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若手フリーランスが初めての青色申告に挑戦!「やよいの青色申告」でサクッと終わっちゃった

年に一度の確定申告。

毎年、決まっているのに、重い腰を上げることができず、ギリギリになって駆け込むことになってしまう。今回こそはなるべく早く手をつけたい。

ただ、はっきり言って、確定申告ってめんどくさい。

前回までは白色申告をしていたけど、今回からは、青色申告の承認申請書を出して、青色申告に切り替えた。だけど、青色申告は白色申告に比べてさらにめんどくさいなんて話もよく聞くので、自分で青色に切り替えたくせに例年以上に腰が重い……。

そもそも青色申告で65万円控除を受けるには、複式簿記に貸借対照表が必要だと言うし……。

こんなの一人でできる気がしない。これ、知識がなくても一人でできるものなのだろうか。

誰か……助けて~! もう、白色申告でいいかも……

※本記事は、2019年分の青色申告65万円控除にチャレンジした記事です。2020年分から青色申告特別控除65万円は、複式簿記などに加え、e-Tax(電子申告)もしくは電子帳簿保存が必要です。

POINT
  • 「10万円控除」の青色申告なら、白色申告の手間とほとんど変わらない
  • 「10万円控除」なら青色申告の税制上のメリットがいろいろ受けられておトク
  • 確定申告ソフトを使えば、65万円控除に必要な書類がそろう!

白色申告と青色申告って何がちがうの?

宮原

宮原:ちょっと待ったァァァァ!!!!!!

白色申告と青色申告って何がちがうの?

宮原

宮原:私のこと……お呼びになりましたね?

白色申告と青色申告って何がちがうの?

早川

早川:いや……えっと、誰なの?

宮原

宮原:申し遅れました。私はこういうものです。

宮原裕一みやはら・ゆういち

みやはら・ゆういち

宮原裕一税理士事務所」代表税理士。弥生認定インストラクター。
弥生会計を20年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

早川

早川:あ、税理士の先生だったんですね……あやしんですみません。でもちょうど良かった。確定申告のやり方についていろいろ聞いてもいいですか?

宮原

宮原:はいはい、もちろん確定申告のことなら、なんでもお答えしますよ。

早川

早川:フリーランスの編集者・ライターとして、今まで確定申告を2回経験していて、いずれも白色申告で行ないました。去年の3月に青色申告承認申請書を税務署に提出しているので、今回は青色での確定申告に挑戦してみようと思っているのですが……。なんとなく難しそうなイメージで、まだ手がつけられていません。

宮原

宮原:なるほど。まず、白色と青色がどのように異なるのか、ご存知ですか?

早川

早川:なんか、青色だと複式簿記の帳簿がいるんですよね? あと白色より控除額が大きいと聞いてます。

白色申告と青色申告って何がちがうの?

宮原

宮原:そのとおり。個人事業主の所得税の確定申告で白色と青色というのは、申告方法のちがいです。簡易的な帳簿付けだけでよい白色に対し、青色で最大65万円控除を受けるには複式簿記による帳簿付けが必要です。青色の場合は、この複雑な帳簿付けを行なった特典として、特別控除などの税制上の優遇処置を受けられるという申告方法です。

早川

早川:頑張った分だけ特典の形で返ってくるんですね。うーん、ただ正直、白色ですら、てんやわんやしていたくらいなので、今更ながら青色をこなせる自信がまったくないです(笑)。

宮原

宮原:でも、白色申告は問題なく行なえていたんですよね? だったら青色申告もそれほど悩まずにできると思いますよ。実は青色申告は、帳簿付けをどこまでやるかによって、難易度と控除額が変わります。

早川

早川:え、青色の中でも申告方法が分かれているんですか?

宮原

宮原:そうなんです。青色の申告方法は複式簿記による「65万円控除」と、簡易簿記による「10万円控除」の2種類あるんです。さっき話に挙げた複式簿記というのは、たしかに青色申告の際に必要な帳簿付けではあるのですが、それは65万円控除を受ける場合です。一方で10万円控除を受ける場合は、白色と作業量自体はほとんど変わりません。

白色申告と青色申告って何がちがうの?

