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確定申告の期間を過ぎたらどうなる?遅れてしまった場合の対処法

監修者 : 齋藤一生(税理士)

所得税の確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日です。それぞれの日付が土曜・日曜・国民の祝日・休日の場合は、翌日となります。

所得税の確定申告をすべき人が、この期間内に申告できなかったらどうなるのでしょうか。この記事では、遅れてしまった場合に起こることのほか、遅れた場合・遅れそうな場合にすべきことを解説します。

期間を過ぎても確定申告はできる

期間を過ぎてしまっても、所得税の確定申告をすること自体は可能です。ただし、期限後申告という扱いになり、相応のペナルティが課せられます。

なお、源泉徴収された額が納めるべき税金の額を上回っており、確定申告をすることで払いすぎた税金が戻ってくる人は「還付申告」となり、提出期間が変わります。還付申告は、翌年の1月1日から5年間いつでも申告可能なので、3月15日までに提出しなくてもペナルティを受けることはありません。

確定申告の期間を過ぎてしまった場合のペナルティ

所得税の確定申告が必要な人が、申告期間を過ぎてしまった場合に課せられるペナルティには、下記のようなものがあります。

無申告加算税が上乗せされる

納税をする必要がある人が、所得税の確定申告の期限を過ぎてしまうと、本来払うべき税金に「無申告加算税」が上乗せされます。無申告加算税の金額は、期限後申告をしたタイミングによって、下記のように決まっています。

  • 税務署の調査・指摘の連絡を受ける前に自主的に期限後申告をした場合:納めるべき税額の5%
  • 税務署からの決定または税務調査後に期限後申告をした場合:納めるべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%(ただし、調査の事前通知の後に申告した場合は、50万円までは10%、50万円を超える部分は15%)

例えば、納めるべき税額100万円なら、無申告加算税の額は次のようになります。

【所得税の納付額が100万円の場合の無申告加算税例】

  • 税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合:100万×5%=5万円
  • 税務署からの決定または税務調査後に期限後申告をした場合:50万×15%+50万×20%=17万5,000円

なお、下記の要件をすべて満たす場合は「期間内に申告する意思はあった」と認められ、無申告加算税はかかりません。

  • 申告期限から1ヵ月以内に自主的に申告している
  • 納付すべき税額の全額を、法定の納付期限(口座振替納付の手続をした場合は、期限後申告書を提出した日)までに納付している
  • 期限後申告書を提出した日の前日から起算して、過去5年の間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがない
  • 期限後申告書を提出した日の前日から起算して、過去5年の間に、期限後申告をしたが「期間内に申告する意思はあった」と認められて、無申告加算税が不適用となったことがない

延滞税がかかる

所得税の納税が遅れた日数分だけ「延滞税」が加算されます。これは、お金を借りた際の利息に相当するもので、最高税率は14.6%です。

延滞税の計算方法はとても複雑なので、通常は国税庁のウェブサイトにあるシミュレーターを使って算出します。

また、振替納税制度を利用していて、残高不足等で振替日に振替できなかった場合は、法定納期限の翌日から完納の日までの期間の延滞税を併せて納付する必要があるので、注意しましょう。その場合は、現金又は電子納税などで納付することになります。

ほかにもクレジットカード納付の場合、納付手続が完了した日をもって延滞税や利子税を計算します。法定納期限内に「国税クレジットカードお支払サイト」で納付手続が完了していれば、クレジットカード利用代金の引き落とし日が法定納期限よりも後になった場合でも延滞税等は発生しません。しかし、法定納期限後に「国税クレジットカードお支払サイト」で納付手続を行った場合には、延滞税等が発生することがあるとの記載もあるので注意しましょう。

青色申告特別控除が10万円になる

最大65万円もしくは最大55万円の青色申告特別控除を受けるには、期限内に申告することが要件になっています。期限に1日でも遅れた場合、青色申告特別控除の額は、最大10万円に減額されます。

