ライバーの確定申告ガイド!投げ銭の扱いは?経費で落とせるもの大解説

2023/08/01更新

この記事の執筆者矢郷真裕子

この記事の監修者齋藤一生(税理士)

近年、YouTuberとともに注目を集めている職業のひとつである「ライバー」。アプリやネットサービスを利用してライブ配信を行い、ファンからもたらされる「投げ銭」によって収入を得ています。副業としてライブ配信活動をされている方も多いですが、中には専業のトップライバーとして若者たちの憧れの対象となっている方もいます。

この記事をお読みの方の中には、専業・副業に関わらずライバーで一定の収入を得たのち、「もしかして確定申告が必要なのだろうか……?」と考えた方が多いかもしれません。そこで今回は、ライバーの確定申告について税理士事務所センチュリーパートナーズ 税理士・齋藤一生先生監修のもと、紹介していきます。

POINT

  • 副業ライバーは雑所得20万円超えで確定申告が必要
  • 撮影機材や衣装、メイク道具もライブ配信で使うものなら経費として認められる
  • 青色申告にすると税制上の特典が受けられる

ライバーは確定申告が必要?

ライバーの活動をしていると、確定申告をしなければならないか、しなくてもいいのか……気になりますね。ライバーとして収入を得た場合に確定申告が必要なのか、条件を確認していきましょう。また、ライバーの確定申告に関する考え方は、基本的にYouTuberの方にも当てはまるので、ぜひ参考にしてください。

年間所得が48万円を超えるライバーは確定申告が必要

ライバーには専業の方もいれば、副業の方もいるでしょう。まず、多くのライバーは、一定以上の収入があれば所得税の確定申告が必要です。そのボーダーラインとはズバリ、年間所得48万円です。

そもそも所得とは、収入から経費を引いた金額のこと。その金額からさらに「控除」といって、特定の条件を満たせば課税所得金額が減っていく仕組みがあります。この控除の中に「基礎控除」という項目があり、本人の合計所得金額が2,400万円以下なら、所得から一律48万円を差し引くことができます。

基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じて変わるので、2,400万円を超えると控除額は減っていき2,500万円を超えると0円になります。

つまり裏を返せば、年間所得が48万円を超える場合は課税所得があるということなので、所得税の確定申告の義務も発生します。

確定申告を怠ったり、実際の所得よりも低い納税額で申告したりして、税務調査が入ると、ペナルティを課せられてしまうので気をつけてください。

事務所や企業に所属して「給与」をもらっているライバーが確定申告をするべき基準

一方で、事務所や企業に所属して”ライバー”という職種に就き、「給与」という形でお金をもらっている人は、事務所や企業で年末調整をしてもらえるので、確定申告の必要はありません。ただし、年間の収入が2,000万円を超えると、年末調整はされずに確定申告の義務が生じます。

副業ライバーは雑所得20万円が確定申告をするべき基準

会社に勤めながら副業としてライバーをしている場合、1カ所だけから給与をもらっていると仮定すると、ライバー活動での年間所得が20万円以下なら、原則として確定申告の必要はありません。

ちなみにライバーではなくても、本業の年収が2,000万円を超える方や、2カ所以上から給与をもらっている方、医療費控除や住宅ローン控除(初回のみ)などを受ける方は、年間所得の金額にかかわらず所得税の確定申告が必要です。

また、ライバー活動での年間所得が20万円以下で所得税の確定申告の必要がなくても、住民税の申告は必要です。所得税の確定申告をしない場合は、各市区町村の役所で住民税の手続きを行いましょう。

在宅ワークでライバー活動を行い、他でパートをしている場合

アルバイトやパートをしており、掛け持ちでライバーをしている場合は、アルバイトやパートの「収入」と、ライバーとして得た「所得」の金額を合計して年間20万円以下であれば、所得税の確定申告をする必要はありません。条件となる金額が「収入」か「所得」かの違いがある点に注意してください。

ただし、アルバイトやパートの勤め先で年末調整を行っていない場合、アルバイトやパートの収入とライバー活動での所得の合計が20万円以下でも、住民税の申告が必要となります。

