スモールビジネス(個人事業主、中小企業、起業家)の
業務や経営にまつわる疑問や課題をみんなで解決していく場
検索
メニュー
閉じる
ホーム 経費 カード年会費は経費?法人カード以外の場合も解説【勘定科目と仕訳】

カード年会費は経費?法人カード以外の場合も解説【勘定科目と仕訳】

クレジットカードの年会費は経費にできるのか悩む方がいるのでは? 法人カードの年会費はもちろん、個人事業主が持つ個人名義のカードも、事業で使用している割合に応じて経費にすることができます。

また、カード年会費の勘定科目について迷うことがあるかもしれません。「支払手数料」が一般的ですが、「会費・諸会費」「雑費」の勘定科目で処理しても構いません。
筆者は上場企業の一般会計担当として、法人カードの伝票を起票をしていた経験があります。経理の実務の目線から注意点も書いているので、参考にしてみてくださいね。

POINT
  • カードの年会費は、事業の支払いで使うなら経費にできる
  • クレジットカードの年会費の勘定科目は3つ
  • カード年会費の消費税は課税

クレジットカードの年会費は経費にできる?個人事業主は?

クレジットカードの年会費は、事業の支払いで使うなら経費にできます。

個人事業主の場合もそのクレジットカードを事業用で使っているなら経費にして大丈夫。

法人カード年会費なら経費

クレジットカードには実は2種類あります。

  • 法人カード:会社名義でつくるクレジットカード
  • 個人カード:一般的に個人がつくるクレジットカード

法人カードはビジネスカード、コーポレートカード、といった名前で呼ばれることも。会社名義なので使用目的は事業の支払い用ですから、法人カードの年会費は経費にして問題ありません。

個人事業主も法人カードを作ることができ、年会費はもちろん経費にできます。事業に関係のある支払のときだけ使うようにしましょう。

それでは、個人事業主が個人名義で作ったカードの年会費は、経費にできないのでしょうか?

個人事業主のカード年会費は経費?「家事按分」の考え方

個人事業主が個人名義でつくったクレジットカードの年会費も、経費にできることがあります。

事業で使っている割合の分だけ経費にする「家事按分」という考え方ができるからです。

例えば、毎月のクレジットカード支払いのうち、事業で使っている割合が7割だとすれば、年会費の7割を経費にしてかまいません。

クレジットカードの年会費に限らず、プライベートと事業で兼用しているものについては「家事按分」が認められていて経費にすることができます。

家事按分できるものの例

  • 事務所を兼ねた自宅の家賃や光熱費
  • 事業でも使う車のガソリン代
  • 携帯電話やWifiの通信料

それぞれ、事業で使用している割合を合理的に計算して、経費にできます。

個人事業主も法人カードがつくれます。また、法人カードでなくとも個人名義のカードを事業用とプライベート用とで分けておくと経費の管理が楽になります。

プライベートのクレジットカードですと利用明細を一つずつ確認する手間があるので、分けることも検討してみてはいかがでしょうか。

カード年会費を経費にすると節税になる理由

カードの年会費を経費にすると、なぜ節税になるのでしょうか。理由は税金のしくみにあります。以下の図を見てください。

カード年会費

※理解しやすいように単純化していますので損金不算入などは記載していません

税金は益金から損金を差し引いた「所得」に対してかかります。所得が少ないほど、つまり損金が多いほど支払う税金が少なくて済むということです。

クレジットカードの年会費を経費にする、ということは上の図の損金に含めるということ。損金が増えた分だけ所得が減って支払う税金が減る、だから節税になるのです。

ただし、「クレジットカードの年会費は経費にできるので、年会費が高くても心配しなくていい」という内容の記事もありますが、実際にはキャッシュ(現金)は減るので注意。むだな支出で利益を減らすことは避けるべきです。

クレジットカードの年会費にみあうサービスを受けている、と実感できれば、経費として支払う価値があると考えたほうが良いですね。

クレジットカードの年会費の勘定科目は3つ

クレジットカードの年会費を経費に計上する際に、勘定科目の候補になるのは以下の3つです。

  • 支払手数料:事業によって生じる手数料・手間賃を管理する勘定科目
  • 会費・諸会費:商工会議所などの団体に払う会費を管理する勘定科目
  • 雑費:重要性が低く金額が少ない費用を計上する勘定科目

