ネットで補助金申請できる「jGrants(Jグランツ)」とは?申し込み方法を解説!

政府が国の政策目的に合った事業をサポートしてくれるのが、補助金制度です。すべての事業者にとって補助金はうれしい制度のはずですが、「手続きが難しそう……」という印象から、「存在は知っているが、実際に検討したことがない」という中小企業や個人事業主も少なくないでしょう。
しかし、「jGrants(Jグランツ)」を使えば、ネットで簡単に補助金の申請ができます。2021年度最大とも言われ、中小企業なら最大補助額6,000万円の補助金制度「事業再構築補助金」の申請は、電子申請なので必須となります。まずは、「jGrants(Jグランツ)」とその使い方について解説します。
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目次
- 経済産業省が運営する、補助金申請システム「jGrants(Jグランツ)」を用いれば、ネットでいつでもどこでも簡単に補助金の申請が行える。
- 日本政府公式サイト「jGrants」があり、補助金の検索や、補助金の申請に必要な「GビズID」の申し込みなどができる。
- 電子申請に必要なGビズIDの取得が必要
ネットで補助金申請できる「jGrants(Jグランツ)」とは?
「jGrants(Jグランツ)」とは、経済産業省が運営する、補助金申請システムのことです。jGrantsを用いれば、窓口に書類を持参することも、書類を郵送することもなく、インターネット経由で24時間365日、自宅でも職場でも簡単に、国や自治体の補助金の申請を行うことができます。
2019年度補正予算においては、jGrantsの利用対象となる補助金は7つでしたが、2020年度補正予算においては大幅に拡大して、20の補助金が対象となりました。そして、2021年最大とも言われ、中小企業なら最大補助額6,000万円の補助金制度である「事業再構築補助金」の申請は、電子申請なので必須となります。
さらに、2021年度当初予算において、経済産業省の補助金では100以上の補助金でjGrantsを活用すべく導入準備を進めています。今後は、経済産業省以外の補助金でも拡大される予定ですので、ますますjGrantsの利用が定着していくことでしょう。
「jGrants(Jグランツ)」の3つのステップ

「jGrants」を用いて補助金を電子申請するには大まかに下記3つのステップを踏みます。
1.申請
申請したい補助金を探して、「Gビズ」にログインします。(「Gビズ」については後ほど説明しますが、ID 取得に2〜3週間ほどかかるのでご注意ください。)公募内容に示されている必要事項を入力して、申請を行います。
2.事業実施
実際に事業を実行します。もし、事業がスタートしてから事業計画を変更した場合は、手続きが必要となります。
3.補助金の受け取り
事業期間が終了したら、実績報告を行います。メールで補助金の金額が伝えられますので、請求を行います。
次に実際の申し込み手順について詳しく説明していきましょう。
jGrantsで補助金を申請する手順
jGrantsで補助金を申請する手順について見ていきます。
1.補助金を検索
まず、申請したい補助金を「補助金を探す」から検索しましょう。キーワード検索が可能なほか、「業種」「従業員数」「対象地域」といった条件を指定して検索することもできます。

また「新たな事業を行いたい」「販路拡大・海外展開をしたい」「イベント・事業運営支援がほしい」「事業を引き継ぎたい」「研究開発・実証事業を行いたい」という5つの利用目的から選択して(複数選択も可)、検索することも可能です。
2.GビズIDの取得/ログイン

補助金の申請にあたっては「GビズID」を取得が必要です。GビズIDとは、1つのIDとパスワードでさまざまな行政サービスにログインができる、経済産業省が運営するサービスです。GビズIDによって、申請事業者の基本情報が自動入力されるなど、何度も同じ入力をすることがなくなるため、入力負担が軽減されます。
GビズIDの申請はウェブ上で可能ですが、法人の場合は法人番号を、個人事業主の場合は屋号の入力が必須となります。準備しておきましょう。そのほか「所在地」「代表者名」「代表者生年月日」「メールアドレス」を入力していきます。
申請してから、ID取得までは2〜3週間ほどかかります。「補助金の〆切までに間に合わない!」なんてことのないように、早めに申請書を提出しておきましょう。今後も電子申請は広がっていくので今のうちにGビズIDを取得しておくことをおすすめします。
3.公募の内容を入力して申請
GビズIDが取得できたら、補助金ごとのページからログインして、必要事項を入力し申請しましょう。審査結果はメールで送られてきます。
4.交付の内容を入力して申請
審査の結果、採択が決定したならば、ほっと一安心です。「マイページ」から対象の補助金を選択し、必要事項を入力して申請を行います。
事業実施〜補助金受け取りまでの流れ
メールで交付決定の連絡を受け取ったら、実際に事業を開始しましょう。補助金には利用目的が決められていますので、事業計画が変更した場合は、必ず手続きを行うこと。
無事に事業の期間が終了したら、マイページから実績の報告を行います。報告書を受けて、補助金の額が決定したら、メールで通知されるので、確認しましょう。
あとは、マイページから精算払請求を行い、補助金を受け取るという流れになります。
具体的にどのような補助金があるのか?
以上のように、ウェブ上でリアルタイムに、申請状況や処理状況が把握できて、迅速に手続きできるのが、jGrantsの大きなメリットの1つだといえるでしょう。
今はまだ具体的に決まっていなくても、ぜひ一度、どんな補助金があるかサイトから検索してみてください。一口に「補助金」といっても、対象地域が違えば対象業界も違い、実に多種多様です。
例えば、今のコロナウイルス感染症拡大を受けて「令和2年度はじめてテレワーク」という補助金が公募されていました(2021年3月31日で募集終了)。この補助金は、テレワーク導入に向けたコンサルティングを受けた中堅・中小企業などを対象として、テレワークをトライアルするための環境構築経費や制度整備費を補助するというものです。今の時代ならではの補助金ですよね
そのほかにも、中小企業や小規模事業者が取り組む革新的サービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資などを支援する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」もあれば、デジタル技術の導入に要する経費の一部を支援する「中小企業等スマートワーク促進補助金」のような補助金もあります。
どんな補助金も応募時期は限られており、タイミングが重要となります。今はそこまで必要に駆られていないとしても、定期的にチェックするようにしましょう。
まとめ
ネットで補助金申請できるjGrantsについて、その利用方法を解説しました。電子申請ならば、かなり手軽に補助金の申請が可能だということが、おわかりいただけたかと思います。
もし、補助金を検索して、ちょうどこれから行う予定だった事業を対象としたものが、見つかればグッドタイミングです。条件を確認したうえで、申請を検討してみてください。
「今は特に補助金を使うような事業は考えていないなあ……」
そんな人でも、補助金を検索してみると、想像以上に、いろんなタイプの補助金があることに驚くとともに「補助金が出るなら、やってみてもいいかも」と思えるような事業にも出会えるかもしれません。
政府が今、どんな事業に補助金を出しているかを知ることは、国がどういう方向に向かおうとしているかを知ることでもあります。
各補助金の公募準備ができ次第、「補助金一覧」に補助金名が掲載されますので、ウェブサイトを定期的に確認するようにしましょう。
・「jGrants」ホームページ(経済産業省)
photo:Getty Images