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2019年(令和元年)分の確定申告はスマホでe-Tax!? Gパンパンダ(超インテリお笑い芸人)とチェック!

公認会計士兼税理士の星野さんと、MENSA会員の一平さんによる超インテリお笑いコンビ・Gパンパンダのおふたりと2019年分(令和元年)の所得税の確定申告をスムーズに進めるため、変更点や注意点についていろいろ話してみる今回の企画。

前編では2019年の消費増税、軽減税率の導入に伴い、確定申告で注意しておかなければならないポイントについて伺いました。

後編では、利用対象者が拡大するスマートフォンでの確定申告、e-Taxの事前準備についてチェックしていきます。

Gパンパンダ

Gパンパンダ

ワタナベエンターテインメント所属、公認会計士兼税理士の星野光樹さん(左)と、MENSA会員の一平さん(右)という超インテリお笑いコンビ。筑波大学附属中学校・高校、早稲田大学商学部の同級生。ワタナベコメディスクール24期生。NHK「平成30年度新人お笑い大賞」優勝。星野さんのnoteでは、税に関するお役立ち情報を解説中。

スマホでの確定申告は、2019年分から利用対象者が拡大

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ライター

――前回では2019年(令和元年)の消費増税、軽減税率の導入に伴い、所得税の確定申告で注意しておかなければならないポイントについて一平さんと一緒に星野さんに教わりました。その他に、どんな変更点と注意点がありますか。

星野

星野:ほかに、2019年1月から導入された、スマートフォンでの確定申告の範囲拡大というのも、お伝えしておきたい点ですね。

一平

一平:僕が知らない間に、前回の確定申告からすでに新しいことが導入されてたのか……。

星野

星野:PC版の国税庁ホームページにある「確定申告書等作成コーナー」のスマートフォン専用サイトも作りましたよ、というイメージですね。ただし、ざっくり言うと、1ヵ所から収入を得ている給与所得者で、年末調整を済ませている方が、寄附金控除と医療費控除を申告するための専用のサイトという感じでした。

一平

一平:なるほどね。僕たちみたいな個人事業主には、スマホ版のサイトは関係なかったんだ。そりゃ知らなくて当たり前だよ。

星野

星野:2019年(令和元年)分の所得税の確定申告、つまり2020年(令和2年)4月16日申告期日の確定申告からは、給与所得者に関しては、2ヵ所以上から収入を得ている方や年末調整が済んでいない方もスマートフォン版でOKになります。

さらに、一時所得と雑所得も申告できるようになったので、年金をもらっている方なども対象範囲に入るようになりました。

かつ、控除に関しては、すべての所得控除が対応可能になったのも変更点です。そのため、一般的な会社勤めの方でも、年金を受給している人でもスマホ版サイトの対象範囲に含まれる方がかなり多くなるのではないかと思います。

一平

一平:うんうん。で、個人事業主は?

星野

星野:……事業所得は、経費の入力などもあるので……まだ「スマートフォン版でラクラク確定申告!」というわけには……。

一平

一平:何だよ~! 期待させといて。個人事業主の確定申告がスマホでできる時代は、まだまだ先ってことか。

星野

星野:まあまあ。2019年1月から、スマートフォンでのe-Tax提出は可能になってるから、ちょっとずつ進化はしてるということで……。しかも2018年分だと、「ID・パスワード方式」というやり方でしか、スマホでのe-Taxは使えなかったけど、2020年1月以降に確定申告をする2019年(令和元年)分からは「マイナンバーカード方式」も使えるようになりました。マイナンバーカードとスマホさえあれば、PCがなくてもe-Taxが使えるんだから便利でしょ。

一平

一平:PCを持っていない人より、マイナンバーカードを読み込むためのICカードリーダー/ライターを持っていない人のほうが、はるかに多そうだけど……。

星野

星野:マイナンバーカードの読み込みに対応しているスマートフォンであれば、大丈夫です!

一平

一平:ふ~ん。

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星野

星野:わかりやすく反応が薄いなあ(苦笑)。

一平

一平:だってPC持ってるし、もし事業所得の確定申告書がスマホで作れるようになっても、やっぱり書類はPCでしっかり作るほうが安心な気がするし。

星野

星野:確かに、現時点ではそうかもしれないね。とはいえ、確定申告の電子化は毎年少しずつ進んでいくと思うので、いずれ個人事業主に大きく関わる変更点も出てくるかもしれません。

一平

一平:よしよし。今のところ2019年(令和元年)分の所得税の確定申告は、キャッシュレス還元の経理処理についてさえ注意しておけば、大丈夫そうだな! すべて僕の完璧な計算通りです。2月の僕は、確定申告がスムーズすぎて、高笑いが止まらない状態でしょうね……フフフ……。

星野

星野:僕が税理士業務で死ぬほど忙しい時期に、果たして一平くんは隣で高笑いしているのか……年明けのGパンパンダからも目が離せませんよ!