確定申告不要の場合

専業ライバーで年間所得が48万円以下の場合は、自動的に課税所得もゼロまたはマイナスとなるので、所得税の確定申告の義務はありません。また、公的年金の収入金額が400万円以下で、ライバーとしての所得が20万円以下の人も確定申告は不要です。

ただし、青色申告の場合は、事業所得で赤字となるのであれば、その赤字を翌年以降に繰り越すことができるため、確定申告することをおすすめします。

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ライバーの確定申告、「売上」の注意点とは

ライバーとしての活動に伴って入ってくるお金は、すべて収入になります。しかし、その内容によって仕訳の仕方などが変わってきます。ケース別に確認していきましょう。

振込額=売上と勘違いしないように注意

まず、個人事業主の専業ライバーの場合、所得は「事業所得」になります。一方、副業ライバーの所得は基本的に「雑所得」になることが多いでしょう。

ライバーの収入のほとんどは、銀行振込で売上が入金されることが多いため、振込額を漏れなく集計すればいいと思いがちです。しかし、必ずしも「振込額=売上」とは限りません。売上金額とは、源泉徴収税額や振込手数料、システム使用料などを引かれる前の金額のことなのです。

配信先のアプリやサイトが、「最初に収入金額がそのまま振り込まれ、振込手数料などは後から別に引き落とされる」というシステムを採用していれば、「振込額=売上」として集計してOKです。

確定申告の際に売上を勘違いしたまま集計すると、納めるべき税額や、課税事業者(消費税の申告をしなければならない事業者)かどうかの判断も変わってしまうので気をつけましょう。

また、年内に売上が確定していても、実際にお金が振り込まれるのは翌年1月以降になるケースもあります。それでも税法上は、入金が翌年1月以降になるお金も年内の売上として計上し、税金を納めなければなりません。

通帳から売上を集計する際には、12月31日までの振込額だけを集計するのではなく、翌年1月以降の振込額についても、年内の売上だと確定している分は漏れなく集計しましょう。利用している配信アプリやサイトによって、売上確定から実際の振込が行われるまでの間隔は異なるので、要注意です。

振込手数料は経費として計上できる

振込の際に、売上から差し引かれる振込手数料やシステム使用料は、「支払手数料」という勘定科目で経費として計上できるので、金額をしっかり把握しておきましょう。経費の計上漏れは税金の払いすぎにつながり、損をしてしまいます

源泉徴収額に注意

源泉徴収とは、支払者が報酬や料金などを支払う際、事前に所得税などを差し引いて支払いを行う制度です。

源泉徴収税額は、収入金額から一定の割合で単純に算出する仕組みなので、実際の年間税額を上回るケースもあり得ます。源泉徴収は、生命保険料控除や社会保険料控除など控除額を加味せずに行われています。多くの場合は所得税の確定申告をすることで、源泉徴収税額の還付を受けられるので、所得税の確定申告では源泉徴収税額の申告を忘れないようにしましょう。

ライバー事務所から収入を得ている場合

ライバー事務所に所属しているけれど、給与ではなく報酬や料金として収入を得ている場合は個人事業主にあたるので、やはり所得税の確定申告が必要です。

事務所に所属していると、確定申告のアドバイスをもらえたり、顧問税理士が確定申告を行ってくれたり……とサポートを受けられるケースもあるかもしれません。その場合、確定申告に関して心配や不安があるなら、相談してみるといいかもしれません。

また、ライバーでの収入がかなりの額になった場合、個人事務所などを設立して法人化する方もいるでしょう。

配信アプリやサイトでの売上を個人事務所に振り込んでもらい、本人はそこから給与を受け取る形にすると、給与所得控除を受けられるので節税対策になります。

ライバーの確定申告で必要な、経費の仕訳例を解説!