その分、納税額が増えるのはもちろん、すでに申告書を作成している場合は書類の修正も必要になります。また、期限内申告なら、税額がゼロであったり、還付の場合であっても、期限後申告の場合、青色申告特別控除額が変わることで、還付金が減ったり、逆に納税額が発生することがあり得ます。

なお、期限後申告となってしまった場合でも純損失の繰越控除(赤字の繰越)を行うことは可能です。こちらは、その年の赤字の金額を翌年以降3年間の所得の金額と相殺して税金計算できる制度です。

確定申告の期限を過ぎてしまった場合の対処法

忙しくてどうしても確定申告をする時間が取れなかったり、うっかりしていたりで確定申告の期限を過ぎてしまった場合は、できるだけ早く申告を行い、納税まで完了することです。

無申告加算税が課されない条件のひとつは、申告期限から1ヵ月以内に自主的に申告することですし、延滞税は遅れた日数分だけ増えていきます。申告と納税が遅くなれば遅くなるほど、支払う税金の額は大きくなりますので、できるだけ早く申告を行いましょう。

申告しないまま放置するのは絶対にダメ

申告期限に遅れた場合に最もしてはいけないのは、そのまま放置することです。

確定申告せずに放置したままある程度の時間が経つと、税務署から連絡が来ます。それでも放置していると、「意図的に納税を免れようとする悪質なケース」と判断され、無申告加算税の代わりに税率40%の重加算税が課せられる場合があります。もちろん、延滞税や青色申告特別控除の減額など、ほかのペナルティも発生します。

これに加えて確定申告をしないと、刑事事件に発展することもありえます。まず、正当な理由なく期限までに確定申告をしないことは、「単純無申告犯」に相当し、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処される可能性があります。単純無申告犯の中でも違法性が強く、故意に脱税をしたと認められる場合は「申告書不提出犯」に相当し、こちらは「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方」が課される可能性があるのです。

さらに、所得税の確定申告をせず、納めるべき税金を納めないと、懲役や罰金といった処分だけではなく、最終的には財産の差し押さえを受ける可能性もあります。確定申告期間が過ぎてしまっても決して放置せず、できる限り早めに申告しましょう。

期限を過ぎてしまいそうな場合にできること

期限までに申告ができそうにない場合、災害などやむをえない理由であれば、提出期限を延長できる可能性があります。早めに税務署に相談し、延長できそうなら手続きをするといいでしょう。税務署では、下記の申請が可能です。

災害による申告、納付等の期限延長申請

災害やその他やむをえない理由により、確定申告や所得税の納税ができない場合、所轄の税務署に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出することで、確定申告・所得税納付期限の延長を申請することが可能です。申請が認められると、やむをえない理由がなくなった日から2ヵ月以内に申告・納付すれば、期限内に納付したことになります。

申請書は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。納税地を所轄する税務署に、郵送か持ち込みで提出します。提出期限は、災害その他やむをえない理由のなくなった日から2ヵ月以内です。

新型コロナウイルス感染症の影響による期限延長申請

2022年に行う2021年(令和3年分)の所得税の確定申告については、新型コロナウイルス感染症の影響により、期限までに申告・納付できないと認められるやむをえない理由がある場合は、2022年4月15日まで、簡易的な方法で期限を延長して申告をすることが可能です。

2022年4月16日以降に提出する場合は、本来の手続き同様、所轄の税務署長に申請し、その承認を受けることで申請・納付期限を延長できます。延長期間は、「やむをえない理由がなくなった日から2ヵ月以内の範囲で、税務署長が個別に指定する日」です。

申告者本人が新型コロナウイルス感染症にかかって入院していたといった事情のほか、申請書類の作成を頼んでいる税理士が感染し、書類の作成が遅れたなどの事情も、やむをえない理由として個別の申告・納付期限延長が認められます。

