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【初めての法人登記(会社設立登記)】手続きの流れや申請方法・必要書類は?

監修者 : 木村政美(行政書士・社労士・ファイナンシャルプランナー)

会社(法人)を設立する場合は「法人登記(会社設立登記)」を行うことが必須です。では、法人登記はどのような手続きが必要なのでしょうか。手順や必要書類など基本的な内容を説明していきます。会社員をやめて自分で会社を起こしたい、個人事業主・フリーランスで収益規模が拡大したので法人成りをしたいなど、法人設立を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

POINT
  • 「法人登記」とは、その会社がどんな会社なのかという情報を一般的に公開するための登録手続きのこと
  • 法人登記をする前に「会社の概要の決定」「定款の作成」「資本金の払い込み」などをして会社設立をしておく
  • 法人登記に必要な必要書類と申請書類などを揃えてから、法務局に登記申請する

法人登記(会社設立登記)とは「法的に会社が存在することを証明する」ための手続き

会社を設立するときに行わなければならないのが「法人登記」「会社登記」などと呼ばれる登記手続きです。正確には「会社設立登記」といいます。「法人登記」とは、その会社がいったいどんな会社なのかという情報を一般的に公開するための登録手続きのことを言います。

例えば、会社の商号や代表者の氏名、事業目的、株式発行に関する規定や取締役会などの機関に関する内容などを法務局へ届け出ます。ただし、法人登記は単なる登録手続きではなく「法的に会社が存在することを証明する」という重要な意味を持ちます。そのため、法人登記のない会社はこの世に存在しないものとして扱われるのです。

日本で設立できる会社には「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4つの種類があります。このうちのどれかの形態を選んで会社を設立することになります。また、法人にはこういった営利性のある会社だけでなく、一般社団法人や一般財団法人、NPO法人といったさまざまな形態が存在します。これらもすべて法人ですから、会社と同様に登記を行う必要があり、それぞれ設立にあたっては登記申請のための準備を行わなくてはなりません。

個人事業主やフリーランスといった人が法人化(法人成り)する際のメリットは、主に「信用度が上がる」「節税対策ができる」という点があげられるでしょう。

特に、「信用度」が増すことは法人化による大きなメリットといえます。登記されている会社に関する情報は、法務局で閲覧できる「登記事項証明書」で、誰でも確認することが可能です。

そのため、取引先の会社を調べる際には、まず「登記事項証明書」を確認することになります。これに関しては、銀行などの金融機関も同様で融資の際に法人格があるかどうかで社会的信用力が大きく変わってくるのです。

ここからは、会社のなかでも最も一般的な「株式会社」を設立する際に必要な基礎的な知識を解説していきます。

会社設立の手順

法人登記をする前に、法人を設立しなくてはいけません。そこで、ここでは登記申請前の会社設立の手順について説明していきます。

会社の概要を決める

法人登記の前に、まず登記申請の内容としても重要となる「会社の概要」について決めておく必要があります。最初に決めなくてはいけないことは、「商号」「事業目的」「発起人」「本店の所在地」などです。これらは好き勝手に決めていいものではなく、法律や細かな規則に合わせたものでなければなりません。例えば、「商号」とは会社名のことですが、株式会社であれば必ず「株式会社」とつける必要があります。

また、商号はすでに存在している会社と同一の住所に同一の商号を使うことができないため、商号を決めた後には必ず法務局で調査しなければなりません。事業目的も重要で「ここに記載されていない事業を会社は行うことができない」という法的な拘束力を伴います。そのため、自社の事業内容に合った的確なものを事業目的として設定することが重要です。

「本店所在地」に関しては、商号に関する部分で重要となるだけでなく、登記申請や定款の認証、税務申告など、あらゆる手続きにおいて管轄の官公庁がどこになるかを決定づける項目でもあります。

こうした会社概要を決めると同時に、会社設立時に登録することになる「法人の実印」を作成しておくといいでしょう。法人実印は会社設立後の契約や融資など重要な局面で必要となってくるので、設立と同時に必要です。また、登記申請時に役員となる人のなかには、個人の実印の「印鑑証明書」が必要となることがあります(こちらについては後述します)。