経費の入力や仕訳、e-Taxの準備や確認は年内に!

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ライター

――では、2019年内にできる確定申告の対策や、しておいたほうがいいことについて、アドバイスをお願いします!

星野

星野:とにかく、経費の入力や仕訳は、できるうちにやっておきましょう。また、生命保険料控除などの書類も、そろそろ手元に届いている時期かと思います。こういった控除関係のものなども後回しにせず、忘れないうちに入力しておくほうが、後々の作業が減ってラクですよね。

一平

一平:後で「控除の書類、どこにやったっけ……」と、焦って探し回るのは避けたいね。

星野

星野:e-Taxを使う方は、マイナンバーカードやICカードリーダー/ライターの準備、e-Taxの設定・動作確認なども大事なポイントです。

一平

一平:2019年分のe-Taxでの申告は、マイナンバーカード方式だけじゃなく、ID・パスワード方式でもまだ大丈夫なんでしょ?

星野

星野:そうですね。ID・パスワード方式でe-Taxを新しく始めたいという方は、税務署へ行って本人確認が完了すれば、「ID・パスワード方式の届出完了通知」を発行してもらえます。すでに発行済みの方も、通知をなくしていないか要チェックですよ。

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一平

一平:確かに、この通知をどこに保管したか、僕も確認しておかないと……(汗)。でも僕は、マイナンバーカード方式より、ID・パスワード方式をオススメします!

星野

星野:おやおや、一平くんは完全に、国と逆のことを言っているね。国はマイナンバーカード方式を推進していて、ID・パスワード方式は、いわゆる暫定措置のようなものなんだけど。

一平

一平:マイナンバーカードをわざわざ申請して、ICカードリーダー/ライターを買いに行くよりも、ID・パスワード方式のほうが簡単な気がするんだよ。

星野

星野:いずれはマイナンバーカード方式に統一されて、一平くんのように面倒くさがりの人は切り捨てられるでしょう。2019年分からe-Taxの導入を考えている方は、マイナンバーカード方式にしておくのがいいかもしれませんね。

一平

一平:マイナンバーカード方式よ、頼むからもっと簡単になってくれ~!

星野

星野:また、前回の確定申告後にPCを買い替えた方は、もう一度e-Taxの設定や導入を行っておくとよいでしょう。確定申告の期限ギリギリにおこなうと、意外に手間取って、期限を過ぎてしまう恐れもあるので、時間があるうちにやっておきましょう。

一平

一平:僕はMacユーザーなんですが、Macだと、e-Taxの動作条件に当てはまっていないOSが多かったんですよ。だから僕が以前試したときも、うまく動作しなくて、e-TaxはMacだと難しいってイメージがあったんです。個人事業主のクリエイターは、Macユーザーも多いと思うんだけどなー。

星野

星野:2019年3月から、Macも最新のOSを含めて正式に対応となったようですよ。確定申告のシステム面は、年々少しずつ改善されています。

一平

一平:そうなの!? じゃあ、もう一回試してみようかな。

ライター

――e-Taxでの確定申告に向けて、他に準備しておくといいことはありますか?

一平

一平:ズバリ、「なくしたID・パスワードは再発行してもらおう」じゃないでしょうか! みんな絶対になくしてるから!!

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星野

星野:個人事業主の大半がうっかり者という失礼な前提で、話を進めないでくださいよ(苦笑)。

一平

一平:2月以降は税務署も混んで、みんなパニック状態になっちゃうじゃん。再発行だって、そんな時期にお願いするよりも、早めにしてもらうほうがいいに決まってるよ。僕は、税務署の職員さんの負担を考えている優しい人間ですね。

星野

星野:最近は、税務署の通常業務の窓口と、確定申告の会場が分かれているところも多いので、その場合はID・パスワードをすぐに再発行してもらえるかもしれません。でも、確かに余裕を持っておくに越したことはないね。

一平

一平:期限ギリギリの凡ミスで、e-Taxが使えない……なんてことにならないよう、備えあれば患いなし!

青色申告が変わる⁉ 2020年分の確定申告も早めにチェック!

