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確定申告に源泉徴収票は不要?使い道と「いらない」と言われる理由

監修者 : 田中卓也(田中卓也税理士事務所)

「会社員など、勤務先から給与をもらっている方が所得税の確定申告をするときは源泉徴収票が必要」というのは、長年当たり前のことでした。ですが、税制改正により、2019年4月1日以後に提出する所得税の確定申告書(2019年分から)には、源泉徴収票の添付と提出が不要になりました。同時に源泉徴収票の保存義務もなくなりました。

ここでは、所得税の確定申告と源泉徴収票の関係や、源泉徴収票がない場合の対処法について解説します。

源泉徴収とは?

会社員などの場合、毎月の給料からは、「源泉所得税」や「住民税」「社会保険料(健康保険・年金・雇用保険)」といった、さまざまなお金が天引きされています。源泉徴収とは、この中の「源泉所得税」や「住民税」などを会社があらかじめ差し引いて給与を支払うことで、義務として課せられているので源泉徴収義務といいます。

所得税は、本来、税金を支払う本人が所得税の確定申告をして納めるものです。しかし、会社員については会社が代理で簡易的に所得税の計算や納税をしてくれます。

とはいえ、所得税は1年間の所得に対してかかるものですから、1年が終わるまで金額を確定させることができません。そこで、概算の所得税を源泉徴収しておいて、1年の給与が確定してから引きすぎた所得税を戻したり、足りない分を給与から追加徴収をしたりして、年末調整を行うのです。

つまり、年末調整とは会社が代理で行ってくれる簡易的な確定申告となります。

源泉徴収票に記載されていること

源泉徴収票は、会社などの勤め先と雇用関係を結んで働いている方に交付される書類で、会社が行った年末調整の結果を示すものです。通常は、会社の年末調整の関連作業が終わる12月か1月に源泉徴収票を発行して、従業員に提供されます。しかし、年の途中で会社を退職した場合は、その時点で受け取れます。

源泉徴収票には、会社が1年間に、あるいは1月1日から退職日までの支払った給与の総額や所得税額、社会保険料などが記載されています。これを見ることで、1年間にいくらの給与所得があって、いくら所得税を納めたのかがわかるのです。

確定申告書の作成には源泉徴収票が必要なの?

平成31年度(2019年度)の税制改正によって、2019年4月1日以後に提出する2019年分の確定申告書類からは、源泉徴収票の添付が不要になりました。同時に源泉徴収票の保存義務もなくなりました。

これはたとえば、2019年分の確定申告に所得控除の適用漏れがみつかって2025年に確定申告を提出する場合も同様です。

源泉徴収票が交付されるのは、会社員、アルバイト、パート、派遣など、勤務先から給与をもらって働いている方です。このような方が確定申告をする場合は、確定申告書に源泉徴収票の内容を転記しなければいけません。

つまり、手元に源泉徴収票がないと、確定申告をすることができないのです。したがって、確定申告書類に添付が不要になっただけで、確定申告作成時には引き続き必要ということです。

源泉徴収票は保管しておこう

確定申告書類を作り終わった後も、源泉徴収票は捨てずに保管しておきましょう。
源泉徴収票の保管は義務ではなく、確定申告の際に提出する必要はなくなりましたが、住宅ローンを組んだり、オートローンを組んだり、部屋を借りたりする際、所得の証明として源泉徴収票の提出を求められることがあるからです。

源泉徴収票がないときの対処法

源泉徴収票がないと、確定申告書を作ることができません。源泉徴収票が手元にない場合の対処法について、ケース別に解説します。

源泉徴収票を紛失した場合

源泉徴収票は、毎年12月か翌年1月に勤務先から従業員に交付されます。中途退職した人の場合には退職日以後1ヶ月以内に交付する必要があることが法定されています。

このように会社には従業員に源泉徴収票を交付する義務があるため、交付されないことはありません。したがって、「12月あるいは1月の給与明細に紛れていないか」あるいは「退職日後、1ヶ月くらいまでの郵便物やメールに紛れてないか」ということを中心に探してみてください。

