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確定申告は自分でやるべき? 申告を税理士に依頼するメリット・デメリット

監修者 : 齋藤一生(税理士)

毎年あっという間にやってくる確定申告。ギリギリでバタバタしないように、普段から領収書を整理するなど、備えておきたいものです。

しかし、個人事業主の方のなかには「確定申告を自分でやるか、税理士に任せるか」で悩んでいる人もいるのではないでしょうか。この記事では、税理士に確定申告の作業を依頼した場合に、どんなメリットやデメリットがあるのかを解説します。

お知らせ

令和3年度の税制改正により、年末調整の各種申告書における押印義務が廃止されました。
2021年分の年末調整のやり方は、「知っておきたい基礎知識|年末調整」をぜひ参考にしてみてください!

  • 確定申告を税理士に依頼すると、経営者は本業に専念でき、正しい申告と最大限の節税を行える
  • 税理士に依頼すると費用がかかるほか、自分のタイミングで確定申告が行えないといったデメリットも
  • 依頼する際はトラブルにならないよう、依頼内容と料金については細かい点も確認する

「確定申告を税理士に任せる」って、どこからどこまで?

確定申告を税理士に任せると決めたとしても、一体、どこからどこまでをお願いできるのでしょうか。イメージをつかむために、よくあるパターンを紹介します。

丸投げ:記帳から申告まですべてを依頼

最もわかりやすいのが、記帳から申告までのすべてを税理士にお願いするパターンです。この場合は、毎月、半年ごとであったり、確定申告の時期に1年分の領収書などを全て税理士に渡すケースなどがあります。

毎月の場合は、月々の顧問料を支払うことになりますが、税務や経営の相談費用も含まれることが一般的です。月々の経営の見直しにもつながるでしょう。

1年分まとめての場合は、取引数や領収書の枚数などで価格設定されていることもあるでしょう。そして、毎年依頼している先ではなければ、早めに相談しておく必要があります。いずれにしろ、メリットは依頼側の負担が著しく軽減されることで、デメリットはその分、費用がかかることです。

記帳代行:現金出納帳は自分でつける

すべて依頼するといっても、現金は毎日動きますから、丸投げする場合、やりとりはやや煩雑になります。そこで、現金出納帳は自分でつけて、それ以外の作業を任せる、という方法もあります。税理士には月額で支払う場合と確定申告時期に確定申告代行料をまとめて支払う場合があります。

メリットはほぼ丸投げに近いけれども、動きの多い現金出納帳を自らつけることで、効率的に税務処理が行えるという点です。デメリットは、現金出納帳をつける負担が依頼側に生じることです。

税務相談のみ行う方法もある

毎月、税理士にお願いするだけの費用がない場合は、自分で確定申告を行い、税務相談のみを税理士に行う方法や、確定申告作業の内の決算関連業務のみを依頼するという方法もあります。費用を安く抑えられるというメリットがありますが、税務作業における負担は重くなります。

確定申告を税理士に任せるメリット

確定申告を税理士に任せた場合は、どんなメリットがあるのでしょうか。解説していきます。

メリット1:申告作業の手間が省ける

確定申告を税理士に任せる一番のメリットは、申告作業の手間が省けることです。領収書の整理一つとっても、「普段からこまめにやっておこう」と確定申告が終わるたびに決意するのに、いつの間にか本業に追われてしまい、どうしてもできないことが多いです。

税理士にどこまで頼むかは契約内容にもよりますが、記帳から決算書や確定申告書の作成業務まで、すべて代行してくれる税理士もいます。溜まった領収書の整理から請け負ってくれるところもあるので、ほぼ何もせずに確定申告を終えることも可能です。

経理作業を経営者自ら行うのはもちろん意味のあることです。しかし、経営を伸ばすことは経営者しか担うことのできない役割ですので、本業に専念するために税理士に確定申告作業を依頼するのは、一つの良い手段です。

メリット2:ミスが生じにくい

確定申告における作業は多岐にわたります。経費や収入などに漏れはないか。勘定科目の分類は適切か。計算ミスはないか。確定申告を自分で行う場合は、さまざまな観点からのチェックが必要です。判断に悩む経費があるかもしれません。

税理士に任せてしまえば、正確な確定申告をしてもらえるので、ミスが生じる心配もなく安心です。

正確な確定申告を行うのは、経営者の義務です。意図したものではなくても、ミスの内容次第では、社会的信用にもかかわってきます。正確な申告が行えるのも、税理士に依頼するメリットの一つです。

メリット3:節税効果が高い

税理士に依頼することで正確な申告ができるので、経費の計上漏れや各種控除の適用漏れなどもなく、しっかりと節税できます。つまり、税理士に依頼するということ自体に高い節税効果があるとも言えます。源泉徴収されている報酬がある場合、経費をも漏れなく計上して、正確な申告をすることで、払い過ぎている所得税をしっかりと還付してもらうことができます。

税理士に相談することで初めて「こういったものも事業に使ったならば、経費に計上できるんだ」「こうやれば、正しく申告できて節税につながるのか」と明らかになることがあります。税理士に依頼することで、ミスなく正確な申告書が作成できると同時に、節税効果の高い確定申告が行えます。

確定申告を税理士に任せるデメリット

一方で、確定申告を税理士に任せた場合のデメリットもあります。どんな注意点を踏まえたうえで、依頼すべきなのかを解説します。

デメリット1:費用がかかる

確定申告を税理士に依頼すると、当然、費用が発生します。どれくらいの費用がかかるかは、税理士によっても異なりますし、依頼内容にもよっても大きく変わります。

依頼内容というのは「どこまでの作業をお願いするのか」に加えて、依頼主側の事業規模や売上がどれくらいあるかにも影響します。事業規模が大きく、売上も大きいほど、税務作業の負担は増えます。

