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社会保険料控除とは?対象となる社会保険料の種類、年末調整や確定申告の申告方法を解説

監修者 : 渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

社会保険料控除は、所得税や住民税計算のベースとなる「所得」の金額から差し引ける控除のひとつです。申告することで、支払わなければならない所得税や住民税を節税できます。

年末調整を受ける会社員やパート、アルバイトの方と、確定申告をする個人事業主の方、それぞれの申告方法と、上手に控除を活用するためのポイントを解説します。

お知らせ

2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!

社会保険料控除とは、社会保険料を所得金額から差し引ける控除制度のこと

社会保険料控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った社会保険料の全額を所得金額から差し引ける控除制度です。

所得税や住民税の金額は、年間の課税所得金額をもとに算出します。社会保険料控除を利用して所得金額から社会保険料を引けば、その分、課税されるべき所得金額が減り、節税につながります。

なお、所得税や住民税の計算をする際は、社会保険料控除の他にも、基礎控除や扶養控除など、多くの控除を利用可能です。

社会保険料控除の対象となる社会保険料の種類

1年間に支払った社会保険料の全額が、社会保険料控除の対象です。主な社会保険料の種類には、下記のようなものがあります。

<社会保険料控除の対象となる社会保険料の例>

  • 国民年金保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 健康保険料
  • 介護保険料
  • 国民健康保険料(保険税)
  • 後期高齢者医療保険料
  • 年金基金の保険料

なお、介護保険とは、健康保険や国民健康保険に加入している40歳以上の方が全員加入しなければならないものです。民間の生命保険会社が提供している任意加入の介護保険は、社会保険料控除ではなく、生命保険料控除の対象です。

年末調整や所得税の確定申告の際には、混同しないようにしましょう。

社会保険料控除の対象者

社会保険料控除を利用できるのは、保険料を支払ったすべての方です。給与から厚生年金保険料や健康保険料、雇用保険料などが天引きされている会社員、パート、アルバイト、派遣社員の他、国民年金や自治体等の健康保険に加入している個人事業主が該当します。

なお、生計を一にしている家族の社会保険料を支払った事実がある場合は、社会保険料控除として申告することが可能です。

<生計を一にしている家族の社会保険料を支払った場合の社会保険料控除の例>
両親が共働きをしている会社員世帯の子供の国民年金保険料を、父親が負担して支払った場合

  • 父親:子供の国民年金保険料と、自分の給与から天引きされている社会保険料を社会保険料控除として利用できる
  • 母親:自分の給与から天引きされている社会保険料を、社会保険料控除として利用できる
  • 子供:社会保険料控除の適用なし

社会保険料控除を受ける方法

社会保険料控除は、年末調整または所得税の確定申告で申告を行います。会社員やパート、アルバイトの方と個人事業主の方では、申告方法が違うので気を付けましょう。

年末調整、所得税の確定申告のそれぞれで申告する方法について解説します。

年末調整をする会社員、パート・アルバイトの場合

会社員やパート、アルバイトの方は、年末調整で社会保険料控除を受けます。年末が近づくと、勤務先で提出を求められる下記の書類を提出しなければ控除を受けることができません。

給与所得者の保険料控除申告書の記入例

親(弥生太郎)が、子供(弥生一郎)の国民年金保険料19万9,080円を負担した場合

なお、上記の申告には、証明書の添付が必要です。該当の方の自宅に「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が届くので添付してください。証明書は、通常、日本年金機構より10月下旬から11月上旬にかけて送付されます。なお、日本年金機構から送られてくる証明書は子供名義になっていますが、申告する際、特に問題になることはありません。

一方、家族の健康保険料や介護保険料を負担している場合の証明書の添付は不要です。

所得税の確定申告で申告する個人事業主の場合

個人事業主は、確定申告で社会保険料控除の申告をします。

なお、年末調整をした会社員で社会保険料控除の申告をしなかった場合、所得税の確定申告で控除を受けることも可能です。

所得税の確定申告書の「所得から差し引かれる金額」に「社会保険料控除(13)」という項目があります。この枠に1年間に支払った社会保険料の合計を記入してください。第二表に内訳を記載する欄がありますから、支払った社会保険料の種類と金額を記入します。