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ライター

――さて、一年はあっという間ですから、やはりその次の2020年分の確定申告についても知っておくべきですよね。変更点など教えてください!

星野

星野:2020年(令和2年)分の所得税の確定申告は、今以上にe-Taxの利用が推進されるようになります。青色申告をしている方は、今は65万円の特別控除がありますね。しかし2020年(令和2年)分からは、「一定の要件を満たしていないと、65万円の特別控除はあげませんよ~55万円で~す」となるんです。

一平

一平:嫌だ!!!!!

星野

星野:どれだけ嫌がっても、そうなっちゃうんですよ。

一平

一平:じゃあ、その要件とは?

星野

星野:電磁的記録で帳簿の備え付けと保存をするか、e-Taxで確定申告をするか、のどちらかです。

一平

一平:電磁的記録……???

星野

星野:通常、僕たちは紙の帳簿を作成・保存していますよね。だけど、「何らかの理由があって、電子データで帳簿を作成・保存します」ということを事前に申請し、国から認可されれば、紙の帳簿を保存しなくていいんです。そして、65万円の特別控除が認められます。

一平

一平:いいな~。領収書とか、僕もデータで保存したい。そのほうがなくさなくて済むし、6畳の部屋の一角がレシート類に占領されちゃってるんだから。

星野

星野:レシートとかの電子データ保存も申請が必要だけど、2020年分からの65万円控除の要件ではないんだよね。現金出納帳や総勘定元帳といった帳簿を電子データで作成・保存するんです。でも、電磁的記録の導入にあたっては、まだ厳しい条件もあるので、個人で利用している方はほとんどいないのが現状だよ。しかも、国からの基本的な要望は「e-Taxをやってくれ」ということだから。

一平

一平:電磁的記録も、e-Taxも両方やるので、特別控除を80万円にしてくださいませんかって、国税庁に聞いてみようかな。

星野

星野:無謀なチャレンジ、期待してます(半笑い)。あと、そもそもの青色申告のベースとして、青色申告をしようとする年の3月15日までに、青色申告承認申請書を管轄の税務署に提出しなければなりません。最大65万円の特別控除を適用するため、e-Taxができるように準備をしておくことも大切ですね。

一平

一平:でも、マイナンバーカードを読み取るのにICカードリーダー/ライターいるんじゃなかったっけ?

星野

星野:大丈夫!Androidのスマホでもマイナンバーカードの電子証明書情報の読み取りに対応した機種があります。それにiPhoneでも、2020年1月から、マイナンバーカードが認識できて、e-Taxができるようになると発表されています。

一平

一平:じゃあ、僕のiPhoneからe-Taxできちゃうってこと?よし!e-Taxだぁ!
……あっ!スマホの確定申告は、事業所得に対応してないじゃん(泣)

星野

星野:そうですね…。それに2019年11月現在の情報では、iPhoneが、PCのICカードリーダー/ライターとして使用できるかも未確定なので、注意が必要です。

【マイナンバー方式でのe-Tax】(2020年1月31日以降)

スマホ種類(※) マイナンバーカードの読み取り スマホから対象の確定申告 PCのICカードリーダー/ライターとして使用する
Andoroid
iPhone ×

※対象機種は、マイナンバーカードに対応したNFCスマートフォン一覧を参照ください。

一平

一平:じゃあ、やっぱり僕は、ID・パスワード形式でe-Taxだ!

星野

星野:ちなみに、以前の記事で話したように2020年分からは、基礎控除額が38万円から48万円に引き上げになります。だから青色申告特別控除が55万円でも、所得控除額は、基礎控除10万円+青色申告特別控除55万円=65万円だから現行と変わらないんだけど、65万円控除をうけられれば、10万円控除額が増えるからね。

一平

一平:白色申告から青色申告に変えたい人や、青色申告だけどまだe-Taxを導入していない人は、2019年分の確定申告が終わっても、気を抜いちゃダメなんだね。皆さんも一緒に確定申告を余裕で乗り越えましょう!!!とはいえ、僕はもう完璧なので余裕ですが!

星野

星野:僕も、ひとりでも多くの人を救うために頑張ります!

編集担当

編集担当:やよいの青色申告 オンライン」もe-Taxができますから、心強い味方ですね。

ライター

――仲間との確定申告パーティーや、終わってからの確定申告打ち上げなど、楽しみを見いだすのもいいかもしれません。「スモビバ!」の連載記事などを参考に、スムーズに確定申告を済ませましょう!

Photo:沼田学

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