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確定申告書の書き方とは?様式A・Bの違いと選び方、記入例を解説

監修者 : 田中卓也(田中卓也税理士事務所)

所得税の確定申告書にはAとB、2つの種類があります。どちらにも多くの記入欄が並んでいて、「どこに何を書いていいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、確定申告書AとBの違いや、どこに何を書けばいいのかなど解説していきます。自動で確定申告書を作成できるサービスも多くありますが、出力された確定申告書が正しいかどうかを確認するためにも、それぞれの項目の意味と記載内容を知っておきましょう。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

確定申告書A・Bの違い

確定申告書のAとBは、記入できる項目の内容が異なり、申告内容に合わせて選ぶことになります。

すべての方が、どの所得の申告でも使用できるのは、確定申告書Bです。確定申告書Aは、簡易版で、「給与所得」「雑所得(年金所得を含む)」「配当所得」「一時所得」の4種類の所得での申告に対応しています。

そのため、会社で年末調整を受けている会社員が医療費控除や住宅ローン控除の初年度などの還付申告をする際に利用するケースが多くなっています。それ以外の所得がある人、個人事業主やフリーランスで「事業所得」や「不動産所得」などがある人は、確定申告書Bを利用しましょう。

なお、確定申告書Aは2022年12月で廃止されます。2023年1月以降に行う2022年分の確定申告分からは確定申告書Bに一本化される予定です。

確定申告書Aの第一表の書き方

まず、確定申告書は、手書きの場合、黒インクのボールペンで記載します。パソコンなどで作成した場合は、プリンターでの印刷ではカラーでも白黒でもどちらでも良いとされています。

確定申告書Aは、第一表と第二表の2枚で構成されています。続いては、それぞれの書き方を項目別に見ていきましょう。

【引用元】国税庁:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

まず、上部の個人情報の欄を記載します。欄外の提出先税務署名や提出日付、申告する年も忘れずに記載してください。

収入金額等

収入の金額を記載します。会社員であれば、「給与(ア)」欄に、源泉徴収票の「支払金額」欄に書かれた金額を記入してください。給与以外の収入がない場合、その他の欄は空欄にしておきます。

所得金額等

所得金額とは、収入金額から必要経費を差し引いた後の金額のことです。

必要経費の名称や種類は所得の区分によって違うのですが、会社員の場合、給与から給与所得控除を引いた金額が該当しますので、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を記入します。

その他、該当する所得額があれば書き入れます。なければ、「給与(1)」の欄と「合計(8)」欄に「給与所得控除後の金額」が両方記入されることとなります。

所得から差し引かれる金額

所得税の計算をする際は、まず所得から所得控除額を差し引きます。利用できる所得控除の金額を記入しましょう。

会社員の場合、年末調整の対象者であれば「社会保険料控除(9)」から、「基礎控除(20)」までは、源泉徴収票に記載があります。「社会保険料控除」には源泉徴収票の「社会保険料の金額」、「生命保険料控除」は「生命保険料の控除額」といったように、対応する項目の数字を書き写していきます。

給与所得の源泉徴収票例

源泉徴収票の形式によっては、生命保険料や地震保険料の「内訳」が記載されているものもありますが、この内訳の欄に記載されている金額ではなく、「所得控除額」の欄に記載されている金額を書き入れてください。

ただし、源泉徴収票の「社会保険料控除」の金額が2行になっている場合は、注意が必要です。「社会保険料控除(9)」には、2行目の大きめに書かれた数字から、上の数字を差し引いた金額を記入してください。1行目の小さく書かれた数字は、社会保険料控除のうち、企業型確定拠出年金やiDeCo(イデコ)の金額です。この金額は、「小規模企業共済等掛金控除(10)」に記入します。

「寡婦、ひとり親控除(13)~(14)」 「勤労学生、障害者控除(15)~(16)」 「扶養控除(19)」 が適用される範囲や控除額については下記で確認できます。