申請は、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を、納税地を所轄する税務署に郵送か持ち込みで提出することで行います。

e-Taxでは申請できないので、通常はe-Taxで確定申告を行っている人も、国税庁のウェブサイトから申請書をダウンロードし、記載した上で、郵送か持ち込みで提出することになります。提出期限は、やむをえない理由のなくなった日から2ヵ月以内です。

なお、下記のような事情は、やむをえない理由として認められています。また、これ以外の事情でも、やむをえない理由として認められる場合はあります。

【個人・法人共通】

  1. 税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含む)が感染症に感染したこと
  2. 納税者や法人の役員、経理責任者などが、現在、外国に滞在しており、ビザが発給されない、またはそのおそれがあるなど入出国に制限等があること
  3. 次のような事情により、企業や個人事業者、税理士事務所などにおいて、通常の業務体制が維持できない状況が生じたこと
  • 経理担当部署の社員が、感染症に感染した、または感染症の患者に濃厚接触した事実がある場合など、当該部署を相当の期間、閉鎖しなければならなくなったこと
  • 学校の臨時休業の影響や、感染拡大防止のため企業が休暇取得の勧奨を行ったことで、経理担当部署の社員の多くが休暇を取得していること
  • 新型インフルエンザ等対策特別措置法にもとづき、生活の維持に必要な場合を除き、みだりに自宅等から外出しないことが求められ、在宅勤務の体制も整備されていない等の理由から、経理担当部署の社員の多くが業務に従事できないこと

【個人】

  1. 納税者や経理担当の(青色)事業専従者が、感染症に感染した、または感染症の患者に濃厚接触した事実があること
  2. 次のような事情により、納税者が、保健所・医療機関・自治体等から外出自粛の要請を受けたこと
  3. ・感染症の患者に濃厚接触した疑いがある
    ・発熱の症状があるなど、感染症に感染した疑いがある
    ・基礎疾患があるなど、感染症に感染すると重症化するおそれがある

  4. 新型インフルエンザ等対策特別措置法にもとづき、生活の維持に必要な場合を除き、みだりに自宅等から外出しないことが要請されていること

【法人】

  1. 感染症の拡大防止のため、多数の株主を招集させないよう、定時株主総会の開催時期を遅らせるといった緊急措置を講じたこと

※国税庁:1 申告・納付等の期限の個別延長関係

確定申告の期間が延長される場合はどういうとき?

所得税の確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日(それぞれの日付が土曜・日曜・国民の祝日・休日の場合は、翌日に読み替えられる)ですが、大規模な災害があった場合などは、国税庁長官によって、特定の地域または全体の所得税の確定申告期限が延長されることもあります。

例えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災に関連して、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県で、確定申告・税の納付期限が延長された例があります。また、2021年には、新型コロナウイルス感染症に関連して緊急事態宣言が発令されていたことから、確定申告の期限が全国一律で4月15日まで延長されました。

なお、2021年(令和3年)分の所得税の確定申告期間は、2022年2月16日(水)から2022年3月15日(火)までとなっています。 3月15日(火) は、申告と納付の期限です。

還付申告は3月15日までに出さなくてもいい

冒頭で少しふれましたが、源泉徴収された分や予定納税した分の所得税額が納めるべき所得税額を上回っており、所得税の確定申告をすることで払いすぎた税金が戻ってくる人は還付申告となり、提出期間が変わります。

還付申告は、確定申告期間と関係なく、翌年の1月1日から5年以内いつでも提出することが可能です。むしろ、確定申告で混み合う3月に提出すると、還付処理に時間がかかり入金が遅くなる場合もありますので、早めに還付金を受け取りたいなら、この時期は避けるのがおすすめです。還付申告の場合は、3月15日までの提出にこだわる必要はありません。

繰り返しになりますが、青色申告の方は注意が必要です。青色申告の最大65万円(もしくは55万円)の特別控除を受けるためには期限内申告が要件の一つです。還付申告が5年間いつでもできるからと言って、申告をしないと特別控除は10万円になるので、期限内申告をするようにしましょう。

