一億総起業家時代に向けて『起業 失敗の法則』に学ぶ
執筆者:柳原つつじ
日本経済を活性化させたい政府の後押しによって、税制の優遇や補助金の拡大など、年々、起業しやすい状況が整えられつつある。年功序列制度が崩壊した今、会社組織に長くいても待遇がよくなるとは限らず、むしろリストラの危険性が高まることを考えみても、起業する人はこれからも増えるだろう。
しかし、忘れてはならないのは、当然のことながら、起業してからが本当の正念場ということである。「石の上にも三年」ということわざがあるが、その3年を続けられているベンチャー企業はどのくらいあるのだろうか? 驚くべきことに、それはたったの「2割弱」だといわれている。裏を返せば、創業した事業のうち、8割以上が3年以内に頓挫しているということだ。
そんな個人事業主ならば誰もが抱く不安に答えてくれるのが、『起業 失敗の法則』(ディスカヴァー社)だ。著者の鈴木健介氏は、全国各地の商工団体の講師を務めながら、起業の支援を行っているコンサルタントで、本書では「何をすべきか」よりも「何をすべきでないか」という観点で、起業に失敗しないための心得を指南している。