早川

早川:じゃあ65万円控除を目指すかはともかく、基本的には白色じゃなくて青色で申告した方が得ってことじゃないですか。

宮原

宮原:青色で申告すると10万円控除でも「30万円未満の固定資産を一度に経費にできる」「赤字を3年間繰り越して、翌年以降黒字になった時に黒字と相殺できる」など、さまざまな青色申告の特典を得られますしね。

早川

早川:へ~! まずは65万円控除に挑戦してみて、もし難しそうだったら10万円控除にシフトしようって考えれば、青色へのハードルがグッと下がりますね!

宮原

宮原:もっと言うと、65万円控除でさえも申告ソフトを活用すれば難しさの感覚はだいぶ和らぐと思いますよ。複式簿記の帳簿など青色申告で必要な資料もかんたんに申告ソフトが作成してくれますよ。今回は「やよいの青色申告 オンライン」を使って、一緒にやってみましょうよ。

早川

早川:そこまで言われると、65万円控除もできる気がしてきます。

白色申告と青色申告って何がちがうの?

確定申告スタート!まずは領収証の仕分けから

宮原

宮原:では実際に、一緒に手順をおさらいしていきましょう。

早川

早川:これまでなんとなくでしか理解していなかったので助かります!

宮原

宮原:それでは領収書の仕分けから始めましょうか。これで全部ですか?

確定申告スタート!まずは領収証の仕分けから

早川

早川:関係ありそうなものをとりあえずまとめてみただけなので、もしかしたら仕事に関係ないものもあるかもしれませんが……これで全部のはずです。基本的には取材や打ち合わせのとき以外は外に出ないので、領収書の数は少ない方だと思います。

宮原

宮原:わかりました。まずは、これを3つの種類に分けることから始めます。

「事業の経費になるもの」なのか、「税金の控除に使えるもの」なのか、それとも「まるっきり関係ないもの」なのか分けてみてください。

確定申告スタート!まずは領収証の仕分けから

早川

早川:この領収書は、取材費なので、経費ですね。あと、これは国民健康保険の領収証なので、社会保険料控除に使えるものという認識で合っていますか?

宮原

宮原:合っています。……あ、でもこれは住民税の領収証ですね。これは事業の経費にもならなければ、税金の控除にも使えないので関係ありません。

早川

早川:こうやって、経費や控除、関係ないもので領収書を仕分けていく流れは、白色と同じですね。

確定申告スタート!まずは領収証の仕分けから

▲「事業の経費になるもの」「税金の控除に使えるもの」「まるっきり関係ないもの」に仕分けができました

入力開始。青色申告では事業のお金の動きはすべて追う

宮原

宮原:ここからは、実際に「やよいの青色申告 オンライン」を使っていきましょう。今回は65万円控除を目指す形で説明していきます。

早川

早川:お願いします!

宮原

宮原:まず青色申告では、「事業に関するお金がこれだけあって、それをいつどこで何に使って、今これだけ残っています」というように、事業に関するお金の動きをすべて追う必要があります。だから、1月1日にいくら現金があったか、銀行口座にいくらお金があったかわからないとそもそもつけられないんですね。

入力開始。青色申告では事業のお金の動きはすべて追う

早川

早川:銀行口座にあるお金は通帳を見ればいいでしょうけど、1月1日に手持ちの現金がいくらあったかなんてどうやって把握するんですか?もう1年以上前ですよ?!

宮原

宮原:たしかに、現金の場合は記録をつけていない限り、いくら手元にあったか分かりません。でも、今手元にある現金はわかりますよね?収入や支出といった取引をすべて「やよいの青色申告 オンライン」に入力さえしてしまえば、今手持ちの現金から逆算でソフトが自動計算して、1月1日の現金の金額を設定してくれるので大丈夫です。

早川

早川:便利ですね。それから僕は事業用と個人用の銀行口座を分けていないのですが、それでもお金の動きって追えますか?

