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小規模事業者が「サブスク」を提供するメリットは?マンガでわかるスモールビジネス用語

2022.05.25

著者:斎藤充博

スモールビジネスを営んでいると、耳慣れない専門用語が現れるもの。そんな言葉を解説するマンガ連載です。ただし解説してくれるのは……。神出鬼没の謎のヒーロー?!

第10回は「サブスク」です。サブスクとは「一定期間の使用料を受け取ることで、商品やサービスを使ってもらう」というビジネスモデルのこと。映画やドラマなどの動画や音楽配信など、ここ数年で急速に広がってきました。ほかにも服やバッグなどのファッション小物の利用、飲食などさまざまな分野で広がっています。便利なサービスではありますが、サブスクを提供している事業者側はどんなメリットがあるのでしょうか。


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サブスクとは

サブスクここ数年で急速に普及し始めています。音楽や映画のサブスクを使っている人も多いのではないでしょうか。

サブスクとは「サブスクリプションモデル」の略です。「一定期間の使用料を受け取ることで、商品やサービスを使ってもらう」というビジネスモデルです。消費者にとっては便利ですが、事業者側にも大きなメリットがあります。マンガでも説明していますが、もう少し詳しく上げさせてください。また、もちろんデメリットもあります。

事業者側のメリット

定期的にキャッシュが入る

サブスクは継続して利用してもらうことが前提のサービスです。このために事業者側には一定期間が経過することに利用料が入ることになります。定期的なキャッシュが入ることにより、経営の見通しが立ちやすくなり、資金繰りがしやすくなります。

プロダクト販売モデルに比べて価格を安く見せることができる

利用期間に応じて売上があがるサブスクリプションでは、サービスや商品を利用するための料金を安く見せることができます。顧客の利用期間が長ければ結果的にプロダクト販売モデル以上の売上を得ることも可能です。

新規顧客を取り込みやすい

新規顧客はサービスを安い料金で試すことができます。導入に迷ったら実際に使ってみればいいので、デモや体験版などを別途作成する必要もありません。

顧客のデータを把握しやすい

サブスクリプションモデルでは実際にサービスを利用している顧客(アクティブユーザー)の数や利用データを把握することができます。契約したサービスが頻繁に使われていれば、サービスの需要が高いと判断できます。これを利用し、在庫管理やアップセルの戦略はもちろん、自社で展開している他のサービスの改善にも役立てることができます。

事業者側のデメリット

先行投資が必要

顧客が利用する商材やサービスは、事業者があらかじめ用意しなくてはいけません。これは先行投資になります。サービスが開始しても、開始直後は顧客の数は少ないことが多く、すぐに利益を出すことは難しいでしょう。また、サブスクリプションの料金はプロダクト販売モデルに比べて安価です。この点も利益を出すまでの期間が長くなる原因です。

顧客が離れないためのコストが必要

顧客に契約を続けてもらうための施策やノウハウは常に必要になってきます。顧客ニーズや市場も常に変化していくために、この工夫はサブスクを提供する限り、ずっと続くことになります。顧客に飽きられないように新規の商材やサービスを継続して投入したり、見直していく必要もあります。

こうして見ていくと、サブスクの特徴は一つのサービスを良くも悪くも「継続」して提供しつづけることにありそうです。あえて乱暴に言ってしまうと、一発ドンと当てようとするならプロダクト販売モデル、最初は赤字にも耐えつつ長期的に大きく稼ぎたいのならサブスクリプションモデルが当てはまるのかもしれません。

ただ、何らかの商売をする以上「継続する」ということは常につきまとってきます。ほら、「商い」のコツは「飽きない」って言うじゃないですか。商売って、一発儲けたとしても、それだけではなかなか終われないもの。消費者の間で流行しているサブスクですが、事業側の必然も感じられます。

この記事の著者

斎藤充博

1982年生まれ。ノンバンク金融の営業を退職した後に、指圧師、マンガ家、ライターなどの仕事をしていまに至っています。著書に『いやしのツボ手帳』(永岡書店)、『ツボストレッチ』(日本文芸社)などあり。

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