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修正申告とは?確定申告の内容を間違えていたときのケース別対処法

監修者 : 田中卓也(田中卓也税理士事務所)

所得税の確定申告では、1年間の所得や税金を計算して、みずから申告を行います。しかし、時には計算を間違えてしまったり、計上すべき経費を入れ忘れてしまったりすることもあるでしょう。そのようなときは放置せずに、修正のための申告をしてください。

ここでは、確定申告が間違っていたときのケース別の対処法と、放置した場合のリスクについて解説します。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

修正申告とは?

修正申告とは、所得税の確定申告で誤った内容を申告してしまった場合の修正方法のひとつです。確定申告の内容を修正する方法は、その時期や内容によって、「修正申告」「更正の請求」「訂正申告」の3つに分けられます。

修正申告は、確定申告期限後に、納付すべき税額よりも少ない税額を申告してしまったときの修正方法です。

確定申告期間後の修正は「修正申告」

修正申告とは、実際に納付すべき所得税額よりも少ない税額で確定申告してしまった場合や還付される税金が多すぎた場合の修正方法です。

所得税の確定申告の期限は、通常3月15日までと定められています(土日祝日が重なった場合、翌平日)。この期限が過ぎた後で確定申告の内容を修正する場合は、修正申告を行います。確定申告の内容を修正することで、納めるべき税金が増加します。

<修正申告の例>

  • 売上に計上漏れがあった(売上が増えることで所得額が増え、納付すべき所得税額も増える)
  • 確定申告した経費が一部、計上できないものだった(経費が減ることで、所得額が増える)
  • 配偶者特別控除を夫婦2人で申告してしまった(どちらも金額要件を満たす場合でも、片方しか対象にならない)
  • 医療費控除の対象にならない支出を、医療費控除として申告してしまった(控除額が減ることで還付金が減ったり、納付すべき税額が発生する)

実際の所得税額より多い金額を納付した場合の修正は「更正の請求」

更正の請求は、実際よりも多い所得税額を納付してしまった場合に利用できる修正方法です。更正の請求を行わなくても違法ではありませんが、行うことで払いすぎていた税金を返してもらえる可能性があります(ただし、還付を受けるためには、更正の請求が認められる必要があります)。

<更正の請求の例>

  • 収入の変動が大きい人が、一時的に所得が増えた際に納税額を少なく抑えることができる平均課税の対象であることが後からわかり、平均課税で所得税計算をすることにした
  • 特定扶養控除を受けられる親族について、通常の扶養親族控除で申告してしまった

確定申告期間中に申告内容を修正するのは「訂正申告」

確定申告期限内に、一度提出した確定申告を修正する場合は、訂正申告を行います。訂正申告では、実際よりも税金を多く申告したか、少なく申告したかは関係ありません。

なぜなら、法定申告期限内に同じ人から確定申告書が2回以上提出された場合には、原則的に最後に提出された申告書を、その人の申告書として取り扱うことになっています。そのため、法定申告期限までなら、正しい計算に基づいて作成した新たな確定申告書を提出すればよいのです。

ただし、先に提出した申告書が還付申告書で、その還付金が既に還付の処理が行われている場合には、訂正申告の扱いができないことがあります。詳しくは、直接税務署にご相談ください。

重ね重ねですが、訂正申告は該当の年の確定申告期限内でないとできません。期限を過ぎると、修正申告あるいは更正の請求を行うことになります。

修正申告の方法

修正申告には、専用の「修正申告書」を使います。修正申告を行う際は、この用紙と、正しい金額に修正した「確定申告書B 第一表」を税務署に提出しましょう。 提出方法は、通常の確定申告と同様です。e-Tax、郵送、持ち込みのいずれかの方法で提出してください。

修正申告の必要書類

修正申告をする際に必要な書類は、下記の3点です。必要次第で4つ目もあらかじめそろえておきましょう。

<修正申告に必要な書類>

  1. 修正申告書(申告書第五表(修正申告用・別表))
  2. 申告書B 第一表
  3. 本人確認書類(マイナンバーの番号確認書類+身元確認書類)
  4. 新たに添付が必要になった控除証明書など