宮原

宮原:追えます。細かい科目に関してはあとで説明しますが、「これは事業の経費」「これは個人の生活費」といったように、銀行口座内のお金の動きをすべて入力すれば、問題ありません。

早川

早川:いまドキドキしながら説明を聞いていたので、ちょっと安心しました。

レシートを撮影するだけで自動入力する機能も!

宮原

宮原:実際に取引の入力を始めてみましょう。左側のメニューから「かんたん取引入力」を開いてください。

レシートを撮影するだけで自動入力する機能も!

宮原

宮原:「やよいの青色申告 オンライン」では、この画面から収入や支出の取引を入力をしていくことになります。せっかくなので、先ほど仕分けたレシートや領収書の経費から入力してみましょうか。

早川

早川:経費なので、支出のタブですか。科目って白色の時と同じで、「旅費交通費」や「会議費」などのことですよね。

宮原

宮原:そうです。領収書を見ながら、「取引日」「科目」「取引手段」「金額」を入力していきます。取引手段を選ぶことで、ソフトが仕訳として記録をしていきます。しかもこれ、領収書を日付順に入力しなくてもいいんです!

早川

早川:ソフトなら自動で日付順に並び変えてくれますもんね。これは簡単!

宮原

宮原:ですよね。ちなみに、こうしたレシートそのものを、スキャナーを使って読み込ませたり、「弥生 レシート取込アプリ」を使って撮影して、取引を入力することもできます。

早川

早川:流れでいまアプリをダウンロードしてみましたが、こういうことですか?

【弥生 レシート取込アプリ】
・iOS版はこちら
・Android版はこちら

宮原

宮原:スマホのカメラからレシートを撮影したら、「やよいの青色申告 オンライン」に戻って、左側のメニューから「スマート取引取り込み」「スキャンデータ取込」の順に開いてください。

レシートを撮影するだけで自動入力する機能も!

▲さっそくスマホでレシートを撮影

レシートを撮影するだけで自動入力する機能も!

早川

早川:ああっ! いま撮影したものが店や金額が表示されていますね!

宮原

宮原:内容に間違いがなければそのまま追加ボタンを押して、今度は「未確定の取引」を選択です。

レシートを撮影するだけで自動入力する機能も!

早川

早川:わ、すごい! 本当に取り込まれてる!

宮原

宮原:スマホでレシートの写真を撮るだけなら、そんなに手間のかかる作業じゃないですよね。

早川

早川:しかもこれ、自動で「会議費」って科目入力されているじゃないですか。どうしてですか? たしかに仕事の打ち合わせに使った喫茶店の領収書なんですが、なんでそれがわかるんでしょう?

宮原

宮原:ほかのユーザーの入力記録などのビッグデータを参考に、AIが自動判断する仕組みなんです。また、早川さん自身の入力記録も参考にするので、早川さんが使えば使うほど自動判断の精度が上がっていきますよ。

早川

早川:なんというか、これはすごいなあ。なんか青色申告できるような気がしてきた。

宮原

宮原:ただ、今のところはレシートのみの対応なので、すべての入力をこのアプリで代替できるわけではありませんが。

早川

早川:ということは、そもそも手書きの領収書じゃなくてレシートでもらう方が入力の手間がかからないってことですか?

