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個人事業主の夢・法人化!超インテリお笑いコンビ「Gパンパンダ」に聞いてみよう!【連載】

はじめは個人事業主としてビジネスをスタートしても、数年後に「法人成り(法人化)」を検討することはよくあります。法人成りには、どのようなメリットがあり、どのタイミングがベストなのでしょう?

今回は個人事業主の法人成りについて、公認会計士兼税理士の星野さんと、MENSA会員の一平さんによる超インテリお笑いコンビ・Gパンパンダのおふたりにお話を伺いました。

Gパンパンダ

Gパンパンダ

ワタナベエンターテインメント所属、公認会計士兼税理士の星野光樹さん(左)と、MENSA会員の一平さん(右)という超インテリお笑いコンビ。筑波大学附属中学校・高校、早稲田大学商学部の同級生。ワタナベコメディスクール24期生。NHK「平成30年度新人お笑い大賞」優勝。星野さんのnoteでは、税に関するお役立ち情報を解説中。

夢の「法人成り」で、経費を増やしてガンガン節税!

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ライター

――はじめは個人事業主としてビジネスを始めた起業家が、数年後に「法人成り」を検討するケースがありますよね。まずは、「法人成り」という言葉の意味から教えていただけますか?

星野

星野:個人事業主というのは、その名の通り個人でビジネスをしていますが、法人成りとは、「株式会社」や「合同会社」を設立して、個人で行っていたビジネスを会社として引き継いで行うようになることです。

ライター

――「法人成り」について、一平さんはご存知でしたか?

一平

一平:僕も聞いたことあるよ~。すごく儲かっている個人事業主は、法人成りで会社にするほうがお得だって。

星野

星野:そうなんですよ。なぜ法人成りをするかというと、税金面で得をするケースがあるから。一平くんが言うように、得をする人たちというのは、ある程度儲けている人です。個人事業主に課せられる「所得税」は所得に応じて45%までどんどん税率が上がっていくんですが、会社に課せられる「法人税」は税率が一定なんです。

一平

一平:うりゃうりゃ!すごいぞ法人!

星野

星野:税率の改正はたびたびありますが、近年は20%台(中小法人については10%台後半)で落ち着いています。なので、一番わかりやすい法人成りのメリットは、儲けにかかわらず税率を一定にできることですね。

■所得税の税率[2018年4月1日現在法令等]

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

※(参考)国税庁 No.2260 所得税の税率

一平

一平:よっしゃ!45%が約20%になったらうれしすぎる!

星野

星野:さらに、いろいろな節税効果もあります。個人事業主が得た所得は、「事業所得」です。一方で法人成りをして、自分が社長になると、会社がお金を得て、そこから自分に「役員報酬」の形でお金を支払う……ということにできるんですね。そうすると、役員報酬として受け取ったお金は個人の「給与所得」になります。そのため、経費の額に関係なく給与所得控除が受けられて、節税につながるんです。

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一平

一平:まさか、会社員のいいところが使えるようになるとはね~。

星野

星野:また、役員報酬の支払いは、会社にとっては経費になるんですよ。なので、その分だけ会社の利益が少なくなって、法人税も節約できる。

一平

一平:ええっ!?自分ひとりでやってる仕事の内容や収入が変わらないとしても、法人になるだけで勝手に扱いが変わるの?

星野

星野:出張手当や通勤手当を社長本人に対して支払った場合も、一定額を経費にすることができます。法人成りをすると、いろいろとメリットが多いわけです。

一平

一平:ヤバ~!最高じゃん!!

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「法人成り」の決断は、消費税の納税義務が発生するタイミングで!

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一平

一平:法人成りをするのに、いいタイミングの目安ってあるの?

星野

星野:これは迷いどころなんですが、1つの考え方として「消費税」の納税義務が発生しそうになるタイミングで、法人成りをするという方法があります。基本的に前々事業年度の課税売上高が1000万円を超えた期間に消費税の納税義務が発生します。

しかし、法人成りをすると異なる事業者になったと判断され、法人としては前々事業年度の課税売上が存在しなかったことになります。よって、法人成りしてから2年間は消費税の納税義務が生じなくなるんです。

一平

一平:じゃあ、ざっくり言うと2年分の消費税がお得になるってこと?

星野

星野:そうだね。資本金1,000万円未満の法人になるなら、原則的に1年目と2年目は消費税がかからないから。そういう理由で、消費税の納税義務が発生しそうになったら法人成りをする人が多いですね。

一平

一平:法人になるとしても、自分ひとりだけの会社って認識でいいんだもんね。

星野

星野:もちろん。無理に人を雇う必要はないよ。

一平

一平:……じゃあ、いわゆる”売れてる芸人”の人たちは、みんな法人成りしてるの?

星野

星野:そうです。テレビのバラエティ番組に出ているのは、ほぼ全員が法人です。法人たちが笑いを取っているんです(力説)。

一平

一平:僕たちが笑いながら観てる番組は、法人がボケて、法人がツッコんでたんだ……!!

星野

星野:バラエティに限らず、テレビや映画によく出てるような有名人は、だいたい法人成りしてるんじゃないかなあ。

一平

一平:売れてる芸人・売れてない芸人の判断基準って、法人かどうかってことだったんだね!

ライター

――その判断基準は永遠に曖昧なままかと思っていましたが、意外な答えが見つかりました(笑)。ドラマや音楽番組の出演者も、みんな個人事業主ではなく法人なんですね~。

星野

星野:そう思いながら観るのは、何だか複雑な気持ちですが。

一平

一平:役員報酬で節税してる、法人のパンクバンドとかもいるのか……。

星野

星野:考えたくないよ。そのバンドの曲、心に響かないだろ(笑)。

一平

一平:みんな法人成りして社長になってるってことは、たまに「すごいですね」って話題になる”社長芸人”も、実は全然珍しくないじゃん。

星野

星野:本当はそうなんだよね。生々しい話だから誰も言わないだけで(苦笑)。

ライター

――では、Gパンパンダも今後は法人成りを目標にしていくわけですね!

一平

一平:そうですね~。早く法人になりたいなあ。

星野

星野:“法人芸人”を目指して頑張ります!

ライター

――星野さんの税理士業務が好調で、税理士法人になる可能性もありますしね。

星野

星野:その場合、コンビの片方の僕だけが法人という状態もあり得ますね。「法人と個人事業主でやってるコンビです」という、漫才の新しいツカミができて助かります(笑)。

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一平

一平:おもしろいけど、星野だけ法人成りしてるの悲しい~!

星野

星野:ちなみに法人化すると法人税の申告が、個人事業主より複雑だから、顧問税理士がいたほうがいいですよ。探す方法は過去記事も参考に!

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取材風景

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Photo:沼田学

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