収入印紙の勘定科目はどうすればいい?

2021/03/31更新

この記事の執筆者柳原つつじ

高価な物を買ったときや、不動産の契約を交わしたときなどに使われる「収入印紙」。実際に貼ったことがある人や、見たことがあるという人が多いと思います。しかし、頻繁に使う人でない限りは「収入印紙とは何か」と聞かれると、言葉に詰まってしまいそうです。また、仕訳する際には、勘定科目をどのようにすればよいのでしょうか? 意外とさまざまなシーンで使われる「収入印紙」について、まとめてみたいと思います。

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POINT

  • 収入印紙は印紙税を支払う手段
  • 登録税、手数料、罰金の支払いにも
  • 勘定科目は「租税公課」か「貯蔵品」

「収入印紙」って何?

「収入印紙」については「頻繁には目にしないけれども、たまに見ることがある」という人が多いのではないかなと思います。一般的に扱う機会がそこまで多くないだけに、「収入印紙とは何か」というところから、説明したいと思います。

ある金銭のやり取りが行われるとしましょう。そこに文書が交わされると、取引が明確になりますよね。だったら税金を負担してくださいよ、というのが「印紙税」です。その印紙税を支払うための手段が「収入印紙」です。

要は「金銭をやり取りする際の文書に対する税金が印紙税」だと、とらえてもらえればよいでしょう。そこには、レシートや領収書なども含まれてきます。詳しく説明していきましょう。

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現金決済では「5万円以上」に必要

印紙税を支払うために収入印紙を用いるとわかれば、次に「どんな文書に印紙税がいるの?」という疑問が浮かんでくるでしょう。それについては、国税庁が下記にまとめています。

印紙税額一覧表新規タブで開く(平成29年4月1日現在法令等)

主なものを挙げると、1号文書が「不動産などの譲渡契約書、土地の賃借権の設定又は譲渡契約書、金銭消費貸借契約書」。これは、結構よくあるケースですよね。私も、マンションを購入するにあたって、契約書にペタペタと収入印紙を貼った記憶があります。

ほかには、

2号文書の「請負に関する契約書」
3号文書の「約束手形、為替手形」
4号文書の「株券、出資証券、社債券など」

も、印紙税を支払うことになります。

また、17号に「上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」とありますが、これはいわゆる領収書やレシートのことです。でも、大抵のレシートには、いちいち収入印紙は貼っていませんよね。それは「5万円未満は非課税」と定められているからです。逆に言えば、5万円以上の領収書やレシートには、収入印紙を貼って、印紙税を支払う必要があるということです。

ちなみに、平成26年(2014年)3月31日までは「3万円未満」が非課税の対象でした。非課税の枠が広げられたことは、頭の片隅に置いておきましょう。

また、下記のようなケースでは印紙税はかからないことになります。

  • 発注や請負をメールで行って、書面の契約書を作成しない場合
  • 領収書をPDFなどのファイルで渡す場合
  • 領収書に消費税がいくらか分かるように記載されている場合(ただし、領収書の金額が税抜で5万円未満のときのみ

支払の取引の場合は、クレジットカードによる支払いであることがしっかりと記載された領収書も、金額に関係なく収入印紙の貼付が不要です。

罰金や登録税も「収入印紙」で

収入印紙で支払うのは印紙税だけではありません。登録税、手数料、罰金などを徴収する際にも、収入印紙が用いられます。意外と幅広く使われるものなんですよね。

収入印紙はどこで買えばいいのか。

郵便局や法務局、区役所や市役所、そしてコンビニでも購入することができます。これらは、いわゆる「印紙売りさばき所」に該当するために、消費税が課税されません。そうではなく、金券ショップやチケット店などで購入した場合は、消費税が課税されてしまうケースもあるので、注意しましょう。

そんな収入印紙の勘定科目については、もうお分かりですよね。「印紙を使って、何のための支払いを行ったか」を考えればよいのです。

そう、印紙税を払うために収入印紙を購入した場合は、「租税公課」の勘定科目になります。しかし、目的ははっきりしないけれども、保管用として購入する場合は「貯蔵品」で仕訳を行ったほうが正確でしょう。

ちなみに、切手やはがきを購入した場合も、同様の考え方で「通信費」か「貯蔵品」の勘定科目で仕訳を行います。特に切手は収入印紙と混同しやすいですが、使う目的が分かっていれば、収入印紙は「租税公課」、切手は「通信費」、そして保管する場合はともに「貯蔵品」と、自然に勘定科目がわかるはずです。

勘定科目に迷ったときは、「それは何に用いるのか」という点に立ち返ってみるとよいかもしれませんね。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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