宮原

宮原:手間を省くという意味ではそうですし、よく手書きの領収書だけが正式なものだと勘違いされている方もいらっしゃいますが、確定申告で支払った証明はレシートで問題ないですからね。

クレジットカードと銀行口座の連携で手入力ゼロも夢じゃない

宮原

宮原:次は、クレジットカードと銀行口座の入出金取引を「やよいの青色申告 オンライン」に連携させてみましょうか。

早川

早川:そんなこともできるんですね。

宮原

宮原:銀行口座の方はインターネットバンキングができる銀行ではないと連携できませんが、カードや銀行口座はすべて連携させてしまいます。そしてそれ以外のレシートはアプリで取り込むという形にすれば、手入力ゼロで入力できますよ。

クレジットカードと銀行口座の連携で手入力ゼロも夢じゃない

早川

早川:それ、理想です! でも僕はまだインターネット口座がないので、今回は難しそうですね。

宮原

宮原:でもクレジットカードが連携できるだけでもかなり楽ですよ。先ほどと同じように「スマート取引取込」を開いて、カードの連携をしてみてください。

クレジットカードと銀行口座の連携で手入力ゼロも夢じゃない

早川

早川:え、これやばいですね……。すべてのクレジットカード取引が「やよいの青色申告 オンライン」と連携して、表示されてます。楽すぎる。

宮原

宮原:このあとは、取引ごとに科目設定をして、登録をしていくだけです。早川さんは先ほど事業用と個人用の口座を分けていないと言ってたので、おそらくカードも事業用と個人用とで分けてないですよね?

早川

早川:そうですね。分けなきゃいけないなとは思ってるんですけど、なんだか面倒くさくて……。

宮原

宮原:その場合だと、このなかに個人用の取引も表示されていると思うので、それについては「事業主貸」という科目で処理してください。事業用のお金で個人用のお金を払ったという形になりますので。

早川

早川:あー、そういった形で事業用と個人用を区別するんですね。じゃあ事業用のカードと個人用を分けていたら、その手間が省けるのか。

宮原

宮原:なので、次からは事業用と個人用で分けると確定申告がだいぶ楽になりますよ。もちろん銀行口座もです。

早川

早川:銀行口座に関しては、今回についてはインターネットバンキングじゃないから自動取込ができないので手入力で、ってことですよね。うーん、面倒くさい……。

宮原

宮原:今回は我慢してください(笑)。

早川

早川:はい。あ、あといまカードの取引履歴を見ていて気づいたのですが、カードで購入した場合ってその場でお金を払うのではなく、後から口座引き落としですよね。これって日付はどう入力すればいいんですか?

宮原

宮原:カードの場合は、2回入力する必要があるので、未払金という取引手段を使用します。

クレジットカードと銀行口座の連携で手入力ゼロも夢じゃない

早川

早川:未払金?

宮原

宮原:購入したモノやサービスが未払金という扱いである、という意味です。「やよいの青色申告 オンライン」の場合は、クレジットカードという項目があるので、その取引手段で登録するとわかりやすいと思います。

早川

早川:口座引き落とし時はどうすればいいですか?

宮原

宮原:そのときは、科目を「クレジットカード」にして、取引手段を「普通預金」と登録すれば、「クレジットカードの未払金の支払い」という形になります。

早川

早川:なるほど。取引があった日に「未払金がこれだけありますよ」と登録して、実際に支払われた日に「未払金をこれだけ払いました」という記録を残すんですね。だんだんわかってきました。

PCやカメラなど、高額な買い物をする際は青色申告の方がお得

宮原

宮原:ここまでで疑問点はありますか?

早川

早川:経費の話で言うと、「減価償却」について質問があります。

宮原

宮原:お、いいですね。青色申告なら特典として30万円未満の少額減価償却資産は一括してその年に経費にできますよ。

PCやカメラなど、高額な買い物をする際は青色申告の方がお得

早川

早川:僕がいま使っているPCは事業用に2018年に購入したものなので、前回の確定申告の際に3年かけて減価償却するって形だったので、まだ残高が残っているのですが、これはそのまま継続するんですか?

