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ホーム 確定申告 2020年分の確定申告書Bの書き方徹底解説!

2020年分の確定申告書Bの書き方徹底解説!

監修者 : 齋藤一生(税理士)

所得税の確定申告において、自営業者やフリーランスといった個人事業主が使用する「確定申告書B」。今回初めて挑戦する人もいれば、「昨年やったはずなのに忘れた……」という人もいることでしょう。この記事では、確定申告書Bの書き方を徹底解説していきたいと思います。

確定申告書Bとは?

確定申告書B

所得税の確定申告書は「A」と「B」の2種類があります。申告する内容によって、そのどちらかを使用するかが決まります。

確定申告書Aは、所得が「給与所得」「雑所得」「配当所得」「一時所得」のいずれかのみの場合に用いる申告書です。それ以外の所得がある場合には、確定申告書Bを用いて、確定申告を行います。

一方、確定申告書Bは誰でも使用することができます。一般的には個人事業主やフリーランスの人や不動産収入がある人が、確定申告書Bで申告を行います。ですが、誰でも使用できるので所得が「給与所得」「雑所得」「配当所得」「一時所得」の人が、確定申告書Bを使って確定申告をしても問題ありません。

確定申告書Bは、わざわざ税務署に足を運ばずとも、国税庁のウェブサイトからダウンロードして印刷できます。自宅にプリンタがあれば、すぐに確定申告の作業に入っていくことができます。

また、「やよいの青色申告 オンライン」などの申告ソフトを使用していれば、ソフトで作成して、出力することもできます。

税務署でも入手できますが、コロナウイルス感染症拡大のリスクを考えると、できるだけ訪問は控えたほうがよいでしょう。

確定申告書B第一表の書き方

確定申告書B第一表

所得税の確定申告書Bには「第一表」と「第二表」があります。まず第一表から解説します。

住所や氏名など

住所や氏名など

まずは「住所」「氏名」「フリガナ」「性別」「生年月日」「電話番号」「職業」などを記入しましょう。

マイナンバー(個人番号)の記入も忘れずに。マイナンバーについては窓口に提出する場合、本人確認書類を提示しなければなりません。郵送の場合は、本人確認書類のコピーを添付します。

「種類」のところは、あてはまる項目に〇をつけます。それぞれの意味は下記通りです。

青色:青色申告の場合
分離:特定の所得を他の所得と分けて計算する場合
国出:「国外転出時課税制度」が適用される場合
損失:損失申告を行う場合
修正:確定申告を修正して再提出する場合

収入金額等

収入金額等

次に「収入金額等」の欄に収入を記載していきます。自営業者やフリーランスなどの個人事業主は、事業所得での収入がスタンダードかと思います。その場合は、「営業等(ア)」に記入します。

不動産の収入がある場合は「不動産(ウ)」、利子が入ってきた場合は「利子(エ)」に記載。ちなみに、国内の銀行の利子は既に源泉徴収されて税金が徴収されているため、確定申告書に記載する必要はありません。

もし、従業員としての給与を受け取っている場合は「給与(カ)」に記入しましょう。

所得金額等

所得金額等

「所得金額等」の欄には、「収入金額等」に記入した金額から必要経費を引いた金額を記載します。青色申告ならば「青色申告決算書」の所得金額を、白色申告ならば「収支内訳書」上の所得金額をこの欄に記載することになります。青色申告を行う場合は、青色申告特別控除額も差し引いた額を記入しましょう。

所得から差し引かれる金額

所得から差し引かれる金額

「所得から差し引かれる金額」欄では、所得から控除される額を記入します。

社会保険料控除や生命保険料控除、地震保険料、医療費控除などがある場合は、各控除証明書等をもとに金額を記入していきます。控除証明書は、確定申告時に添付書類として提出しなければなりません。紛失しないように気をつけましょう。なお、電子申告する場合は、これらの書類の情報を入力して送信することにより、提出を省略できます。

配偶者控除についても、該当する場合は記載してください。

また、基礎控除の記入漏れに注意しましょう。2019年分までの申告では、基礎控除は所得金額にかかわらず誰でも受けられたため、あらかじめ38万円が印刷されていました。

しかし2020年分より、合計所得金額が2,400万円以下の場合は、48万円分の基礎控除を受けられることに変更されたので、印字がありません。(合計所得金額が2,400万円を超えると階的に控除額が減り、2,500万円超で基礎控除は0円になります。)記入漏れがないように、まずは基礎控除から記入していくとよいでしょう。

税金の計算

税金の計算

「税金の計算」の欄では、税金の計算をして金額を入力していきます。計算ミスのないように、一つずつよく確認して落ち着いてやりましょう。

まず、「所得金額等」の欄の「合計(12)」から「所得から差し引かれる金額」欄の「合計(29)」を引き算したものが、「税金の計算」欄の「課税される所得金額(30)」となります。それに対する税の額を「上の(30)に対する税額(31)」に記載します。税額については国税庁の「所得税の税率」で確認ができます。

