負債と純資産の仕訳 会計・簿記の実践編−3
本節では、資産に加え負債と純資産がからむ取引を見ていきます。
負債の勘定科目には、「借入金」・「買掛金」・「未払金」などがあり、純資産の主な勘定科目は「資本金」でしたね。
負債・純資産とも、仕訳のルールは、増加したときに貸方、減少したときに借方で、貸借が資産とは逆になることを意識しましょう。
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目次
借入金の仕訳
銀行などからの借金を記録するための勘定科目が借入金ですね。
«取引例1»
銀行から2,000,000円を借り入れた。なお、代金は当座預金に振り込まれた。
- 勘定科目は、
「当座預金」 と 「借入金」 ですね。 - 当座預金は資産ですが、借入金は負債の勘定科目です。
当座預金 → 資産 借入金 → 負債 - 当座預金への振込があり、それは借金によるものなので、
資産と負債の両方が増加する組み合わせですね。
未払金の仕訳
備品を買ったり、営業用自動車を買ったりして、代金が未払いの場合には「未払金」という勘定科目を用います。
ただし、商品の仕入(次節で取り上げる)代金が未払のときは「未払金」ではなく、「買掛金」を使いますので、間違えないようにしてください。
«取引例2»
事務用パソコン250,000円を購入し、代金は翌月末に支払うこととした。
- 事務用パソコンは備品なので、勘定科目は、
「備品」 と 「未払金」 です。 - 備品は資産で、未払金は負債です。
備品 → 資産 未払金 → 負債 - 備品を購入し、その代金は未払いなので、
取引例1と同様に、資産と負債が増加する組み合わせです。
資本の仕訳
個人企業では店主の出資金を元手に開業します。出資金は資本金(純資産)勘定を用いて記録します。以下、開業時の仕訳を見てみましょう。
«取引例3»
現金10,000,000円を元手にして開業した。
- 元手(出資金)は資本金で記録するので、勘定科目は、
「現金」 と 「資本金」 です。 - 現金は資産、資本金は純資産です。
現金 → 資産 資本金 → 純資産 - 企業の立場で考えると、現金10,000,000円を出資してもらうことになるので、
資産と純資産の両方が増加する組み合わせです。
など、いろいろなケースのあることが解りますね。
次節では、収益と費用の勘定科目を中心とした取引の仕訳を押さえます。
知っておきたい基礎知識|会計・簿記|まとめINDEX
- 個人事業主にとっての簿記とは 会計・簿記の基本−1
- ビジネス・パーソンにとって簿記は必須 会計・簿記の基本−2
- 簿記の実際の流れ 会計・簿記の基本−3
- 会計期間について 会計・簿記の基本−4
- 簿記の五大要素とは 会計・簿記の基本−5
- 資産・負債・純資産と貸借対照表 会計・簿記の基本−6
- 貸借対照表(B/S)の作り方 会計・簿記の基本−7
- 収益・費用と損益計算書 会計・簿記の基本−8
- 損益計算書(P/L)の作り方 会計・簿記の基本−9
- 簿記の仕訳のルールを身につけよう 会計・簿記の実践編−1
- 資産の仕訳をやってみよう 会計・簿記の実践編−2
- 負債と純資産の仕訳 会計・簿記の実践編−3
- 収益と費用の仕訳 会計・簿記の実践編−4
- 決算:試算表の作成方法・作り方 会計・簿記の実践編−5
- 決算整理と試算表 会計・簿記の実践編−6