還付申告は5年前までさかのぼって申請できる!還付金を受け取るチャンスかも

2021/06/10更新

この記事の執筆者はにわきみこ

所得税の確定申告の期間は例年2月16日~3月15日です。でもこの期間が過ぎたら、確定申告はできないのでしょうか?
「還付申告」場合は、提出期限を過ぎてもあきらめる必要はありません。

還付申告は過去にさかのぼって行えます。還付金としてお金が戻ってくるチャンスかも!

POINT

  • 還付申告は、5年前までさかのぼって行うことができる
  • 過去の帳簿を完成させ、所得を正しく算出しよう
  • サボっていた人は、お金が戻ってくる可能性がある!

還付申告をすると払い過ぎていた税金が戻ってくる

報酬が振り込まれた際に「あれ?なんだか金額が少ないな…」と思ったことはありますか? 請求金額の約1割が減っている場合は、所得税が「源泉徴収」されています。源泉徴収とは、報酬を支払う側が、あらかじめ所得税額を天引きして納税してくれている、という意味です。

ライター、デザイナー、といった個人事業の場合は、支払う側が源泉徴収してくれるため、所得税の確定申告では「還付申告」となる可能性が高いです。
たとえば、年間合計450万円の売り上げがある場合は、そのおよそ1割に相当する45万円は、支払先の会社を通してあらかじめ税務署に納税されているのです。

還付申告は、過去5年までさかのぼって行うことができます。「よくわからなくて何もしてこなかった」という人も、源泉徴収された所得があるなら、還付を受けるチャンスがあります。

無料で【確定申告の流れがわかる手順と確定申告ソフトの活用方法】をダウンロードする

帳簿を付けて還付額を計算する

還付を受けるためには、利益の計算をする必要があります。
たとえば、1年間の売り上げ合計が450万円、源泉徴収額の合計が45万円だったとします。実際はほかの要素もありますが、ここでは分かりやすいようにザックリした金額で説明しますね。

450万円を稼ぎ出すために使った必要経費を計算してみましょう。
正しく計算するための基盤となるのが、帳簿です。経費が250万円かかっていれば、450万-250万で、利益は200万円。200万円に対する所得税は10万円ですから、あらかじめ納付してあった45万円は多すぎます。

すると、差額の35万円は還付される、つまり戻ってくるのです。
帳簿をつけることによって利益を確定し、正しい税額を導き出して、還付を受ける。これがフリーランスの確定申告なのです。「きちんとやれば、しっかりお金が戻ってくる」ボーナス気分が味わえる作業となります。これなら、モチベーションが上がりますよね!

期限後の提出だと、還付金の額は変わる?

しかし期限を過ぎてしまった申告には、ペナルティがあります。

青色申告の場合、提出期限を過ぎると青色申告特別控除(65万円もしくは55万円)が適用されず、控除額は10万円になってしまいます。還付金に換算すると、65,000円受け取れるところが、1万円になります。「戻ってくる還付金の額がちょっと減る」と思ってください。

しかし、ここであきらめてはいけません!かかった経費を計算してみれば、源泉徴収されていた所得税は多すぎる、というケースは十分考えられるのです。

実際、ある人は「3年間分の確定申告をまとめて提出したら、還付額の合計が96万円になった」と言っていました。3年もサボっていたことは、褒められたものではありませんが、「これだけの額が戻ってきたことで、生活の立て直しができた」と。それ以来、反省して毎年きちんと申告するようになったそうです。「平均すれば1年あたり約30万のボーナス。やらないと損だもんね!」と話しています。会計ソフトがより便利になったのも、追い風になったようです。

還付金とは先に収めていた所得税が戻ってくるもの。
したがって、還付金の上限は源泉所得税と同額となります。でも、経費を算出することで、かなりの額が戻ってくるはずです。

心当たりのある方は、ぜひとも挑戦してみてください。
きっと「過去を清算」すればいいことがありますよ。

まとめ

帳簿付けはコツコツと。決算処理は年が明けたらサクサクと。それが一番よい方法。
もしも何らかの事情でできなかった年があったとしても、預金通帳の明細や領収書などが残っていればあとは、会計ソフトをうまく使って、過去の帳簿を作りあげましょう。還付申告なら、おさめすぎた税金が戻るという喜びがあります。

還付金について詳しくはこちらの記事で解説しています。

無料で【確定申告の流れがわかる手順と確定申告ソフトの活用方法】をダウンロードする

確定申告ソフトなら、簿記や会計の知識がなくても確定申告が可能

確定申告ソフトを使うことで、簿記や会計の知識がなくても確定申告ができます。

今すぐに始められて、初心者でも簡単に使えるクラウド確定申告ソフト「やよいの白色申告 オンライン」とクラウド青色申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」から主な機能をご紹介します。

やよいの白色申告 オンライン」はずっと無料ですべての機能が使用でき、「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料、かつ無料期間中でもすべての機能が使用できますので、どちらも気軽にお試しいただけます。

初心者にもわかりやすいシンプルなデザイン

初心者にもわかりやすいシンプルなデザインで、迷うことなく操作できます。日付や金額などを入力するだけで、確定申告に必要な書類が作成可能です。

取引データの自動取込・自動仕訳で入力の手間を大幅に削減

銀行明細やクレジットカードなどの取引データ、レシートや領収書のスキャンデータやスマホで撮影したデータを取り込めば、AIが自動で仕訳を行います。入力の手間と時間が大幅に削減できます。

確定申告書類を自動作成。e-Tax対応で最大65万円の青色申告特別控除もスムースに

画面の案内に沿って入力していくだけで、確定申告書等の提出用書類が自動作成されます。青色申告特別控除の最高65万円/55万円の要件を満たした資料の用意も簡単です。インターネットを使って直接申告するe-Tax(電子申告)にも対応し、最大65万円の青色申告特別控除もスムースに受けられます。

自動集計されるレポートで経営状態がリアルタイムに把握できる

日々の取引データを入力しておくだけで、レポートが自動で集計されます。確定申告の時期にならなくても、事業に利益が出ているのかリアルタイムで確認できますので、経営状況を把握して早めの判断を下すことができるようになります。

この記事の執筆者はにわきみこ

会社員を経てフリーライターに。劣等生だから書けた、自由業に特化したロングセラー「日本一かんたん!フリーのための確定申告ガイド」新規タブで開くシリーズがある。現在、絵本作り・はり絵の講師として活躍中

初心者事業のお悩み解決

日々の業務に役立つ弥生のオリジナルコンテンツや、事業を開始・継続するためのサポートツールを無料でお届けします。

  • お役立ち情報

    正しい基礎知識や法令改正の最新情報を専門家がわかりやすくご紹介します。

  • 無料のお役立ちツール

    会社設立や税理士紹介などを弥生が無料でサポートします。

  • 虎の巻

    個人事業主・法人の基本業務をまとめた、シンプルガイドです。

事業のお悩み解決はこちら