次に、ライバーの確定申告で経費として認められるものや、仕訳例について確認していきましょう。確定申告で認められる経費として、具体的には以下のようなものが考えられます。

ライバーの経費として認められるもの

  • 撮影機材(PC、ライト、スマホスタンドなど)
  • 衣装やメイク用品(ただし、ライブ配信用のものに限る)
  • 小道具やインテリアなど(ただし、ライブ配信用のものに限る)
  • ライブ配信に関する会議費・飲食費
  • 野外配信時の旅費交通費
  • ライブ配信に使用したゲーム機やソフト代、サブスク代
  • ライバー事務所へのマネジメント料
  • 税理士への報酬
  • プレゼント配信に関連した費用
  • グッズ作成費用や在庫を置くトランクスペース代など
  • 他ライバーへの投げ銭代(視聴者獲得につなげるなど事業に関連するもの)
  • 電気、水道・光熱費、家賃、通信費など家事按分(ライバーの場合、配信時間で按分の計算?)
  • 喉を守るための加湿器や、のど飴など
  • 集客のための広告宣伝費や、ライブ配信スペースの会場費など

ひとつずつ、経費の仕訳例を見ていきましょう。

撮影機材(PC、ライト、スマホスタンドなど)

ライブ配信で使用する撮影機材などは、器具備品でも10万円未満の場合は購入時に「消耗品費」として処理します。

(例)配信用にライトを購入し、10,000円を現金で支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 10,000 現金 10,000

(例)配信用にPCを購入し、150,000円をクレジットカードで支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
器具備品 150,000 未払金 150,000

高性能のPCや、プロのカメラマンが使用する業務用のビデオカメラなど、取得価額が10万円以上となるような場合には、「器具備品」などの勘定科目で固定資産として計上し、種類ごとに定められた耐用年数に応じて、数年に分けて経費にしていきます。これを「減価償却」(げんかしょうきゃく)といいます。

「減価償却」という用語はもしかしたら耳慣れない方もいるかもしれません。分かりやすく解説した記事がありますので、次の記事をご覧ください。

また、10万円以上20万円未満の資産は、一括して3年で均等に経費化する、一括償却を選択できます。さらに、青色申告事業者であれば、30万円未満の資産は、年間300万円まで一度にその年の経費にできる「少額減価償却資産の特例」という制度もあります。

(例)上記PCにつき、少額減価償却資産の特例を適用する。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
減価償却費 150,000 器具備品 150,000

衣装やメイク用品

ライブ配信用の衣装代は、「消耗品費」の勘定科目で経費計上するのが一般的です。しかし、これには「仕事以外のプライベートでは着用しない」という条件があります。

(例)配信用に衣装を通販で購入し、10,000円を銀行から振り込んだ。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 10,000 普通預金 10,000

「ライブ配信の集客を増やすため」という目的で外見や容姿を磨くなら、メイク用品の代金も「消耗品費」として経費の対象になります。

とはいえ、メイクはプライベートでもするという人が大半なので、化粧品代は按分(あんぶん=仕事と仕事以外の割合を算出して、仕事の分だけを経費に入れること)が基本的に必要です。衣装についても、プライベートでも着用する場合は按分しましょう。

(例)ファンデーションを購入し、7,000円を現金で支払った。週のうち、5日間はライブ配信用として使用し、2日間はプライベート用として使用している。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 5,000 現金 7,000
事業主貸 2,000

小道具やインテリア

ライブ配信スペースを飾ったり、雰囲気を演出したりするために必要な小道具やインテリアなどは、10万円未満の場合は購入時に「消耗品費」として処理します。10万円以上になる場合は、減価償却を検討しましょう。

(例)配信用に観葉植物を購入し、5,000円を現金で支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 5,000 現金 5,000

ライブ配信に関する会議費・飲食費

複数人でライブ配信を行う場合など、それに関する打ち合わせや会議をした実態をきちんと説明できるのであれば、経費として認められます。

ライブ配信との関わりを証明できるよう、議事録などを作っておくといいでしょう。

(例)ライバー仲間とのコラボレーション配信についての打ち合わせで、コーヒー代500円を現金で支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
会議費 500 現金 500

野外配信時の旅費交通費

その場所でライブ配信をした実態と、その場所に行くべき理由を併せて説明できるのであれば、経費として認められます。

(例)ライブ配信のための大阪までの旅費(新幹線代・在来線代・ホテル代など)50,000円をクレジットカードで支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
旅費交通費 50,000 未払金 50,000

