e-Taxのパスワードどれ?マイナンバーカード有効期限切れ?e-Taxトラブルと解決方法

e-Taxは必要なものさえ用意すれば誰でもできます。(※準備するものは「さぁ!おうちからe-Taxで確定申告!……え?マイナンバーカードが必要ってどういうこと?」をご確認ください。)
しかし、初めて実施するときには思いがけないトラブルで行き詰ってしまうことがあるかもしれません。
個人事業主の場合、確定申告は毎年必ず行うものですから、ぜひすっきり問題解決し、スムーズな確定申告に繋げましょう。この記事では、e-Taxのトラブルと解決方法をご説明します。
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目次
- POINT
-
- マイナンバーカードのパスワードは4つある
- マイナンバーカードの有効期限と電子証明書の有効期限は同一とは限らない
- e-Taxに必要なICカードリーダが自分のPCに対応しているか確認する
パスワードどこ?どれ?電子証明書の更新って?マイナンバーカードに関するトラブル
まずはe-Tax(電子申告)で利用する「マイナンバーカード」に関するトラブルについて見ていきましょう。なお、まだマイナンバーカードを用意していない方は、マイナンバーカードの作り方を解説!パソコンやスマホから簡単申請を参考に手続きをしてください。
パスワードを忘れた場合、どうすればいいの?
マイナンバーカードを利用する際には、パスワードを求められます。もしマイナンバーカードのパスワードを忘れてしまった場合には、再発行ではなく、再設定が必要です。
再設定は、マイナンバーカードを持って自身の住民票がある市区町村の窓口に出向き、再設定の手続きをしなければなりません。「パスワードの変更」についてはWEBでも可能ですが、再設定はWEBではできません。
いっぱいあってどのパスワードを使えばいいのかわからない
マイナンバーカードで使用するパスワード(暗証番号)は、全部で4種類あります。マイナンバーカード発行の際にご自身で設定するものです。発行と共に控えを渡されるはずなので、確認してみましょう。
下記にて詳しくご説明しますが、利用するパスワードは「署名用パスワード」、「利用者証明用パスワード」、「券面事項入力補助用パスワード」の3種類です。
パスワードを複数回誤って入力してしまうと、操作が不可能になる「ロック」状態になります。複数のパスワードを使用しますが、それぞれロックされる可能性があります。
それぞれのロックを解除するには、パスワードの初期化申請が必要となります。
なお、どのパスワードであっても、初期化するには市区町村の役所の窓口に行く必要があります。WEBでは解決できません。
パスワードの種類 | 入力文字数等 | 使用方法 | ロック画面 | ロック解除方法 |
---|---|---|---|---|
署名用パスワード | 英数字6~16文字で設定 | 申告等データに電子署名を行う際に使用 | 5回連続で間違えるとロックされる | 市区町村窓口にてパスワード初期化を申請 |
利用者証明用パスワード | 数字4桁で設定 | e-Taxにログインする際に使用 | 3回連続で間違えるとロックされる | |
券面事項入力補助用パスワード | 数字4桁で設定 | マイナンバーカード方式の利用開始時において、4情報(氏名・住所・生年月日・性別)を読み取る際に使用 | 3回連続で間違えるとロックされる | |
個人番号カード用(住民基本台帳用)パスワード | 数字4桁で設定 | 市役所の手続きなどに利用。※2020年12月現在のところ、e-Taxで使用するケースはありません。 | 3回連続で間違えるとロックされる |
マイナンバーカード方式の操作方法や、各種パスワードの使用する順番については、国税庁のマイナンバーカード方式の操作方法を参考にしましょう。
電子証明書ってなに? どこで取得できるの?
「電子証明書」とは、オンライン上での印鑑証明書のようなものです。電子証明書の機能を持たせたカードとパスワードで管理します。
「電子証明書」は認証局と呼ばれる機関で取得できます。認証局は、官公庁だけでなく民間にもあります。
e-Taxで必要な電子証明書は、「利用者証明用の電子証明書」と「署名用の電子証明書」の2種類。これらは両方とも基本的にマイナンバーカードに格納されます。マイナンバーカードを作成しておけば、入手するためにほかに手続きをする必要はありません。
電子証明書が失効? どうすればいい?
