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確定申告に必要な持ち物は?郵送、e-Tax提出時の注意点も紹介

監修者 : 齋藤一生(税理士)

所得税の確定申告をする際に気を付けたいのは、書類の記入もれや添付もれです。足りないものがあると再提出に手間がかかるので、確定申告に必要となる物は、事前にしっかりチェックしておきたいところです。

この記事では、確定申告書の作成に必要な物についてご紹介します。また、税務署・申告会場に確定申告書を持ち込む場合に必要な持ち物や、郵送、e-Tax提出時の注意点についても併せて解説します。

確定申告に必要な物

所得税の確定申告をする際は、まず確定申告書類を作成する必要がありますが、この書類を作成するために準備しなければならない書類やレシート、領収書などが多くあります。さらに、収入の種類や控除の種類によっても、必要書類が変わってきます。

所得税の確定申告の書類を作成するために、確定申告をする人が全員共通して必要な物のほか、収入の種類別、控除別、それら以外の条件別に必要な物について、それぞれ紹介します。

該当者 書類 用途
全員 確定申告書AまたはB 提出
本人確認書類 原本提示またはコピーを提出
確定申告書の控え 収受日印をもらう
収入の種類別 給与収入がある人
年金を受給している人
源泉徴収票 確定申告書の作成に必要
給与・年金以外の収入がある人 収支内訳書
青色申告決算書など
提出
控除別 所得控除を受ける人 控除を証明する書類 提出
税額控除を受ける人 控除を証明する書類 提出
条件別 e-Taxを利用したことがある人 利用者識別番号がわかる書類 提示
扶養している者や事業専従者がいる人 扶養している者、事業専従者のマイナンバーがわかる書類 確定申告書の作成に必要
還付申告をする人 申告人名義の預貯金口座の情報がわかるもの 確定申告書の作成に必要

※電子申告(e-Tax)を利用する場合は、提出書類で省略できるものもあります。

確定申告する人全員共通で必要な物

すべての申告者が用意しなければいけないのは、下記の3点です。

なお、以前は確定申告書類への押印が必要でしたが、税制改正により、各種税務関係書類では、原則的に2021年(令和3年)4月1日以降、押印義務が廃止されました。よって印鑑は不要です。そのため、2021年分の所得税確定申告書や青色申告決算書には、㊞のマークがなくなっています。

確定申告書AまたはB

確定申告書は、前年に税務署や確定申告会場で直接提出する方法で確定申告をした場合は、確定申告の時期が近付くと税務署から郵送されてきます( 前年に電子申告をした場合は送られてきません)。

税務署や確定申告会場、市区町村の担当窓口などでも受け取れますし、国税庁のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。

確定申告書にはAとBがあります。Aは記載できる所得の種類が「給与所得」「公的年金」「その他の雑所得」の3つに限定された簡易版、Bは誰でも使える汎用版になっています。個人事業主や家賃収入がある人はB、会社員やダブルワークをしている人で、他に所得がなければAを選びましょう。

なお、申告書Aは2023年1月で廃止され、申告書Bに一本化されることが決まっています。申告書Aを利用できるのは、2022年の確定申告(2021年分)までになります。

本人確認書類

確定申告をするには、本人確認書類の提示またはコピーの添付が必要です。マイナンバーカードを持っている人は、提出時にマイナンバーカードを提示するか、カードの裏表をコピーした物を提出します。

マイナンバーカードを持っていない人は、通知カード(※)やマイナンバーの記載のある住民票の写しなど、「マイナンバーカードの番号が確認できる書類(番号確認書類)」と運転免許証、パスポート、健康保険証、在留カードなどの「身元確認書類」の2つを準備し、書類提出時に提示するか、コピーした物を提出することになります。

(※)マイナンバーの「通知カード」は2020年(令和2年)5月25日に廃止されていますが、通知カードに記載された氏名、住所などが住民票に記載されている内容と一致している場合に限り、引き続き番号確認書類として利用できます。

申告書類の控え

申告書類の控えを持ち込むと収受日印を押してくれます。郵送の場合は、確定申告書類の控えと自分の住所と宛名を記載し、切手を貼った返信用封筒を一緒に送ると、収受日印を押した確定申告書の控えを後日、返送してくれます。

控えの保存は必須ではありませんが、新型コロナウイルス感染症関連の各種給付金や住宅ローン、自動車ローン、引っ越しで賃貸の審査を受ける際など、所得を証明する手続きで必要になることがあるので、控えを保管しておくことをおすすめします。