所得税額の計算方法

住宅ローンなどを利用して、マイホームの新築や増築などをした場合は、住宅ローンの特別控除が該当しないかどうかを確認し、必要に応じて控除額を記入します。災害減免額などがある場合も記載していきましょう。

上記を記入して「再差引所得税額(基準所得税額)」(43)が出れば、それをもとに「復興特別所得税額(44)」を算出します。

復興特別所得税額(44)=再差引所得税額(43)×2.1%

さらに「再差引所得税額(43)」を足して、「所得税及び復興特別所得税の額(45)」を出しましょう。

所得税及び復興特別所得税の額(45)=再差引所得税額(43)+復興特別所得税額(44)

ここまできたら、「所得税及び復興特別所得税の額(45)」から「源泉徴収税額(48)」などを差し引くだけで、「申告納税額(49)」を出すことができます。予定納税額がある場合は、引き忘れないように注意しましょう。

用語が難解なために、行われている計算までもが難しく思えるかもしれませんが、単純な足し算と引き算です。一つずつやっていけば、きちんと算出されます。

その他・延納の届出

その他・延納の届出

「その他」の欄は、配偶者の所得があれば「配偶者の合計所得金額(54)」を、専従者がいれば「専従者給与(控除)額の合計額(55)」を記入します。該当箇所がないかを確認しましょう。

また、青色申告の場合は「青色申告特別控除額(56)」を忘れないこと。さらに、青色申告をしている個人事業主の場合、その年に生じた損失を翌年以後3年間繰り越して、翌年以後に発生した所得額と相殺も可能な場合があります。差し引いた損失の額がある場合には「本年分で差し引く繰越損失額(59)」に記載していきます。

どうしても期限までに納税が難しい……。そんな場合は、「延納の届出」にその旨を記入するようにしましょう。

還付される税金の受取場所

還付される税金の受取場所

所得税の還付が発生した場合には、還付金が振り込まれます。振込先の口座情報を正確に記載します。

確定申告書B第二表の書き方

確定申告書B第二表

確定申告書Bの第一表が記入できたら、第二表に移っていきましょう。

住所・屋号・氏名

住所・屋号・氏名

「住所・屋号・氏名」では、第一表と同じ住所・氏名を記載します。屋号については、開業届を提出する際に記入したものになりますが、必須ではありません。屋号を決めていなければ、記入しなくて問題ありません。

所得の内訳

所得の内訳

「所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」では、源泉徴収票や支払調書を参考にして、取引先ごとに「収入金額」と「源泉徴収税額」を記載します。

「種目」の欄には「営業等」や「給与」など、所得の種類を記載してください。「給与などの支払者の名称・所在地等」についても、源泉徴収票に従って記載しましょう。

ちなみに、源泉徴収額とは、取引先ごとに納税済みの所得税額のことです。確定申告では、経費等を算出して、実際に納めるべき所得税額を算出します。その結果、もし、源泉徴収されている額が多すぎる場合は、還付金として戻ってくることになります。

総合課税の譲渡所得、一時所得に関する事項。特例適用条文等

総合課税の譲渡所得、一時所得に関する事項。特例適用条文等

もし、懸賞・福引など業務以外の賞金を得ていたりするときは「雑所得、総合課税の配当所得・譲渡所得、一時所得に関する事項」に記載します。生命保険の一時金などの一時所得がある場合も、記載する必要があります。抜けがないようにしましょう。

また、ローン控除を適用している方は、「特例適用条文等」に、居住開始年月日等を記載します。

保険料控除等に関する事項関する事項

保険料控除等に関する事項関する事項

「保険料控除等に関する事項」では、各控除証明書を参考にして、生命保険料や社会保険料などで支払った金額を記入します。第一表では控除金額を記入しますが、第二表では支払った金額を記入します。間違いがないように、今一度、第一表の数字とともに確認しましょう。

本人に関する事項

本人に関する事項

「本人に関する事項」では、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、障害者控除を受ける場合、該当する欄に◯をつけます。

雑損控除に関する事項

雑損控除に関する事項

「雑損控除に関する事項」では、雑損控除を受ける場合、損害の原因や年月日、金額などの詳細を記入します。

寄附金控除に関する事項

寄附金控除に関する事項

「寄附金控除に関する事項」の欄は、寄附金控除を受ける場合、寄附先の名称と寄附金額を記入します。

配偶者や親族に関する事項

配偶者や親族に関する事項

事業専従者に関する事項

事業専従者に関する事項

青色申告者の場合は、家族を事業専従者として雇っている場合もあるでしょう。給料を支払っている場合「事業専従者に関する事項」に、対象者について記載する必要があります。対象者の氏名や生年月日、続柄、仕事内容、専従者給与額などを記載しましょう。