1. 修正申告書

修正申告書には、修正した後の金額ではなく、修正前の申告内容について記入します。その上で、確定申告書B 第一表に正しい数字を記入してください。

修正申告書は、国税庁の「確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」からダウンロードできるほか、税務署でももらえます。また、確定申告書等作成コーナーで作成することも可能です。

2. 訂正した確定申告書B 第一表

確定申告書B 第一表を作成する際は、上部の申告書名を記載する部分に「修正」と書き入れます。また、「種類」は「修正」欄に〇をつけてください。その上で、正しい金額をそれぞれの欄に書き入れて申告を行います。

確定申告書B 第一表も、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」のページや税務署で配布されています。また、確定申告等作成コーナーでは、申告書の作成もできます。

ただし、修正申告は確定申告期間が終わった後で届け出る場合の方法ですから、確定申告書等作成コーナーでその年の修正申告書を作ることができるようになるのは、例年、確定申告の期限が過ぎる3月中旬頃になってからです。

3. 本人確認書類

確定申告書B 第一表には、マイナンバーを記入する欄があります。修正申告の際にも記入が必要です。修正申告でも本人確認が行われます。そのため、本人確認書類は、番号確認書類と身元確認書類が必要です。

マイナンバーを確認するための番号確認書類は、マイナンバーカードもしくは、マイナンバーがわかる住民票の写しや通知カード(※)を用意しましょう。

身元確認書類は、マイナンバーカードや運転免許証といった書類です。マイナンバーカードなら番号確認と身元確認の両方が1枚で行えます。

なお、e-Taxで申告する場合、申告に使用するマイナンバーカードやID・パスワードが本人確認書類代わりになりますから、それ以外の用意は不要です。

(※)マイナンバーの「通知カード」は2020年(令和2年)5月25日に廃止されていますが、通知カードに記載された氏名、住所などが住民票に記載されている内容と一致している場合に限り、引き続き番号確認書類として利用できます。

4. 新たに添付が必要になった控除証明書など

修正申告を行う理由が控除金額の訂正などであった場合は、正しい控除証明書等を添付しましょう。控除金額などに変更点がないのであれば、添付の必要はありません。また、すでに提出済の証明書の再添付は不要です。

修正申告の期限

修正申告は、税務署側から税額が違う点を指摘および調査される前あれば、いつでも行うことが可能です。しかし、税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかります。過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10パーセント相当額です。

ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15パーセントになります。

税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。調査の事前通知の後に修正申告をした場合は、50万円までは5パーセント、50万円を超える部分は10パーセントの割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかります。そのほかにも確定申告が期限後申告の場合は無申告加算税がかかる場合があります。

修正が必要なことに気づいたら早めに修正申告をしましょう。

更正の請求の方法

更正の請求を行う際は、更正の請求書を税務署に提出します。更正の請求書は、国税庁の「[手続名]所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」でダウンロードできるほか、税務署で配布されています。また、確定申告書等作成コーナーで、更正の請求書を作成することも可能です。

提出方法は確定申告や修正申告と同様で、e-Tax、郵送、持ち込みのいずれかです。

更正の請求の必要書類

更正の請求をする際は、更正の理由を説明するための書類が必要です。一度支払った税金を返してもらう手続きですから、きちんと根拠を提示しないと認められない点を認識しておきましょう。

更正の請求をする際は、下記の4つの書類を用意しておきましょう。

更正の請求書

更正の請求書には、更正をすることになった理由や添付書類、元々の申告額と修正する金額などを記入します。修正する金額は、「申告し又は処分の通知を受けた額」の隣の「請求額」の欄に記入しましょう。

なお、確定申告書が間違えていた場合、「請求の目的となった申告又は処分の種類」欄には「◯年分の所得税(及び復興特別所得税)」と記載します。

確定申告書の控え

更正の請求書には、「申告し又は処分の通知を受けた額」という欄があります。ここには、元々の確定申告で申告した金額を記入するため、提出済の確定申告書の控えが必要です。