「配偶者(特別)控除(17)~(18)」の控除額については下記で確認できます。

税金の計算

税金の計算では、まず、「所得金額等」の「合計(8)」欄の数字から、「所得から差し引かれる金額」の「合計(25)」を引いた金額を、「課税される所得金額(26)」に記入します。このとき、1,000円未満は切り捨ててください。

その後、「上の(26)に対する税額(27)」に、 「課税される所得金額(26)」を所得税の速算表に当てはめて計算した税額を記載します。計算式は下記のとおりです。

「上の(26)に対する税額(27)」 = 「課税される所得金額(26)」 ×「所得税の速算表」の税率-控除額

■所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

<課税される所得金額例>
「課税される所得金額(26)」が200万円の場合

200万円×10%-97,500円=10万2,500円を、「上の(26)に対する税額(27)」に記入する。

次に「配当控除(28)」から「住宅耐震改修特別控除等(33)~(35)」までの項目のうち、該当するものを記入し、その合計金額を 「上の(26)に対する税額(27)」から引いて、「差引所得税額(36)」に書き込みます。該当する控除がなければ、「上の(26)に対する税額(27)の金額を、そのまま「差引所得税額(36)」に書きましょう。

さらに、「差引所得税額(36)」から「災害減免額(37)」を引いて、「再差引所得税額(38)」に書きます。こちらも、該当しなければ「差引所得税額(36)」と同じ数字を書きましょう。

「復興特別所得税額(39)」には「再差引所得税額(38)」×2.1%の金額を、「所得税及び復興特別所得税の額(40)」には、「再差引所得税額(38)」と「復興特別所得税額(39)」の合計を書きます。

最後に、源泉徴収票の「源泉徴収税額」を「源泉徴収税額(43)」に転記して、「所得税及び復興特別所得税の額(40)」から引きます。引いた金額がプラスになれば、「納める税金(44)」に記入、マイナスになれば、「還付される税金(45)」に書きます。

マイナスだった場合、申告書本体にすでに「△」が印字されていますので「-」の記号は不要です。計算結果が「-1万円」であれば、「還付される税金(45)」に「10000」と書きます。

その他

その他の欄には「公的年金等以外の合計所得金額(46)」などがありますので、該当する金額があれば記載します。なお、 「公的年金等以外の合計所得金額(46)」 は、年金収入がない人は記入不要です。

また、配偶者特別控除を受ける人は「配偶者の合計所得金額(47)」に配偶者の所得金額を記入してください。

延納の届け出

確定申告の結果、税金の納付が必要だった場合の納税期限は、例年3月15日です。ただし「延納の届け出」欄に記入することで、納税額の2分の1以下に限り5月31日まで延納できます。延納した場合、納付までの期間中は一定の利子税が加算されます。

なお、このほか振替納税という手続きもあります。令和3年分の確定申告の振替納税による口座からの振替日は「令和4年4月21日(木)」です。納税期限が実質1ヶ月程度伸びることとなりますのでこちらの制度を利用することも検討してみましょう。

還付される税金の受取場所

確定申告の結果、税金の還付が受けられる場合は振込先口座を記入します。振込先は、申告をする人と同じ名義の口座でなければいけません。

確定申告書Aの第二表の書き方

確定申告書Aの第二表には、第一表で記載した内容について、内訳などを記入します。

【引用元】国税庁:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

数字については、第一表の数字を転記していきます。第一表との違いとしては、「所得の内訳」や「保険料控除等に関する事項」などに、給与支払者や加入している保険の種類や支払った保険料などを個別に記載することです。

なお、第二表のカッコの中の数字は、第一表の項目にそれぞれ対応しています。

確定申告書Bの第一表の書き方

確定申告書Bの第一表の書き方のうち、「所得から差し引かれる金額」と「延納の届出」「還付される税金の受取場所」欄は、確定申告書A第一表と同一です。

ここでは、確定申告書Aの第一表とは異なる部分についてのみ解説します。

【引用元】国税庁:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

収入金額等

自身の該当する収入を記載します。事業収入のある個人事業主の場合は「営業等(ア)」に金額を記載しましょう。なお、給料以外の収入がある会社員は、「給与(カ)」に加えて、該当の収入を書きます。各項目を合計する必要はありません。

