット
  2. 会社の種類は4つ
  3. 会社の設立費用
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  5. 会社設立スケジュール
  6. 許認可が必要となる業種と届出先
  7. 事業計画書・資金計画の作り方
  8. 銀行口座開設に必要なもの
  9. 取締役・役員の設置
  10. 創業融資のまとめ(日本政策金融公庫と自治体の制度融資)
  11. 起業の補助金と助成金のまとめ
  12. 給与の決め方のポイント
  13. 法人設立後に必要な届出書類
  14. 資金繰りの基本 掛け取引と収支ズレとは何か?
  15. 起業の相談窓口
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