それでもどうしても紛失してしまった可能性が高いという場合には、会社に再発行を依頼してください。再発行にかかる時間は会社によって違います。年末調整をした会社員などの従業員が、所得税の還付で申告をする場合、過去5年さかのぼって申告ができます。したがって、還付申告を行うという場合でも源泉徴収票が手許にある、ということがポイントになるのです。

なお、源泉徴収票を交付しなければならないという規定は所得税法226条に明記されているのですが、回数や期間までは明記されていません。つまり、交付の義務はありますが、再発行の義務に応じてくれるかどうかは会社次第ということです。

会社側でもパソコンや給与計算ソフトの破棄・入れ替えなどさまざまな事情があるということを想定しましょう。したがって、源泉徴収票はもらったらコピーしておく、あるいはスキャンニングやバックアップファイルを残しておくなど納税者自身で保全しておく手続きも必要です。

源泉徴収票が交付されていない場合

前述したとおり、会社には従業員に対して、源泉徴収票の発行義務があるため、「もらっていない」ということは原則としてありません。ですから、もし1月を過ぎても前年の源泉徴収票が交付されていないのであれば、発行してくれるよう依頼しましょう。会社に発行を断られたり、先延ばしにされたりしたときは、所得税法226条の規定に基づき発行が義務であることを伝えましょう。

それでももらえないのであれば、最終的には所轄の税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」という届を出すことになります。この届出をすると、勤務先の税務署からの指導が入ります。

PDFの源泉徴収票しかない場合

ペーパーレス化が進む中で、給与明細や源泉徴収票をPDFで発行する企業も増えています。
以前は、PDFの源泉徴収票は確定申告に使えませんでしたが、現在は源泉徴収票の記載事項がわかれば原本が必要ないため、PDFの源泉徴収票でも問題ありません。記載内容を確認して、それをもとに所得税の確定申告を行いましょう。

なお、「PDFを添付したメールが見つからない」といったことを避けるために、必ずPDFのバックアップファイルを残すことをおすすめします。

会社が倒産している場合

会社が倒産した場合、源泉徴収票の発行をしてもらえないことがあります。倒産時に発行してもらえていれば問題ありませんが、そうでない場合、どこに連絡すればいいかもわからないという事態に陥りかねません。

このような場合も、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出します。給与明細が残っていれば、添付して提出してください。暫定的な措置として給与明細をもとに確定申告を受け付けてもらえる場合があります。

一方、申告内容と相違する事実が露見すると修正申告をもとめられることもあります。

同じ年の源泉徴収票が複数枚ある場合は?

確定申告は、1年間の所得を確定させるためのものですから、必要になる源泉徴収票は、申告する年のものだけです。源泉徴収票の上部に「令和◯年分」という記載があるので、該当の年の源泉徴収票を用意しましょう。

ただし、源泉徴収票は、その年に給与をもらったすべての会社から発行されます。掛け持ちでアルバイトをしている方や、転職をした方などの場合、同じ年の源泉徴収票が複数枚あることもあります。その場合、すべての源泉徴収票の内容を申告しなければいけません。転職をした場合、多くは、次の勤め先に前の勤め先から発行された源泉徴収票を提出して、一緒に年末調整を行ってもらえます。

手書きで確定申告書を作成するのであれば、それぞれの源泉徴収票の数字を合算して該当の欄に書き込みます。

一方、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作る場合は、1枚ずつ入力していけば自動で合算してくれます。数字を書き込む欄の間違いなども防げますから、利用を検討してみてください。

会計ソフトを使えば申告がスムースに

会社員と並行して事業として、副業をしている方や、会社員をやめてフリーランスになった方の確定申告は、給与収入だけの方に比べて複雑になります。源泉徴収票の入力だけでなく、個人事業主として取引の記録を帳簿につけなければいけませんから、その分作業量も増えてしまうでしょう。すべてを手作業で行うには手間がかかりますし、簿記の知識も必要です。

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確定申告のために準備をしておこう

確定申告には、源泉徴収票や各種の控除証明書など、必要になる書類が複数あります。確定申告の必要がある方は、あらかじめ届いた書類などを保管する場所を決めておきましょう。
いざ、確定申告をしようとしたときに慌てないためにも、何が必要なのかを理解した上で準備しておくことが大切です。

photo:PIXTA

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