宮原

宮原:そうですね。そこは変えられませんね。青色のときに購入していた場合は、即時償却という形で、その年度に1回で経費にできたのですが……。

PCやカメラなど、高額な買い物をする際は青色申告の方がお得

早川

早川:パソコンとかカメラとか、大きい買い物をするときは青色の方が良いんですね。あ、そういえば去年事業用にiPadを購入したのですが、これはどうですか。

PCやカメラなど、高額な買い物をする際は青色申告の方がお得

宮原

宮原:それに関しては10万円未満なので、減価償却ではなく普通に経費に計上してしまって大丈夫ですよ。

早川

早川:あ、そっか。ちなみにこのiPadはローン払いを選択しているのですが、入力ってどうすればいいのでしょう。

宮原

宮原:ローン払いの場合は、取引手段を「未払金」に設定して、口座から引き落とされるたびに未払金の支払いとして残高を削っていくと良いですよ。

PCやカメラなど、高額な買い物をする際は青色申告の方がお得

年間での売上ではなく、月ごとの売上記録が重要

宮原

宮原:続いて、収入の入力方法の説明に進もうと思ったのですが、今日って通帳は持ってきてますか?

早川

早川:すみません、忘れてしまいました。

宮原

宮原:では、入力方法だけ説明するので、帰ってから家でやってみてくださいね。まずは、「かんたん取引入力」の収入タブを開いてください。

早川

早川:開きました。

宮原

宮原:白色のときって、どのように入力していましたか?

早川

早川:支払調書の数字をそのまま入力していました。

年間での売上ではなく、月ごとの売上記録が重要

宮原

宮原:そうですよね。ただ支払調書というのは、年間のお仕事で得たお金がまとまって記載されているものです。帳簿付けとなると、年間の売上ではなく、何月何日にいくらの売上が発生したかという入力の方法になるんです。

早川

早川:毎月分の入力が必要なのか。これもカード同様に振込までにタイムラグがありますよね。

宮原

宮原:そうです。なので、「売上」という科目を選択したあとに「売掛金」という取引手段を選択してください。この「売掛金」というのは、先ほどの「未払金」の逆で、「モノやサービスの販売をした場合の未回収代金」という意味です。

早川

早川:なるほど、カードの要領と同じだ。お金が振り込まれたタイミングで、売掛金が普通預金に振り込まれたというように登録すればいいんですね。

宮原

宮原:「売掛金」を選択すると、その横に「回収予定日」という項目が表示されます。そこに振込日を入力したあと、画面下部に表示されている「取引の一覧」から「回収取引を入力」を選択すると、そのまま振込時の登録もできるので簡単ですよ。

年間での売上ではなく、月ごとの売上記録が重要

早川

早川:おそらく複雑な入力をしているのだろうとは思うのですが、ソフトがちゃんとガイドを出してくれるので、けっこう簡単にできますね。

宮原

宮原:やよいの青色申告 オンライン」の主な使い方は以上です。家に帰ってから通帳に記載されている取引を入力すれば、もう確定申告は終わったも同然。あとはソフト内の「確定申告の手順」ページに従って、税金の控除額などを入力すれば完成です。

確定申告画面

早川

早川:初めてのことだったのでやはり難しくは感じましたが、思っていた以上には難しくなかったかなと思います(笑)。青色申告の65万円控除いけそうな気がしてきました。宮原先生、ありがとうございましたー!

年間での売上ではなく、月ごとの売上記録が重要

年間での売上ではなく、月ごとの売上記録が重要

銀行通帳の「未記帳合算」というまさかの落とし穴

銀行通帳の「未記帳合算」というまさかの落とし穴

「確定申告は終わったも同然!」と思ったのもつかの間。

銀行口座の明細を見るために記帳をしてみたところ、通帳記帳するのをサボりすぎて半年分の取引明細が「未記帳合算」となってしまっていた。

銀行の窓口に問い合わせてみると、取引明細を別途取り寄せる必要があるとのこと。うーん、これは完全に誤算だった……。

だけど、僕と同じようなことで悩む青色申告初心者やフリーランスの方のためにも、ここから先も書いていこうと思う。

銀行通帳の「未記帳合算」というまさかの落とし穴

結局、銀行から手元に通帳の未記載合算分の明細が届くまでに10日間もかかってしまった。この記事の公開が遅くなったら、これが原因です。

それにしても、これが確定申告の期限ギリギリだったらと考えるとゾッとする。確定申告は、早めに動くに越したことはない。青色申告の65万円控除を受けるためには、期日内の申告が必須だから。

さて、実際に入力を始めてみたものの、追加で疑問点が沸いてきたので、宮原先生にメールで聞いてみた。

早川

早川:収入の入力を始めると、年明けの1月31日に前年の売掛金が振り込まれていたのですが、これってどう入力すればいいですか?