なお 「営業等(ア)」 欄または「農業(イ)」欄の「区分」は、令和3年分以降用の様式から追加になった項目です。2021年の記帳・帳簿の保存状況について当てはまる以下の数字を記入します。

  1. 電子帳簿保存法の規定に基づき、税務署長の承認を受けて、総勘定元帳、仕訳帳等について電子的記録等による備え付け及び保存を行っている場合
  2. 会計ソフト等の電子計算機を使用して記帳している場合(※1に該当する場合を除く)
  3. 総勘定元帳、仕訳帳等を備え付け、日々の取引を複式簿記で記帳している場合(※1と2に該当する場合を除く)
  4. 日々の取引を複式簿記以外の簡易な方法で記帳している場合(※2に該当する場合を除く)
  5. 上記のいずれにも該当しない場合(※記帳の仕方が分からない場合を含む)

所得金額等

それぞれの収入について、必要経費を差し引いた所得金額を記入します。

個人事業主など白色申告や青色申告をしている方は、収支内訳書や青色申告決算書に「所得金額」の欄があるので、その金額を転記してください。

税金の計算

山林所得や退職所得等がある方は、「第三表」も作成する必要があります。このような方は、「課税される所得金額(30)」と「上の(30)に対する税額(31)」に記載する金額が、第三表の金額になるので注意してください。

また、確定申告書Aとの違いとして、「予定納税額(50)」に関する記載項目がある点が挙げられます。予定納税をしている場合は、ここに記入します。

その他

青色申告で申告をする人が利用できる「専従者給与(控除)額の合計額(55)」、「青色申告特別控除額(56)」、「本年分で差し引く繰越損失額(59)」、変動の大きい所得や臨時所得があった場合の「平均課税対象金額(60)」、「変動・臨時所得金額(61)」は、確定申告Aにはない項目です。

それぞれ、該当する場合は記入しましょう。

確定申告書B第二表の書き方

確定申告書Bも、第二表には第一表の項目の内訳を記載していきます。取引先が多く、所得の内訳が書ききれない場合は、「所得の内訳書」を添付しましょう。

【引用元】国税庁:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

確定申告書等作成コーナーの利用が便利

確定申告書を手書きするのは大変ですし、そもそも金額を手計算するとなると、間違える可能性が高まります。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の指示に従って入力していくだけで確定申告ができますから、活用するといいでしょう。

個人事業主など事業所得‘(給与以外の収入)がある方は申告ソフトの利用も視野に

事業所得等がある人は、「やよいの白色申告 オンライン」や「やよいの青色申告 オンライン」のような申告ソフトの利用が便利です。簿記の知識がなくても、直感的に取引内容を入力できて、複式簿記の帳簿を作成してくれます。

また銀行明細やクレジットカード明細を自動的に取り込むことで帳簿付けができる機能もあります。あとは、申告ソフトが取引明細から確定申告書類を作成してくれます。

さらに「やよいの白色申告 オンライン」や「やよいの青色申告 オンライン」は、e-Taxにも対応しているので、かんたんにe-Taxで電子申告ができます。特に最大65万円の青色申告特別控除を適用したい方にもおすすめです。「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料で利用できますから、ぜひ試してみてください。

確定申告で1年間に稼いだお金がわかる

確定申告を行うことで、1年間の収入や経費となる金額が明らかになります。1年間でどのくらい稼いで、どのくらい経費がかかるのか、また、どんな控除制度を利用できるのかといったことを改めて考えることができるでしょう。

特に個人事業主の場合、収支や損益を正しく理解することは、経営状況の可視化や活動方針の決定にも役立ちます。確定申告を税理士に任せている方もいるかもしれませんが、ソフトを使えば簡単に手続きできますから、ぜひ挑戦してみてください。

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