定款を作成する

法人登記の申請で、非常に重要な添付書類となるのが「定款(ていかん)」です。

定款は、いわば「会社の憲法」にあたる会社の根本規則で、定款の内容にその会社の仕組みや決まりごとなどが定められています。そのため、法的な効力も強く、定款の内容を変更する際には、株式会社の場合、株主総会の決議が必要です。

設立時に最初に作る定款を「原始定款」と呼びます。これを公証役場に提出し、その認証を受けてから初めて法的な効力のある「定款」となるという流れです。会社設立の登記申請で添付する定款は、この公証人の認証を受けた定款でなくてはなりません。そのため、登記申請の前に作成した定款を公証役場に提出しておく必要があります。

定款の記載事項は、法律で定められています。大きく分けると「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3種類の項目があります。それぞれの内容は次のとおりです。

絶対的記載事項

定款に必ず記載しておかなければならない項目です。「目的」「商号」「本店の所在地」「設立に際して出資される財産の価額又は最低額」「発起人の氏名又は名称及び住所」の5つの項目があります。これらの項目は、記載されていない場合は定款自体が無効となります。

相対的記載事項

定款に必ず記載するものではないものの、「記載しておかないと法的な効力が生じない」とされる項目です。相対的記載事項とされるものは非常に種類が多いのですが、代表的なものには「公告の方法」「株式の譲渡制限に関する事項」などがあげられます。

任意的登記事項

法的には、記載する必要のないことでも会社の決まりとして定めておきたい内容を記載することができます。これに関しては任意に内容を決めることが可能ですが、定款に記載することで、変更する場合は定款変更の手続きが必要となります。任意的登記事項には、例えば「定時株主総会の招集日」「事業年度」「取締役の権限」などがあります。また、定款の内容は公序良俗や会社法に反しない内容であることが条件となります。

定款を認証してもらう公証役場は、設立する会社の本店所在地のある都道府県にある公証役場です。事前に公証役場に連絡して、定款の内容を確認してもらった後、定款認証の日時を予約する流れが一般的といえるでしょう。

資本金を払い込む

定款の認証が無事に済んだ後は、資本金の払い込みを行います。資本金は、銀行口座に振り込み、その振り込みを証明する書類を準備しなければなりません。なぜなら、現実に会社を設立するために資金を出している事実を証明する必要があるからです。

具体的には、「銀行通帳の表紙」「表紙をめくったページで口座の名義や番号が書かれているページ」「資本金の入金が記帳されたページ」といった3つのページのコピーを取ります。このコピーを合わせて作るのが「払込証明書」です。

ここに法人実印を押印しておきましょう。ちなみに、会社名義の銀行口座はこの段階では開設できません。なぜなら、登記前の段階ではまだ会社は存在していないからです。そのため、この場合は一般的に発起人の個人口座ということになります。

資本金については、現金だけでなく不動産や自動車などによる「現物出資」という方法も可能です。ただ、この場合は定款の記載内容や「財産引継書」、出資財産の「調査報告書」などの書類が必要になるので、現金のみの出資と比べると手続きは複雑になります。

法人登記までの流れ

ここからは、実際に法人登記を申請する一連の流れを簡単に解説していきます。

必要書類と申請書を用意する

法人登記(会社設立登記)で必要となる書類は、「登記申請書」とその申請内容を裏付ける「添付書類」の2つです。登記申請書は、法務局に所定の申請用紙があるので、この申請用紙に必要事項を正確に記入していきましょう。様式が異なると訂正が必要になるので注意が必要です。

添付書類は、設立する会社の形態や申請内容によって細かな違いが生じますが、共通して必要となる可能性の高いものには次のようなものがあげられます。

  • 定款
  • 発起人会議事録(定款で本店所在地を定めていない場合に必要となる)
  • 就任承諾書(設立時役員のもの)
  • 印鑑証明書
  • 払込みを証する書類

これに加えて、法人実印の登録手続きである「印鑑届出書」、申請の際にかかる登録免許税の支払いを行う「登録録免許税納付用台紙」などもセットで申請します。

出資財産に現物出資(不動産やその他の財産)がある場合は、さらに「設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書」や「財産引継書」といった添付書類も必要です。必要な書類の詳細は後述します。

