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個人事業主のための青色申告承認申請書の書き方

監修者 : 宮原 裕一(税理士)

個人事業主が、青色申告をするためには、税務署から「あなたは青色申告をしてもいいですよ」という承認をもらわないといけません。
そのための書類が「所得税の青色申告承認申請書」です。
なお、承認といっても、提出内容に不備や問題がない限り、税務署からとくに連絡はありません。ここでは、確定申告で青色申告をする個人事業主のために必要な書類の書き方をご紹介します。

「所得税の青色申告承認申請書」の届け出

青色申告をするためには、事前に税務署に届け出が必要です。確定申告する時期になって、いきなり青色申告はできません。

新たに事業を開始した人は、原則として開業日から2カ月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。すでに事業などを営んでいて白色申告をしている方は、青色申告をしようとする年の3月15日までに届け出ます。

2023年(令和5年)分の所得税の確定申告からを青色申告にしたい場合は、2023年(令和5年)3月15日までに届け出をしておく必要があります。2023年(令和5年)1月1日~15日に事業をはじめた場合も3月15日までが提出期限です。

1月16日以降に事業を開始した方は、開業日から2カ月以内が期限です。「所得税の青色申告承認申請書」の書き方は難しくはありません。

個人事業主の場合は「納税地」は自宅住所である場合が多いでしょう。「事業所又は所得の起因となる~」も、自宅が事務所ということであれば、名称など記入しなくても大丈夫です。提出が1日でも遅れると、青色申告できるのが1年先に延びるので注意しましょう。

65万円(もしくは55万円)控除を受けるための申請書の書き方

個人事業主の青色申告の一番の特典は「青色申告特別控除」の最大65万円で

す。この65万円(もしくは55万円)控除を受けるためには、「青色申告承認申請書」の「簿記方式」欄と「備付帳簿名」欄の記入に注意しなければなりません。簿記方式は必ず「複式簿記」に○を付けます。備付帳簿名はページ下部で示した8項目に○を付けておきます。

なお、青色申告特別控除65万円を受けるための要件が、2020年分から変わりました。複式簿記や期日まで提出などでは、最大55万円控除が上限となります。55万円控除の要件に加え、さらに、e -Tax による申告(電子申告)または電子帳簿保存をすれば、最大の「65万円控除」が受けられます。

デスクトップアプリ「やよいの青色申告」や、クラウドアプリ「やよいの青色申告 オンライン」を使えば、これらの帳簿はきちんと作成されていますし、e-Taxにも対応しているので心配する必要はありません。

所得税の青色申告承認申請書

※書式は2022年1月現在、各税務署で使用されているものです。変更されることもあります。

Ⓐ 所轄の税務署名を記入

Ⓑ 自宅または事務所の住所を記入(一般的には、住民票がある「住所地」にします)

Ⓒ 書類の提出日

Ⓓ 青色申告を始めたい年

Ⓔ 職業や屋号を記入  ※屋号は自分で決めてよいです。屋号がない場合は空欄でもかまいません。

Ⓕ 事務所の屋号と住所を記入

Ⓖ 所得の種類(複数ある場合はすべてに○)

Ⓗ 提出が初めての場合は「無」に○

Ⓘ 65万円控除(もしくは55万円控除)を受けるには「複式簿記」に○

Ⓙ 複式簿記・簡易簿記に応じて使用するものに○

「備付帳簿名」で選択した8つの帳簿

ご紹介したように、「備付帳簿名」では8項目を選択します。それぞれの帳簿は以下のようなものです。

現金出納帳事業用の現金の出し入れの状況を、取引順に記載する帳簿。
売掛帳商品などの掛売りや、売掛金の回収の状況を記載する帳簿。売掛とは、まだ回収できていな売上のこと。
買掛帳商品などの掛買いや、買掛金の支払の状況を記載する帳簿。買掛とは、購入した商品を受け取っているが、支払いがすんでいないもの。
経費帳仕入以外の事業上の必要経費(費用)を租税公課、水道光熱費、旅費交通費、給料賃金などの科目ごとに記載する帳簿。
固定資産台帳事業用の減価償却資産や繰延資産について、資産の取得およびその異動に関する事項などを記載する帳簿。
預金出納帳銀行の口座ごとに入出金を記載する帳簿。
総勘定元帳勘定科目に基づいてすべての取引を記載する帳簿。
仕訳帳日付順にすべての取引を記載する帳簿。総勘定元帳のもとになる。

知っておきたい基礎知識|確定申告|まとめINDEX

  1. 今さら聞けない個人事業主の確定申告とは何か?
  2. 青色申告と白色申告の違いと節税効果について
  3. 青色申告ができる条件とできない条件
  4. 青色申告時に税務署に提出する2つの書類(青色申告決算書、確定申告書B)の書き方
  5. 青色申告の年間の流れと届出書類の入手先について
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  7. 個人事業主のための青色申告承認申請書の書き方
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  10. 青色申告のメリットと節税効果についてのまとめ
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  12. 個人事業主が個人用と事業用の口座を分けたほうがいい理由
  13. 個人事業主は必見!領収書&レシートの貰い方と整理の仕方
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