還付申告ができる人

還付申告ができるのは、すでに納めた税金額が納めるべき所得税の金額を上回っている場合です。報酬を得る段階で源泉徴収されている士業やスポーツ選手、芸能人、ライター、イラストレーターのほか、予定納税した人で1年前に比べて収入が減少した人などは、該当する可能性が高いといえるでしょう。

給与所得者の場合は、下記のようなケースでは原則として還付申告をすることができます。

  • 年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納めすぎとなっているとき
  • 一定の要件のマイホームの取得などをして、住宅ローンがあるとき
  • マイホームに特定の改修工事をしたとき
  • 認定住宅の新築等をした場合(認定住宅新築等特別税額控除)
  • 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき
  • 特定支出控除の適用を受けるとき
  • 多額の医療費を支出したとき
  • 特定の寄附をしたとき
  • 上場株式等に係る譲渡損失の金額を、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額から控除したとき

※国税庁:No.2030 還付申告

確定申告と手続きの期限が同じ申請について

確定申告に関連する手続きのうち、確定申告と同じ期限で申請書を提出しなければならないものもあります。下記の手続きも、確定申告と同じ原則3月15日が提出期限です。提出しておかないと、次の年からの適用が受けられないので、忘れず提出するようにしましょう。

所得税の青色申告承認申請書

青色申告をしたい場合は、申告しようとする年の3月15日までに、所轄の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。2022年分(2023年に確定申告をする)を青色申告したいなら、2022年3月15日が提出期限です。

なお、その年の1月16日以降に事業を開始した場合は、事業開始日から2ヵ月以内に青色申告承認申請書を提出すれば、同年から青色申告ができます。

青色事業専従者給与に関する届出書

「青色事業専従者給与に関する届出書」は、青色事業専従者の給与を必要経費に算入したい場合に必要な手続きです。2022年分(2023年に確定申告をする)の青色事業専従者給与を経費にしたいなら、2022年3月15日までに届け出を提出する必要があります。

なお、その年の1月16日以降に専従者ができた場合は、事業開始日または専従者ができた日から2ヵ月以内に提出すれば、 適用ができます。

減価償却資産の償却方法の変更承認申請書

減価償却の方法を変更するには、「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を所轄税務署長に提出して、所轄税務署長の承認を受けなければなりません。2022年分(2023年に確定申告をする)から減価償却の方法を変更したいなら、2022年3月15日までに申告書を提出し、所轄税務署長の承認を受ける必要があります。

減価償却には、定額法と定率法の2つの方法があり、どちらを選ぶかで計上する金額が変わってきます。個人事業主の場合、基本的には定額法とされています。定額法を使用する場合は特に申請は不要です。定率法を選択したい場合は、変更手続きが必要です。

確定申告を簡単に終わらせるには、弥生のクラウド申告ソフトが便利

所得税の確定申告は、申告の期限を過ぎてしまうと期限後申告という扱いになり、無申告課税や延滞税、青色申告の特別控除の減額など、さまざまなペナルティが発生します。このような不利益を避けるには、期限内に申告することが大切です。

特に事業所得を確定申告するためには、収支内訳書や青色決算報告書を添付しなければならず、申請書類を作成するにはかなりの手間と時間がかかります。日々の業務に忙しいと、なかなか作業の時間が取れないことも少なくありません。

その点、弥生のクラウド確定申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」「やよいの白色申告 オンライン」を使うと、お小遣い帳感覚で、日々の取引が入力でき、自動で仕訳と帳簿を作成してくれます。そこから簡単に確定申告書類の作成が可能です。手間をかけずに確定申告の準備ができ、期限内の申告に役立ちます。ぜひ活用して、所得税の確定申告を期限内に済ませましょう。

photo:PIXTA

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