多くの会社では支払手数料の勘定科目を使用していますが、会費・諸会費や雑費でも構いません。 同じ勘定科目を使い続けていることが大切です。

使い分け方を解説していきます。

カード年会費の勘定科目1.支払手数料

クレジットカードの年会費の勘定科目として一般的なのが支払手数料です。

年会費を払うことでクレジットカードの優待や特典を受けられるサービスへの手数料、経費の管理の手数料としてみなすことができます。

仕訳にすると次の通りです。

例:カード年会費5,000円が引き落とされた。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
支払手数料 5,000 預金 5,000

カード年会費の勘定科目2.会費・諸会費

クレジットカードの年会費は、有料カード会員であることを維持するための費用として「会費」もしくは「諸会費」勘定で処理することもできます。

会費・諸会費は一般的には同業団体や組合の加入にかかったお金を計上しておく勘定科目です。

仕訳にすると次の通りです。

例:カード年会費5,000円が引き落とされた。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
諸会費 5,000 預金 5,000

カード年会費の勘定科目3.雑費

個人事業主の場合には、カード年会費を雑費で処理することも多いです。

雑費は発生する頻度が高くない、経営上それほど重要ではない費用を計上する勘定科目です。クレジットカードの年会費のために、あたらしい勘定科目を設けるほどではないな、ということであれば雑費で処理してかまいません。

ただし、雑費に含める費用が多くなりすぎると、何に費用がかかっているのかわかりにくくなります。無駄な支出を減らして経営を行っていくためにも、勘定科目を分けて管理することを心がけましょう。

仕訳は以下の通りです。

例:カード年会費5,000円が引き落とされた。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
雑費 5,000 預金 5,000

カード年会費を経費処理するときの注意点3つ

クレジットカードの年会費を経費処理するときの注意点は以下の3点です。

  • カード年会費の消費税は課税
  • 勘定科目は継続・統一してつかう
  • プライベートのカード年会費は経費にできない

カード年会費の消費税は課税

クレジットカードの年会費には消費税が含まれており、仕入税額控除の対象です。

消費税の課税対象になるかどうかの判断の一つが「対価性がある」かどうか。クレジットカードの決済サービスという対価を得ているので、カード年会費は消費税の課税対象です。

同業者団体や組合などに支払う会費や組合費などが課税仕入れになるかどうかは、その団体から受ける役務の提供などと支払う会費などとの間に明らかな対価関係があるかどうかによって判定します。

国税庁 No.6467 会費や入会金の仕入税額控除

上記で紹介してきた仕訳は税込経理(消費税込みで仕訳をする方法)ですが、企業では一般的に税抜経理(消費税を分けて仕訳する方法)を使っています。

税抜経理で仕訳をすると、以下の通りです。

例:カード年会費5,500円を支払った。消費税率は10%とする。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
諸会費 5,000 預金 5,000
仮払消費税 500

勘定科目は継続・統一してつかう

会計上、一度使い始めた勘定科目は継続して使用すると決められています。カード年会費を今年は「諸会費」次の年は「支払手数料」と勘定科目をころころ変更することはできません。

また、同じ会社内で経理担当によってカード年会費の勘定科目が異なるのもNGです。経費の管理上もわかりにくくなってしまいます。

クレジットカードの年会費に限らず、勘定科目の判断に迷いやすい費用はマニュアルで共有するなどの工夫が必要です。

プライベートのカード年会費は経費にできない

プライベートで主に使用しているクレジットカードの年会費は経費にできません。税務調査の指摘事項になることがあります。

プライベートのクレジットカードでたまに事業用に支払いをする、という程度でしたら、支払った金額そのものは経費にできますがカードの年会費を経費にすることはできません。

事業で使用するクレジットカードを専用につくれば、年会費は迷わず経費にできますし、経費の管理がぐっと楽になります。

クレジットカードの年会費は経費にできる?まとめ

クレジットカードの年会費は、経費にできます。ただし、事業に使用しているクレジットカードに限ります。

経費にする際の勘定科目は「支払手数料」「会費・諸会費」「雑費」が候補で、消費税が含まれていることにも注意します。

クレジットカードの年会費を経費にできれば節税効果も見込めるので、個人事業主の方は事業用にカードを発行することを検討してみてもよいでしょう。

photo:Getty Images

c_bnr_fltblue_online-2
閉じる
ページの先頭へ