資産の仕訳をやってみよう 会計・簿記の実践編−2
仕訳のルールは暗記できましたか。はじめての人は、
「資産の増加が『借方』なのに、どうして収益の発生は『貸方』なんだろう」などといった疑問が頭の中をかけめぐっているかもしれません。
でも、気にしないでください。
とにかくルールなので、丸ごと暗記するよう努力してみましょう。
本節では、資産の勘定科目を中心に仕訳を行ないます。
実際に自分の手を使って仕訳をやってみましょう。
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目次
現金を普通預金口座から引き出す仕訳
資産のなかでも代表的な現金と普通預金から見ていきます。
«取引例1»
普通預金から現金50,000円を引き出した。
取引の仕訳は次の手順で行います。
- まず、取引から2つ以上の勘定科目を探します。この取引では「現金」 と 「普通預金」 の2つですね。
- 次に、現金と普通預金が、資産・負債・純資産・収益・費用という5つのグループのうちどれに属するか考えます。
現金→資産グループ 普通預金→資産グループ
どちらも資産グループですね。 - そして、現金と普通預金がそれぞれ、増えたのか、減ったのかを読み取ります。
普通預金から50,000円を引き出したので、手許の現金が増え、普通預金の残高は減りますね。
現金 → 増加 普通預金 → 減少
つまり、現金という資産が増加すると同時に、普通預金という資産が減少しています。
これを、仕訳のルールにしたがって仕訳してみましょう。
資産の増加は借方なので左側に、資産の減少は貸方なので右側に記入します。
仕訳のルール左右4つのうち、資産の増加と資産の減少という組み合わせの取引です。
土地を購入する仕訳
資産が増加・減少するケースはよくあります。次の取引はどうでしょう。
«取引例2»
店舗の駐車場として使うため、土地を8,000,000円で購入し、代金は現金で支払った。
- 勘定科目は
「土地」 と 「現金」ですね。 - 両方とも資産に属する勘定科目です。
- 土地が自分のものとなり、一方で現金が減少しています。
これも資産どうしが入れ替わる取引ですね。
商品を現金で販売する仕訳
商品の売上げについて見てみましょう。
«取引例3»
300,000円の商品を売上げ、代金は現金で受け取った。
- 勘定科目は
「現金」 と 「売上」 ですね。 - 現金は資産ですが、売上は収益の勘定科目です。
現金 → 資産 売上 → 収益 - 現金の入金があり、それは売上があったからなので…
この取引は、資産の増加と収益の発生という組み合わせです。
このように、すべての取引は、仕訳のルールの<借方4つ>と<貸方4つ>のうちのいずれかの組み合わせにより、必ず左右に区分けできるのです。
次節では、さらに負債と純資産が登場する取引を見ていきます。
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