なお、税務署に、確定申告書の控えを提出する必要はありません。

更正の理由がわかる書類

更正の請求をするときは、なぜ更正をすることになったのかを伝える書類を添付します。

例えば、特定扶養控除を受けられる親族について、通常の扶養親族控除で申告してしまったというような場合には、納税者の親族であることを証するものと扶養親族の生年月日を証する書類となるので戸籍謄本などになります。

また、平均課税の適用を受けるのであれば、「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」を作成して提出します。

本人確認書類

更正の請求書にも所得税の確定申告書同様にマイナンバーを記入する欄が設けられています。そのため、マイナンバーカードやマイナンバーがわかる通知カード(※)が必要です。

なお、e-Taxで申告する場合、申告に使用するマイナンバーカードやID・パスワードが本人確認書類代わりになりますから、それ以外の用意は不要です。

(※)マイナンバーの「通知カード」は2020年(令和2年)5月25日に廃止されていますが、通知カードに記載された氏名、住所などが住民票に記載されている内容と一致している場合に限り、引き続き番号確認書類として利用できます。

更正の請求の期限

更正の請求は、法定申告期限から5年以内であればいつでも行えます。なお、所得税の法定申告期限とは、確定申告する年の翌年3月15日です。

訂正申告の方法

訂正申告をする際は、修正する箇所の記載だけではなく、新しく正しい確定申告書を作成して、上部に「訂正申告」、余白に「訂正前の確定申告の申告年月日」「訂正前の申告税額」を赤字で書きましょう。

上記はイメージです。

提出方法は、e-Tax、郵送、持ち込みどれでも選べます。

なお、e-Taxを利用する場合、余白に「訂正前の確定申告の申告年月日」「訂正前の申告税額」を赤字で書き入れるといったことはできませんが、問題ありません。下記の手順で、正しいデータを送信しましょう。

<e-Taxで訂正申告をする際の手順>

  1. 「申告・申請等一覧」の画面で、状態欄が「送信完了」になっているデータのうち、訂正するものを選択します。
  2. 帳票データを開いて、正しい内容に修正します。
  3. 「作成完了」ボタンをクリックすると、「別名保存確認」の画面になります。
  4. 「申告・申請等名」に任意の名前を入力して「別名で保存」を選択します。
  5. 「署名可能一覧」の画面から「4」のデータを選択します。
  6. 電子署名を付与します。
  7. 「送信可能一覧」に該当データが表示されるので、送信してください。

なお、e-Taxだけでなく、郵送や持ち込みをする場合も事前連絡は通常必要ありません。追加で添付書類を提出する必要がある場合には、申告書等送信票(兼送付書)とともに提出することとなります。

ただし、当初の申告が還付申告(払いすぎていた税金を返してもらうための申告)だった場合は、間違いに気付いた時点で税務署に連絡しましょう。すでに、還付処理が始まってしまっている可能性があるためです。提出先の税務署で確認をした上で、指示に従ってください。

訂正申告の必要書類

訂正申告に必要な書類は、下記の3点です。ただし、すべてが必要とは限りません。状況に応じて、必要な書類を用意しましょう。

訂正した確定申告書

税務署に提出するための、訂正後の確定申告書を用意します。通常の確定申告書と同様に、国税庁の確定申告書等作成コーナーなどで作成することができます。

手書きしたい場合は、国税庁の「確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」から用紙をダウンロードするか、税務署で用紙をもらいましょう。

新たに添付が必要になった控除証明書など

訂正にあたって、生命保険料控除を新たに申告することにした場合など、新たに添付が必要になった証明書があれば、追加で提出します。なお、すでに提出済の証明書の再提出は不要です。