法人登記に必要な書類

ここからは、法人登記(会社設立登記)に必要となる必要書類について説明していきます。

定款

定款は、登記申請前に公証人役場へ提出し、認証することが必要です。認証を済ませた際に、控えとして返却されたもの(謄本)から1部を登記申請時の提出書類として使用します。

就任承諾書

次に「就任承諾書」です。これは設立する会社の役員、つまり代表取締役、取締役、監査役などが就任を承諾したことを示す書類です。就任を承諾する旨の文面に承諾した日付、承諾者の氏名、住所を記載したうえに押印します。取締役会を設置する場合、代表取締役は実印、それ以外の役員は認印の押印を忘れないようにしましょう。

印鑑証明書・本人確認書類

就任承諾書とセットで提出する必要があるのが、「印鑑証明書」と「本人確認書類」です。まず、印鑑証明書は「取締役会」を設置する場合、代表取締役の印鑑証明書が必要になります。取締役会を設置しない場合は、役員全員の印鑑証明書が必要です。そのため、手続きの作業がかなり増えてしまいます。

もし監査役を設置する場合は、監査役の本人確認書類が必要です。監査役の印鑑証明書は必要ありませんが、「住民票記載事項証明書」や「運転免許証等のコピー」などを準備して、これを本人確認書類として添付することになります。

印鑑届出書

「印鑑届出書」とは、会社実印を登録するための届け出書類です。法務局のホームページから申請書をダウンロードして作成していきましょう。会社実印は、事業運営に欠かせないものです。そのため、通常は設立登記申請と同時に法務局に対して登録申請を行います。

払込みを証する書面

会社を設立する際に出資した「出資金」の存在を証明する書類が「払込みのあったことを証する書類」です。まず用意するのは「払込証明書」と書かれた書類。こちらに「発起人の決定書」「発起人会議事録に記載されている内容」「会社名と設立時代表取締役の氏名等」を記載し、会社代表印を押印します。

この書面と実際に払込みを行ったことがわかる銀行通帳の表紙、裏表紙、入金したページのコピーをホチキスで止めて、冊子化して添付書類とします。それぞれのページには会社実印で割印をしましょう。

登録免許税納付用台紙

登記申請では、「登録免許税」という税金を申請時に法務局に支払わなくてはなりません。この登録免許税は、申請の種類ごとに法律で定められています。会社設立の登記申請では、基本的に1件につき15万円です。正確には、出資金額×0.7%で算出した金額と15万円のどちらか高いほうが登録免許税額となりますが、通常は15万円になるように申請していきます。

支払方法は「収入印紙で納入」「金融機関や税務署で現金納付」の2つの方法から選択可能です。収入印紙の場合はそのままの状態、現金払いの場合は領収書をA4サイズの用紙に貼り付けて提出します。

法務局へ登記申請をする

必要書類と申請書がそろったら、いよいよ本店所在地を管轄する法務局に対して登記申請を行います。

ここで少し気をつけておきたいのが、「商業登記を受付している法務局は全国でも比較的大きな法務局に限られている」という点です。特に、大都市地域の法務局はかなりの予約が入っているので、できるだけスムーズに申請手続きが進むよう、万全の準備を整える必要があります。申請自体がうまくいけば、申請後で1週間から10日ほどで完了します。

法人登記(会社設立登記)の申請には、主に3つの方法があります。それぞれについて順に確認していきましょう。

法務局で直接申請する

法務局に出向いて必要書類を直接提出する方法です。3つの方法のうち、最もオーソドックスな方法といえるでしょう。提出先となる窓口は、本店の管轄法務局の「商業登記窓口」です。

一般的には、都道府県に一つずつある地方法務局で受付されます。ここで提出した書類一式を登記官が審査し、内容に問題がなければ提出日から数えて1週間から10日で登記が完了するのが一般的な流れです。もし提出書類に不備があった場合は、法務局から電話で連絡があります。これを「補正」といい、登記官から指摘を受けた箇所を指定された期間内に手直しをして、もう一度提出しなければなりません。

補正箇所となりやすいのは、住所(本店の所在地)や印鑑の捺印方法(法務局によっては捨印が不要と指示されることもあります)などです。修正箇所があまりにも多い場合は、いったん申請を取り下げてもう一度作成する方法を取ることもあります。