住民税・事業税に関する事項

住民税・事業税に関する事項

「住民税・事業税に関する事項」では、該当するかどうかいくつかの確認が必要です。

非上場株式の少額配当等がある場合は「配当に係る住民税の特例」に、海外勤務などで出国し非居住者となった場合は「非居住者の特例」に該当する可能性があります。確認しましょう。

また、上場株式による配当所得を申告する場合は「特別徴収された住民税額」に、源泉徴収口座での上場株式などによる譲渡所得を申告する場合は「株式等譲渡所得割額控除額」に、特別徴収された住民税額を記載してください。

上記については、それほど多くの人が該当しないと思われますが、「住民税の徴収方法の選択」は注意が必要です。給与や公的年金以外か課税される住民税について、給与からの徴収を希望する場合には「特別徴収」に、納付書や口座引き落としなど自分での納付を希望する場合には、「自分で納付」(普通徴収)に〇をつけましょう。

補足になりますが、会社に勤務をして、給与所得をもらいながら、副業として事業所得もある場合、住民税を「給与からの天引き」としてしまうと、勤務先でその部分の住民税が天引きされます。「勤務先に副業を知られたくないから、自分で住民税を納めたい」という場合は、「自分で納付」を選択することを忘れないようにしましょう。

また、年金などの非課税所得・不動産所得などがある場合や「ふるさと納税」など、都道府県や市区町村などに対象となる寄附をした場合も、該当欄に記載しましょう。

確定申告書Bと一緒に提出すべき書類

確定申告書Bが完成したら、下記の書類とともに提出します。確認していきましょう。

青色申告決算書(収支内訳書)

個人事業主の場合は、所得税の確定申告書とともに青色申告決算書(白色申告の場合は、収支内訳書)を提出します。確定申告書と同様に、税務署で受け取れるほか、国税庁のウェブサイトからダウンロードすることもできます。

もちろん、「やよいの青色申告 オンライン」などの申告ソフトを使用していれば、ソフトで確定申告書だけでなく、青色申告決算書も出力することができます。

青色申告決算書は、収入や経費を記載する「損益計算書」(1枚目)と「損益計算書の内訳」(2、3枚目)、そして、資産や負債の状況を記載する「貸借対照表」(4枚目)と合計4枚セットになっています。

青色申告決算書の記載方法については「青色申告決算書って? 書き方・対象者・提出の期限などについて解説!」をご参照ください。

各種控除関係の書類

所得税の確定申告書を作成する際に、社会保険料控除や生命保険料控除といった控除額を記載しました。控除を受けるには、控除の証明書を添付する必要があります。抜けがないかあらためて確認したうえで、確定申告書とともに提出しましょう。

添付の必要のないもの

確定申告書に添付するべき資料は「青色申告決算書」と「各種控除関係の書類」の2種類ということになります。つまり、それ以外は添付する必要がありません。

源泉徴収票については、給与や退職金、年金の支給があった場合に添付が必要でしたが、2019年4月1日以降に提出する分から、不要となりました。

また、支払調書についても不要です。そもそも、支払調書は、報酬を支払う側の事業者から税務署への提出は義務づけられていますが、報酬を受け取る側へ発送する義務はありません。ですので当然、受け取る側が税務署に調書を提出する義務もありません。

その他、領収書、納品書、請求書、銀行通帳、作成した帳簿類なども添付する必要はありません。しっかりと手元に保管しておきましょう。

e-Taxで提出する方法とe-Taxで添付省略できるもの

添付書類について、e-Taxで確定申告する場合はどうするのでしょうか。

まず、青色申告決算書は確定申告書とともにデータを送信するかたちで、提出します。そして、生命保険料控除の証明書などの第三者作成書類については、記載内容を入力することで、提示や送付は省略できます。

ただし、入力内容を確認するために、原則として法定申告期限から5年間は、提示もしくは提出を求められることがあります。保管して管理するようにしましょう。

まとめ

主に自営業者やフリーランスといった個人事業主が使用する「確定申告書B」について、記入方法から添付書類までを解説しました。一見、複雑そうにみえますが、やってみると意外と簡単だと感じる人が多いのではないかと思います。

所得税の確定申告は、自分がどれだけ収入を得て、そのためにどれだけの経費を使い、どれだけの利益が出たのかを知る、1年の総決算ともいえる作業です。また、控除額を計算するなかで、あらためて将来設計について考える機会にもなるかもしれません。

2020年(令和2年)分の所得税確定申告書の提出期間は、2021年(令和3年)2月16日(火)~2021年(令和3年)4月15日(木)です。税制への理解も深めながら、正確な確定申告を今回も行いましょう。

photo:Getty Images

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