電子証明書には有効期限があり、それを過ぎると証明書としての機能を失ってしまいます。また、氏名の変更、住所の変更など券面の内容に変更があった場合も同じです。
たとえば、e-Taxにおいてマイナンバーカードを利用し、「添付された電子証明書は、発行された認証局において失効とされています。(HUBH016E)」というエラーが表示された場合には、住所のある市町村の役所で更新手続きが必要です。有効期限まで3ヶ月を切った日から更新の手続きが可能です。期限内に更新の手続きしておきましょう。
なお、マイナンバーカード・電子証明書の有効期限が切れる3ヶ月前には、行政から「有効期限通知書」が発送されます。この通知が届いたら、速やかに手続きをしましょう。
また、マイナンバーカード自体の有効期限は、20歳未満の人は発行日から5回目の誕生日、20歳以上の人は発行日から10回目の誕生日となっています。一方で、マイナンバーカードに含まれる電子証明書の有効期限は、発行日から5回目の誕生日です。
そのため、「マイナンバーカード内の電子証明書の有効期限のみが切れる」といった場合もありますので、ご注意ください。
Mac対応ってどれ? どのICカードリーダなら使える?
ICカードリーダはマイナンバーカードを読み取るために必要な機器ですが、ご自身のPCに対応する機種を使用する必要があります。次のポイントに注意しましょう。
- 「マイナンバーカード対応」、あるいは「e-Taxに使える」といった表記があるか
- 自分のPCに対応しているか(Windows/Mac)
マイナンバーカードを読み取る機器には「ICカードリーダ」と「ICカードリーダライタ」がありますが、e-Taxに必要なのは読み取り機能(リーダ)なので、どちらでも問題ありません。
マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタかどうかは、下記で確認ができます。
なお、スマートフォンの機種によってはICカードリーダとして利用することもできます。後ほど「スマートフォンをICカードリーダとして利用したい」の項目で詳しくご説明します。
それ以外では、次のようなポイントも気にしてみましょう。
・接触型か、非接触型か
接触型には、カードの差し込み口があります。ICチップを読み取る形式です。マイナンバーカードにはICチップがあり、機能としても問題ありません。
非接触型には、カードの差し込み口はなく、カードをかざすだけで情報の読み取りが可能なものです。マイナンバーカード以外に交通系ICカード、電子マネーカードが使えるので、チャージや履歴確認なども行えます。
・Bluetooth対応かどうか
USBポートがあるPCであれば、USB接続のものを選びましょう。USBポートがない薄型PCを使っている人や無線で利用したい人は、Bluetooth対応の機種などもよいでしょう。ご自身のPCがBluetooth対応かどうかを確認しましょう
スマートフォンをICカードリーダとして利用したい
マイナンバーカードの読み取りが可能なAndroid端末であれば、ICカードリーダを使うことなくマイナンバーカード方式でのe-Taxが可能です。Bluetooth対応のPC(Windows)の場合はお試しください。
利用の際は、Android端末とWindowsPCの両方に「利用者クライアントソフト」をインストールします。
詳しくは国税庁の「スマートフォンをICカードリーダライタとして利用するためにはどうすればよいのですか」をご確認ください。
デバイスがiPhone/Macの場合は2020年12月現在、対応していません。
スマホ種類(※) | マイナンバーカードの読み取り | スマホから対象になる確定申告 | PCのICカードリーダーライタとして使用する |
---|---|---|---|
Andoroid | 〇 | 〇 | 〇 |
iPhone | 〇 | 〇 | × |
※マイナンバーカードに対応したNFCスマートフォン一覧を参照ください。
2021年1月4日 国税庁から告知が公開されました。
Apple M1チップを搭載したMacでは、ICカードリーダライタの種類によってはマイナンバーカード等の電子証明書による電子署名等が正常に動作しないことが確認されています。
ICカードリーダライタがM1チップ搭載型の端末に対応していない場合には、「ID・パスワード方式でのe-Tax提出」をご検討ください。
まとめ
マイナンバーカード、ICカードリーダを準備してe-Taxに臨みましょう。なお、入力する上で発生したエラーについては、国税庁の「トラブルシューティング」を確認してください。
e-Taxは、自宅に居ながら、24時間いつでも申告ができて便利ですが、時間に余裕をもって準備し、取り組みましょう。また、「確定申告を進めつつ工程をメモする」「役立ったサイトをブックマークしておく」など次回以降のe-Taxに備えておくこともおすすめです。
photo:Getty Images