提出した書類に不備がない場合は、法務局からの連絡は特にありません。そして、もう1つ注意すべき点は会社設立の設立日です。設立日は、登記が完了した日ではなく申請を受け付けた日となるので、希望の設立日がある場合は、その日に合わせて申請する必要があります。

郵送で申請する

会社設立の登記申請は、郵送で行うことも可能です。会社の本店を管轄する法務局に対して、申請書類や添付書類などの一式を郵送します。基本的に、その後の流れは直接申請した場合とあまり変わらず送達後に登記官が審査を開始し、問題がなければその1週間後から10日後までに登記が完了するという流れです。

補正の指示がある場合も直接申請と同様に、法務局から補正箇所と再提出の期限について電話で連絡があります。ただし、郵送による補正では「補正書」という書類を作らなければなりません。この補正書は、「どの部分を補正したか」をまとめた書類で、再提出する申請書類一式と合わせて提出することが必要です。

郵送による登記申請の注意点は2つあります。1つ目は、送達記録を残しておくことです。重要書類なので、万が一に備えて書類の所在の確認が取れるように、書留などの送達記録の残る方法を選択しておいたほうがいいでしょう。郵便自体は、普通郵便などでも構いません。2つ目は、配達日を指定することです。郵送による登記申請の場合は、法務局へ申請書類が送達した日が申請日となるので「その日が会社設立日」ということになります。

オンラインで申請する

最後の方法は「オンラインによる申請」です。法務局が用意している登記・供託オンライン申請システムである「登記ねっと・供託ねっと」というシステムを使います。ただ、一見便利なように見えるオンライン申請ですが、「専用のソフトをダウンロードする」「カードリーダなどの機器が必要」など、準備を整えるまでが少し大変です。

申請人は、電子証明書を取得する必要があるので「登記ねっと・供託ねっと」に記載されている「申請者操作手引書」などを参照にして役場などで手続きを済ませておきましょう。

オンライン申請での補正手続きは、ダウンロードした申請用総合ソフトあてにオンライン上で通知があります。こちらは電話での連絡ではないことに注意しましょう。補正自体は、ソフト上で済ませることができるので、手続き自体は便利です。

法人登記完了後に行うこと

法人登記完了後に行うこと

会社設立登記が無事完了し、登記が完了したことを確認できたら「登記事項証明書(登記簿謄本)」と「印鑑証明書」を取得します。この2つの書類は、ビジネスを開始するにあたり頻繁に使用することになる書類です。

例えば、「銀行に法人口座を開設する」「税務署へ税金に関する各種の届け出をする」などの際には、必ず登記事項証明書(登記簿謄本)が必要になってきます。登記事項証明書を取得する方法は、「登記申請時と同様に直接法務局に出向く」「郵送」「オンライン」といった方法から選択可能です。手数料は、書面請求の場合600円、オンライン請求で郵送での交付の場合500円(窓口で受け取る場合は480円)です。

非常に使用頻度の高い書類なので、何通かあらかじめ請求してストックしておいたほうがいいでしょう。融資や担保の設定契約などでは、法人の印鑑証明書を求められることがあります。

印鑑証明書とは、登記申請時と同時に法務局へ届け出をした会社実印の印鑑証明書のことで、特に不動産などが絡む大きな契約を会社が行うときに使用します。そのため、登記事項証明書と同様、印鑑証明書の複数準備しておきましょう。

また、社会保険の加入手続きなども重要な業務です。ほぼすべての法人は、社会保険に加入することを法律で義務付けられています。ここで気をつけたいのは、従業員を雇っていなければ加入義務のない労働保険と違って、社会保険は会社が従業員を雇っておらず社長しかいない場合でも加入しなければならないことです。

きちんと社会保険に加入していないと、後で不利益を被る局面が多いので、社会保険事務所への届け出も忘れないようにしましょう。ここでも登記事項証明書などの書類を求められることが多い傾向です。

法人登記のやり方を理解しスムーズに会社を設立しよう!

法人登記(会社設立登記)は、会社を法的に成立させるための手続きなので、ただの登録手続きではありません。法人を設立することは、「法人登記をする」ということです。したがって、法人を設立するためには必ず法人登記を申請する必要があります。

こちらで説明した内容は、法人登記の基本中の基本ですが、大まかな流れについては網羅しているので、参考にしてスムーズに手続きを進めていきましょう。

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