【収入の種類別】確定申告に必要な物

収入の種類によって、所得税の確定申告の際に添付する書類が異なります。収入の種類別に説明します。

給与収入がある人、年金を受給している人

給与収入がある人は、会社などの勤務先から発行される給与所得の源泉徴収票、公的年金を受給している人は公的年金等の源泉徴収票を用意しましょう。源泉徴収票は確定申告の書類に添付して提出する必要はありませんが、確定申告書を作成するのに必要になります。

給与・年金以外の収入がある人

給与・年金以外の収入がある人は、所得の種類によっては収入金額とかかった経費がわかる書類を添付する必要があります。「事業所得」「不動産所得」「山林所得」がある場合、白色申告なら収支内訳書、青色申告なら青色申告決算書の添付が必要です。個人事業主やフリーランスが該当します。

なお、2022年分より「雑所得」の場合でも、前々年分の雑所得に関する収入金額が1,000万円を超えている人は、確定申告で収支内訳書の作成が必要になりました。つまり2020年分の確定申告で、雑所得の収入が1,000万円を超えている場合は、2022年分の所得税の確定申告(2023年に申告を行う)から、収支内訳書の作成と添付が必要になります。

【控除別】確定申告に必要な物

控除の種類によっても、所得税の確定申告の際に必要な物が異なります。また、控除の種類によっては、年末調整で適用できない控除もありますので、注意しましょう。

所得控除

医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除などの所得控除を受ける人は、医療費の明細書、社会保険料控除証明書、10月頃に保険会社から届く支払額の証明書(保険料控除証明書)、寄附金の受領書など、各種控除を証明する書類を確定申告書に添付する必要があります。

なお、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除については、給与所得者が年末調整でも適用できるので、年末調整時に提出している場合は、提出しなくても構いません。一方、医療費控除は年末調整ではできないので、控除を受けたい場合は、所得税の確定申告書に医療費の明細を添付する必要があります。

税額控除

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、税額控除です。住宅ローン控除を初めて受ける場合は、所得税の確定申告で控除ごとに指定された証明書の添付が必要になります。住宅ローン控除の2回目以降は、年末調整でも申告できます。

【条件別】確定申告に必要な物

先に説明した収入の種類や控除の内容とは別の理由で、所得税の確定申告に必要な物が変わる場合があります。その主な条件についてご説明します。

e-Taxを利用したことがある人

利用者識別番号等の通知、または利用者識別番号が記載された税務署からのはがきなどを用意します。

扶養している者、事業専従者がいる人

確定申告書類には、納税者本人が扶養している人や白色申告の事業専従者、青色申告の青色事業専従者のマイナンバーを記載する欄があります。扶養している者や事業専従者のマイナンバーがわかる書類の提出は不要ですが、申請書類作成のために準備しておきましょう。

還付申告をする人

払いすぎた税金の返金を受ける「還付申告」をする場合は、申告人名義の預貯金口座の情報を確定申告書に記載する必要があります。提出したり提示したりする必要はありませんが、書類作成のために必要なので、預金口座情報がわかる通帳やキャッシュカードなどを準備しましょう。

税務署に持ち込む場合の持ち物と注意点

確定申告書を、住所地などを管轄する税務署に直接提出する場合の持ち物は、先に紹介した確定申告書や添付書類すべてです。確定申告の期間限定で、各地で開設される確定申告会場で提出する場合も同様となります。

なお、2021年分の確定申告(2022年に行う)については、会場内の混雑緩和のため、確定申告会場で申告の相談をしたい場合は、当日配布または事前にLINEで取得できる入場整理券が必要となりますので注意が必要です。申告書などを提出するだけなら、入場整理券は不要です。

【参考】
国税庁:「令和3年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

確定申告書を郵送で提出する場合の注意点

確定申告の書類一式を、所轄の税務署に郵送して提出する場合は、基本的に税務署や確定申告会場に持ち込むときに必要な持ち物と同じ物を郵送します。しかし、本人確認書類の提示などはできないので、代わりにコピーを添付します。そのほかの主な注意点は、下記のとおりです。

自分の宛名を記載して、切手を貼った返信用封筒を同封する

収受日印のある確定申告書の控えを送ってもらうために、自分の住所と宛名を記載して、切手を貼った返信用封筒を同封します。封筒のサイズは自由ですが、A4サイズを横三つ折りで入れられる長形3号がおすすめです。切手代は控え書類の重さによって変わりますが、25g以下の84円、または50g以下の94円に収まることがほとんどです。