ライブ配信に使用したゲーム機やソフト代、サブスク代

ゲーム実況などのライバーにとって、ゲーム機やゲームソフトは、職業上必要なものです。これらがないと仕事にならないので、ライブ配信で使用し、売上につながったゲーム機の代金やソフト代、サブスク代は、「消耗品費」として経費に計上して問題ないでしょう。

(例)ライブ配信のためサブスクリプションのゲームサービスに加入し、1年分の料金7,000円をクレジットカードで支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 7,000 未払金 7,000

サブスク代を毎月払う契約の場合は、「支払手数料」で計上。1年以上の契約の場合は、「前払費用」として計上するケースも想定されます。

ライバー事務所へのマネジメント料

ライバー事務所に所属している場合、売上からマネジメント料(仲介料や手数料など)を差し引いた金額が、報酬として支払われているケースもあります。

事務所へのマネジメント料は、「支払手数料」などの勘定科目で処理をし、計上することになります。

(例)ライブ配信の売上が10,000円上がり、支払いは銀行振込になった。事務所との取り決めで、売上の20%をマネジメント料として当方が支払うことになっているので、マネジメント料2,000円が引かれた8,000円が入金された。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 10,000 売上 10,000
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 8,000 売掛金 10,000
支払手数料 2,000

プレゼント配信などに関連した費用

ライブ配信の企画として、特定の人にプレゼントをするなら「接待交際費」、不特定多数の視聴者の誰かにプレゼントをするなら「広告宣伝費」などで処理をし、プレゼントの代金を経費計上できます。

(例)特定の人へのプレゼント企画の配信を行い、プレゼント代として5,000円を現金で支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
接待交際費 5,000 現金 5,000

グッズ作成費用や在庫を置くトランクスペース代など

販売するためのグッズ作成にかかった代金は「仕入」の勘定科目で処理をします。

(例)グッズを制作し、制作会社にグッズ代金の3万円を支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
仕入 30,000 買掛金 30,000

売上時は、売上計上をします。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 50,000 売上 50,000

もしグッズが売れ残った(当期売上とならなかった)場合は、残りの在庫分は資産計上しましょう。

また、自分の営業活動や宣伝活動の一環として配布するノベルティグッズのようなものを作成する際は、グッズ作成費用を「販売促進費」「広告宣伝費」などの勘定科目で経費計上することができます。

(例)ノベルティグッズを制作し、制作会社に普通預金からグッズ代金の30,000円を支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
販売促進費 30,000 普通預金 30,000

グッズの在庫や配信に必要な道具を置くために、トランクスペースや収納スペースなどに支払った使用量やレンタル料は、「地代家賃」、または「支払賃借料」などを使って記帳し、レンタルした期間の経費として処理します。

(例)レンタルしたトランクスペースの来月分の使用料として、現金10,000円を支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
地代家賃 10,000 現金 10,000

他ライバーへの投げ銭代(視聴者獲得につなげるなど事業に関連するもの)

他ライバーへのプレゼントという目的ではなく、自分のライブ配信の宣伝を目的として使った投げ銭代は、自分の売上増加に効果があると説明できる範囲であれば、「広告宣伝費」で経費にできると考えられます。

また、他ライバーの配信を見て勉強し、自分の配信につなげるという場合、投げ銭による出費は「研修費」でもいいかもしれません。

(例)自分のライブ配信の宣伝を目的として、他ライバーへの投げ銭を行い、代金3,000円をクレジットカードで支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
広告宣伝費 3,000 未払金 3,000

電気、水道・光熱費、家賃、通信費など

電気代、水道・光熱費、家賃、通信費なども、ライバーとしての活動に必要な経費といえます。ただしこれらの代金は、自宅を使ってライブ配信をしている場合、ライバー活動だけでなく、プライベートの生活費としてもかかってくるお金です。

そのため、化粧品代などと同様に、家事按分で事業用とプライベート用の区別を客観的に説明し、事業に使った分だけを経費にするという考え方になります。ライブ配信用に部屋や場所を借りていたりする場合は、もちろん全額計上できます。

(例)電気代10,000円が普通預金から引き落とされた。全体のうち、ライブ配信に使用している時間の割合を20%と算出し、2,000円を家事按分して経費に計上する。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
水道光熱費 2,000 普通預金 10,000
事業主貸 8,000