宮原

宮原:前年の12月分の売上ですね。残高設定画面より「売掛金」の期首残高に12月分の金額を登録し、今年の入金時に「売掛金」で処理すれば良いですよ。

早川

早川:取材で立て替えた経費をクレジットで支払った、というのがあるのでですが、この場合の仕訳をどうするのかが難しくて、よくわかりません……。

宮原

宮原:たしかにややこしいですね。この場合は、まず科目設定画面で「立替金」という科目を作ってください。クレジットでの支払時はこの「立替金」として処理し、クライアントからお金が振り込まれたタイミングで「立替金」が支払われるという形ですね。
クレジットでの支払時が「立替金の未払い」という不思議な状態になりますが、引き落としが行なわれた段階できれいに残高は0になるはずです。

早川

早川:なるほど、ありがとうございます! ちなみに、クライアントからは原稿料と立替経費が合わせて振り込まれています。原稿料と立替金で別々に入力するってことですか?

宮原

宮原:そうですね。その際、源泉徴収の金額は分けずに、すべて売上から引かれた形で入力してください

次の確定申告に向けての注意点

最後に、次の確定申告における注意点についてもお話を聞いた。

宮原

宮原:取引入力は、今回のやり方で問題ありませんが、実は青色申告の特別控除65万円の条件が2020年分から変わります。

早川

早川:具体的にどのように変わるんですか?

宮原

宮原:2020年分からは、基礎控除額が38万円から48万円に上がる一方で、青色申告の特別控除の最高額が55万円に下がります。

早川

早川:トータルの控除額は、変わらないですね。

宮原

宮原:そうなんですけど、2020年分からは従来の「期限内提出」「複式簿記による帳簿付け」という条件に加えて、e-Taxでオンライン申告すると「+10万円」控除額が増えて、65万円控除が受けられます。

令和元年(2019年)分の確定申告 令和2年(2020年)分以後の確定申告 基礎控除(※) 年税額
青色申告10万円控除 青色申告10万円控除 10万円引上げ↑ 【減税】
所得控除額が10万円増えます
青色申告65万円控除 電子帳簿保存(電磁的記録の備付けおよ及び保存)をせずに書面で提出すると55万円控除
(10万円引下げ↓)
10万円引上げ↑ 【変わらず】
所得控除額は変わりません
電子帳簿保存(電磁的記録の備付けおよ及び保存)もしくは、e-Taxで申告(電子申告)すると65万円控除 10万円引上げ↑ 【減税】
所得控除額が10万円増えます

(※)合計所得金額が2,400万円以下の場合

早川

早川:あ、じゃあe-Taxで申告した方が得なんですね。ちなみにe-Taxでの申告をするためには何が必要なんですか?

宮原

宮原:マイナンバーカードと、それを読み取ってPCに取り込むリーダーがあれば大丈夫です。ぜひ利用してみてください!

・・・

今回、宮原先生にいろいろ教わったおかげで、難しそうだと構えていた青色申告も「やよいの青色申告 オンライン」でスッキリかんたんに終えることができました。

次回の申告に向けては、口座連携も設定したから、通帳の記帳を忘れていても、自動的に取引を取り込んでくれるから安心。
そして、「やよいの青色申告 オンライン」は、e-Taxに対応しているし、税務署に行かずにネット上だけで確定申告書類が提出できて、65万円控除までできてしまうというe-Taxに挑戦してみたいと思います!

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