おおよその相場でいえば、申告書の作成のみを依頼する場合は、10万前後となることが多いようです。これに毎月の記帳をお願いする場合は、月1万円~3万円程度の報酬を支払う必要があります。毎月の売上を踏まえて、無理なく税理士に依頼できるかどうかを判断してください。

ただ、簡単な内容の事業所得の申告を確定申告時期にまとめて依頼するのであれば、会計記帳から申告書の作成・提出まで含めて10万円くらいで対応してくれることもあるでしょう。

デメリット2:打ち合わせと早めの依頼が必要

自分で確定申告を行うのであれば、打ち合わせの必要はありませんし、提出期限に間に合えば、いつ作業を始めても構いません。しかし、税理士に依頼する場合は、少なくとも初回は打ち合わせが必要です。また、依頼も早めに行わなければなりません。なお、Zoomなどのオンライン面談に応じてくれている税理士も増えてきているので、オンライン面談に対応してくれる税理士に依頼した場合は、移動にかかる時間を減らすことはできるでしょう。

なにしろ、確定申告時期の税理士は多忙です。税理士に依頼する場合、申告時期に急に頼むことは難しいので、注意しましょう。

デメリット3:ビジネスの金銭感覚が身につかない

経営を伸ばすことは、経営者にしかできません。そのため、経営者はできるだけ経営に専念すべきですが、売上を増やすことだけが、経営を伸ばす方法ではありません。金銭感覚を持って、必要に応じてコストを削減することも、売上を伸ばすことと同じくらい重要です。

税理士に依頼することで「何にどれだけの経費がかかるのか」ということが、見えづらくなります。税理士に依頼する場合でも、経営者はきちんと中身を精査して、丸投げにならないようにすることが大切です。

税理士に確定申告を依頼する際の流れ・注意点

税理士に確定申告を依頼する場合は、どのような流れになり、どんなことに注意すべきなのか。ステップごとに説明していきましょう。

ステップ1:税理士を探す

確定申告を代行してもらう税理士を探すことからスタートします。依頼する分野に詳しい税理士を選ぶのがベストです。注意点としては、「所得税申告」や「相続税申告」といった税分野における観点と「飲食業」や「美容関係」など業界における観点の2つから、自分に適した専門家を選ぶことが重要です。

ステップ2:ヒアリングを受ける

依頼したい税理士が決まったら、連絡したうえで、ヒアリングを受けることになります。まずは事務所に来所のうえで、無料相談を行うことが多いですが、初回から有料相談の場合もあるので注意してください。

ヒアリングでは、確定申告を依頼したい旨を伝えたうえで、どこまでを自分でやって、どこからの作業をお願いしたいのかを相談します。大きく分けて「領収書の整理は自分でやって、確定申告時に決算書と申告書の作成をお願いしたい」という場合と、「領収書の整理と記帳から毎月お願いしたい」という場合があるかと思います。決めかねている場合は、そのことも伝えておくと、アドバイスをもらえるでしょう。

もし、「記帳まで自分でやって、税理士に内容を確認してもらう」といった依頼内容の場合は、会計ソフトを用いた方が、自分はもちろん、税理士側も手間が省けます。記帳に必要な道具や会計ソフトを事前に集めておきましょう。

ステップ3:見積もり

依頼内容が明らかになれば、見積もりを出してもらいます。なかには「領収書の数や仕訳の数によって料金が変わる」とあとから伝えてきたり、請求書が来て初めて費用がわかるケースもあったりします。見積もりの段階で、依頼内容の範囲であれば、これ以上かかる可能性はないのか、あるとすればどんな場合か、きちんと確認することが大切です。

ステップ4:契約書の締結

見積もりの内容に納得できたら、契約書を取り交わします。契約書がなければ、あとからトラブルになりかねないので、できる限り契約書を交わしましょう。記載事項はすべて目を通したうえで、サインするようにしてください。

ただし、年に一回の確定申告代行の場合ですと契約書を締結していない税理士事務所が多いので、こういった場合は依頼内容と報酬額に関してメールで送ってもらうなりして、証拠を残しておくと良いでしょう。

自分なりの確定申告スタイルを

確定申告を税理士に依頼することで、事業に専念できるうえに、ミスがなく、かつ、節税効果の高い申告をすることができます。その一方で、税理士に依頼すると、費用が発生するのはもちろん、自分のペースで確定申告を行うことには限界があるほか、コスト感覚を失うというリスクもあります。

メリットとデメリットを踏まえて、税理士の力をうまく借りる方法はないか、部分的な業務だけを依頼する方法も含めて、検討してみてください。もし、自力でやるのか、税理士に頼むのか、または一部を税理士に頼むかで迷っている場合は、税理士にまず相談してみることをお勧めします。一緒に考えたうえで、適切なアドバイスをくれるはずです。

初めての確定申告だけは税理士に依頼して節税策などを教えてもらって、2回目の申告からは自分で行うのも良い方法です。税理士が作成した過去の確定申告書を参考にしながら作成できますし、教えてもらった節税策も実行できます。

どの方法で確定申告を行うにせよ、やってみて初めて気づくことがどうしても出てきます。必要に応じて専門家の力も借りながら、自分なりの確定申告のスタイルをつくっていきましょう。

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photo:Getty Images

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