「うち年末調整等以外」欄には、年末調整等の適用を受けていない社会保険料の金額を書きます。会社員などで年末調整等を行っていない方や個人事業主は、金額をそのまま転記してください。

なお、所得税の確定申告の際は、国民年金保険料の支払いについて証明書の添付が必要です。健康保険料や介護保険料は必要ありません。

社会保険料控除を受けるために必要な証明書

一部の社会保険料については、年末調整や所得税の確定申告の際、控除を受けるための証明書が必要です。証明がいるものといらないものを、改めて整理しておきましょう。

<証明書が必要な社会保険料>

  • 国民年金保険料
  • 年金基金の保険料

<証明書が必要ない社会保険料>

  • 給与から天引きされた社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料、雇用保険料)
  • 健康保険料(国民健康保険料や任意継続による健康保険料、年金から控除された介護保険料など)
  • 後期高齢者医療保険料

<確定申告書に添付する社会保険料控除の証明書の例>
国民年金と自治体の健康保険、国民年金基金に加入している個人事業主の場合。

上記の方は、国民年金と国民年金基金の控除証明書を確定申告書に添付して申告を行います。

社会保険料控除を活用するためのポイント

社会保険料控除を上手に活用する方法を、3つご紹介します。申告漏れをなくして、正しく社会保険料控除を受けるための知識を身に付けておきましょう。

2年分の国民年金保険料を前納した場合は、全額または分割して申告できる

国民年金保険料は、毎月払いの他に、1年分や2年分をまとめて前納することもできます。

2年分を前納した場合、前納した年に2年分の国民年金保険料を全額控除するか、それぞれの年ごとに分割して控除するかを選択できます。例えば、「今年の売上はいつもより多かった」という個人事業主の方は、2年分をまとめて控除することで税金を抑えることも可能です。

反対に、翌年の売上が多い見込みであれば、それぞれの年ずつ控除した方が、メリットが大きい可能性があります。また、「翌年まで持ち越すのは面倒だから、一括で控除してしまいたい」という方もいるでしょう。それぞれの方に適した方法で、社会保険料控除を活用してください。

なお、国民年金保険料は、1年分や2年分を前納すると割引が受けることが可能です。社会保険料の節約にもつながりますから、前納を検討してみてはいかがでしょうか。

過去の年金を支払った場合は支払った年の控除対象になる

国民年金保険料は、過去にさかのぼって支払った場合でも、その年の控除対象にすることができます。国民年金保険料の納付期限は、納付対象月の翌月末日です。ただし、払い忘れてしまった場合は、期限から2年以内の納付が可能です。また、保険料の免除等を受けている場合は、10年前の保険料まで追納できます。

「国民年金保険料の支払いが難しく免除を受けていたが、売上が回復したので追納したい」という場合、追納して社会保険料控除の申告をすれば、所得税や住民税を抑えることができます。将来受け取れる年金額を増やして節税もできるため、制度を活用しましょう。

家族の後期高齢者医療保険料を支払った場合は、支払った人の控除対象になる

家族の後期高齢者医療制度の保険料を支払った場合も、支払った方の社会保険料控除として申告が可能です。ただし、該当の家族の年金から後期高齢者医療保険料が控除されている場合は、「本人が年金の中から保険料を支払った」ことになりますから、申告できません。

社会保険料控除は正しく申告しよう

支払った全額を所得金額から差し引ける社会保険料控除は、節税に役立つ控除制度です。申告漏れや計算ミスがないように気を付けましょう。

個人事業主の社会保険料控除申告には「やよいの青色申告 オンライン」や「やよいの白色申告 オンライン」が便利です。支払った社会保険料を入力するだけで、簡単に合計額の計算や申告書への転記ができるので、ご活用ください。

また、事業所側が従業員の年末調整をするなら、「やよいの給与計算」や「弥生給与」のような弥生の給与計算ソフトがおすすめです。従業員の月々の給与計算データから自動で社会保険料控除の金額を算出できますから、年末調整業務にかかる手間を大幅に削減できます。

photo:PIXTA

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