喉を守るための加湿器や、のど飴など

加湿器やのど飴などを自分のケアのために購入したときは、「消耗品費」を使って記帳し、購入時などの費用として処理します。

(例)配信のための喉のケア用に加湿器を購入し、5,000円を現金で支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
消耗品費 5,000 現金 5,000

集客のためのWebサイトの制作費や、ネット広告代など

自分のライブ配信のアピールのためにWebサイトを制作したり、ネット上に広告を出したりしたときは、「広告宣伝費」として処理します。

(例)集客のためにWebサイトを制作してもらい、制作会社に200,000円を普通預金から支払った。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
広告宣伝費 200,000 普通預金 200,000

ライバーが確定申告のために押さえておくべきポイント

ライバーが確定申告のために押さえておくべきポイント

「事務所が確定申告のフォローや年末調整をしてくれる」というライバーもいますが、個人で活動していて「確定申告のことはよくわからない」とか、「確定申告が初めて」という方も多いかもしれません。では、ライバーが所得税の確定申告をする場合、どのようなポイントを押さえておけばいいのかを、わかりやすく解説します。

経費のレシートは保管しておく

さまざまな活動や企画を行うライバーの場合、経費の種類も多岐にわたります。そのため、経費になりそうなものに関しては必ず領収書やレシートを発行してもらい、きちんと保管しておくようにしましょう。

個人事業主の領収書やレシートは、白色申告なら5年間、青色申告なら7年間の保存が義務になっています。確定申告の際は、領収書やレシートは提出しなくていいですが、税務署から確認や提出を求められるケースもあるので、必ず残しておいてください。

副業ライバーが雑所得で確定申告を行う場合も経費が認められるので、領収書やレシートは保管しておきましょう。

白色申告より青色申告がお得

確定申告には「青色申告」「白色申告」の2種類がありますが、青色申告は個人事業主の節税対策として、とても有効な手段です。詳しくは、「青色申告と白色申告の違いとは?メリットとデメリットをわかりやすく解説」をご確認ください。

また、青色申告を利用できる所得は、「事業所得」「不動産所得」「山林所得」のいずれかに限定されるため、副業ライバーの雑所得は対象外です。

ライバーが確定申告時に活用できる控除

控除とは、「一定の金額を差し引く」という意味で、大きく分けると、課税対象となる所得金額を減らせる「所得控除」と、税金そのものを減らせる「税額控除」があります。
ライバーが確定申告時に活用できる控除もいろいろなものがありますので、覚えておくといいでしょう。

たとえば「社会保険料控除」は、健康保険料や国民年金の額を、所得から差し引くことができる制度です。ライバーの場合、「文芸美術国民健康保険」や、「東京芸能人国民健康保険」などに加入している方もいるかもしれません。その場合の健康保険料も、社会保険料控除の対象になります。詳しくは「社会保険料控除とは?年末調整や確定申告の方法をわかりやすく解説」をご覧ください。

青色申告を行う場合、「青色申告特別控除」を受けられるというのも、大きなメリットの1つでしょう。これは、条件を満たせば最大65万円の所得控除を受けられる仕組みです。必要条件や提出書類については、「青色申告特別控除とは?65万円控除の条件をわかりやすく解説」にてご確認ください。

また、個人事業主ライバーや、小規模企業の経営者の方が事業を廃業した際に、退職金または年金という形でお金を受け取れるように資金を積み立てていく共済制度・小規模企業共済というものがあります。こちらも控除の対象となり、他にもさまざまなメリットがあります。「小規模企業共済等掛金控除とは?制度を活用して所得控除を受ける方法」をご覧ください。

まとめ

ここまで見てきたように、ライバーの確定申告にはいろいろなポイントがあり、知っておかなければいけないことも非常に多いです。しかし、上記のような確定申告や節税についての対策をあらかじめ理解しておけば、ライバーとして日々の事業を行う際に大きく役立つでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

photo:Getty Images

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この記事の執筆者矢郷真裕子

編集者・ライター。出版社勤務を経てフリーランスに。手がけてきた分野はエンターテインメント(お笑い・音楽)、グルメ、衣料(ファッション)、児童、占い、街ブラ、ライトノベルなど。

この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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