確定申告書控えの保存は必須ではありませんが、新型コロナウイルス感染症に関連する給付金や住宅ローンの申請などで必要になる場合があるので、しっかり保存しておきましょう。

ゆうパックやゆうメールなどでは送れない

確定申告書類は「信書」にあたるので、信書を送付できないゆうパックやゆうメール、ゆうパケット、クリックポストでは送ることができません。

送り先の税務署が変更になっている場合がある

2021年7月から、国税庁が進める「内部の事務のセンター化」の対象となっている税務署に申告書類を郵送提出する場合は、税務署ではなく各地域のセンターに送付することになりました。

対象の税務署、郵送先となるセンターについての詳細は、国税庁のウェブサイトに掲載されている「書面の申告書等の郵送による提出先となるセンターの所在地」で確認できます。

なお、書面の申告書、申請書等を、センターへ直接持ち込むことはできません。e-Taxで提出する場合は、これまでどおり管轄する税務署へ送信します。

e-Taxで確定申告書を提出する場合の注意点

e-Taxは、インターネットで確定申告書類のデータを送信し、提出する方法です。マイナンバーカードまたはID・パスワードによって本人確認が行われるので、本人確認書類を提出する必要はありません。また、控除証明書など、提出を省略できる書類があります。

e-Taxで確定申告書を提出する場合の主な注意点は、下記のとおりです。なお、データは国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」で作成できます。

医療費控除の証明書などは提出を省略できる

e-Taxを利用する場合は、医療費の明細書、社会保険料控除の証明書、生命保険料控除の証明書、特定増改築等住宅借入金等特別控除などは、記載内容を入力して送信すれば、書類の提出を省略できます。

ただし、提示や提出を求められたときは応じなくてはならないので、これらの書類や医療費の明細書、領収書は、確定申告の期限から5年間は保管する必要があります。

添付書類はPDFデータとして送信

省略が認められていない書類は、PDFデータで送信するのが基本です。一部、PDFデータに非対応の書類は、後から郵送することになります。

給与所得、一時所得、その他雑所得のみなら、スマートフォンから申告が可能

所得の種類が給与所得、一時所得、その他雑所得、上場株式等に係る譲渡所得・配当所得等のみであれば、スマートフォンから確定申告が可能です。ダブルワーカーの所得はほとんどのケースで、給与所得とその他雑所得となるため、基本的にスマートフォンから確定申告が可能です。

利用には、マイナンバーカードとマイナンバーカード対応のスマートフォンのセットか、税務署で手続きすることで取得できるID・パスワードが必要になります。事業所得のある個人事業主は、スマートフォンのみでの申告はできません。

控えの代わりに、電子申請等証明書の発行を受ける

e-Taxで提出した場合、持ち込みや郵送提出で受け取ることができる、収受日印が押された確定申告書の控えは受け取れません。代わりに、e-Taxの「メッセージボックス」に送信される「受信通知」から、e-Taxを行ったことを証明する「電子申請等証明書」の発行を申請できます。

確定申告書を金融機関に提出して審査を受けるような場合は、こちらの証明がないといけませんので、メッセージボックスのパスワードなどは決して忘れないようにしましょう。

確定申告は事前準備をしっかりしてスムーズに終わらせよう

所得税の確定申告は、申告の内容に合わせて必要な書類を揃える必要があります。特に、個人事業主をはじめとする事業者の場合は、収支内訳書や青色申告決算書も作成しなければなりません。

すべてを手作業で作成して、書類のチェックまで行うのは大変ですから、クラウド申告ソフトなどを上手に使って、効率良く確定申告を進めましょう。事業主ではない個人でも、用意しなければならない書類や整理するべきレシートが多いと、手間も時間もかかります。

事業所得の確定申告の場合、弥生のクラウド確定申告ソフト「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」を使うと、書類の作成・提出を簡単に進めることができます。さらに、e-Taxを利用して確定申告書の提出まで可能です。画面はシンプル設計で、難しい操作も必要ないため、迷うこともありません。

また、データを作成すると提出が必要な書類が一覧で表示されるので、うっかり添付を忘れることもなく、スムーズに確定申告を完了できます。確定申告の準備は、余裕を持って進めてください。

photo:PIXTA

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