本人確認書類

訂正申告をする際も、申告書にはマイナンバーを記入します。マイナンバーカードもしくは、マイナンバーがわかる住民票の写しや通知カード(※)を用意しましょう。e-Taxで申告する場合、申告に使用するマイナンバーカードやID・パスワードが本人確認書類代わりになりますから、それ以外の用意は不要です。

(※)マイナンバーの「通知カード」は2020年(令和2年)5月25日に廃止されていますが、通知カードに記載された氏名、住所などが住民票に記載されている内容と一致している場合に限り、引き続き番号確認書類として利用できます。

訂正申告の期限

訂正申告の期限は、該当する年の所得税の確定申告の期限までです。訂正した確定申告書は、最初に確定申告を提出したときと同じ税務署に提出します。

e-Tax の接続障害により確定申告書を2022年3月15日までに訂正できなかった場合

2022年3月14日から、国税庁 e-Taxの接続障害が発生しました。この事象に該当し、申告が困難な場合は、個別に申告・納付期限の延長を2022年(令和4年)4月15日(金)まで申請が可能です。

すでに2021年(令和3年)分の確定申告書を提出していて、2022年3月 14 日(月)~3月15 日(火)に e-Tax の接続障害で、訂正した確定申告書を e-Tax で提出することができなかった場合、2022年3月16 日(水)~2022年4月15 日(金)までの間に 「特記事項」欄に「e-Tax の障害による申告・納付期限延長申請」 と記載して e-Tax で提出すれば、確定申告書の訂正を行うことができます(期限内に提出があったものとして取り扱われます)。(2022年3月18日 スモビバ!編集部追記)

修正申告をした場合に課される税金

所得税の確定申告期限の後に確定申告を間違えて修正申告をした場合、状況に応じて税金が加算される可能性があります。ただし、修正申告は税務署の調査を受ける前に自主的に行うものですから、税務署に指摘されて修正した場合よりは、加算される税金が少なくなります。

ここでは、修正申告をした場合に課される税金と金額などについてご説明します。

過少申告加算税

税額を少なく申告していた場合に、過少申告加算税が課されます。みずから修正申告をした場合、基本的に過少申告加算税は課税されません。

ただし、税務署からの調査の事前通知の後で修正申告をした場合は、支払うべき税金と実際に支払った税金の差額に対し、50万円までに5%、50万円を超える分に10%を掛けた金額の過少申告加算税がかかります。

重加算税

故意に収入を隠蔽して脱税しようとした場合など、「仮装隠ぺい」にあたると判断された場合は、過少申告加算税に加えて35~50%の重加算税が課せられます。

延滞税

修正申告で新たに所得税を納めなければいけない場合、本来の納期限を過ぎている可能性が高いでしょう。その場合、過ぎた期間に応じて延滞税がかかります。

ただし、追加で納付すべき本税の額が1万円未満、あるいは延滞税の金額が100円未満であるときはこれを切り捨てて計算・納付することになります。

そもそも確定申告をしていなかった場合

修正申告は、一度行った確定申告の内容が間違っていた場合に利用できる修正の方法です。この点については、本記事で紹介した更正の請求と訂正申告も同様です。

一方、そもそも確定申告が必要であったのにしていなかったというときは、期限が過ぎてしまっていたとしても早急に申告する必要があります。このような申告を、「期限後申告」と呼びます。

期限後申告の方法や書式は、通常の確定申告とまったく同じです。国税庁の確定申告書等作成コーナーや確定申告ソフト等を活用して、早急に申告しましょう。

なお、所得税を納める必要があるにもかかわらず確定申告をしていなかった場合、過少申告加算税よりも重い無申告加算税や延滞税、あるいは申告の必要があることを十分認識している場合や仮装・隠ぺいの事実がれば重加算税や延滞税が課せられる可能性があります。

確定申告の間違いに気付いたら、早急に修正をしよう

確定申告は、最初から正しい内容で行うのが理想です。とはいえ、うっかり間違ってしまうというのは、誰にでもあることでしょう。間違えてしまったときは、放置せずにできるだけ早く間違いを修正することが大切です。

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