スモールビジネス(個人事業主、中小企業、起業家)の
業務や経営にまつわる疑問や課題をみんなで解決していく場
検索
メニュー
閉じる

異業種からフードコーディネーターに!「料理の仕事」の目指し方とは【インタビュー】

たくさんの人に喜びや感動を与え、笑顔のひとときを提供できるフードビジネス。「好きな料理を仕事にしたい」「独立を目指したい」と考える人が多い業種でもあります。

その中でも、人気の職業が、料理の世界を楽しく彩る『フードコーディネーター』。

今回は、そのフードコーディネーターという職業に、まったくの異業種から転身を果たした佐藤恵美さんに、フードビジネスでの独立について、きっかけやポイントなどを伺いました。

憧れる人が多いフードビジネスのひとつ、フードコーディネーターの仕事とは?

憧れる人が多いフードビジネスのひとつ、フードコーディネーターの仕事とは?

――ここからは、『フードコーディネーター』のお仕事内容やスケジュールなどについて伺いたいです。また、『フードスタイリスト』『料理研究家』『フードスペシャリスト』などとは、どのような役割の違いがあるのでしょうか?

私個人の考えですが、まずフードコーディネーターは、料理を作っておいしそうに盛りつけるところまでが大きな流れのひとつだと思います。そのため、仕事の種類も多岐にわたり、人によって活動内容や得意分野はバラバラですね。

私の場合は、企業から依頼を受けてのレシピ開発やコラム執筆、CMや広告で使う料理制作のアシスタント、料理教室の講師などをしていますが、特に定義はなく、あくまでも肩書なのでフードコーディネーターの仕事と言ってOKだと考えています。基本的には相手からの依頼内容に合わせる仕事なので、スケジュールは日によってバラバラで、CM撮影などは1日中かかることも。

また、フードスタイリストは、食器やクロスなども含めた、周りの空間全体を作り上げる職業というイメージでしょうか。

料理研究家は、レシピ開発や研究が主で、書籍や雑誌をメインに活動されている方が多いかもしれません。フードスペシャリストは、評論の仕事が多い印象です。

憧れる人が多いフードビジネスのひとつ、フードコーディネーターの仕事とは?

――佐藤さんが、フードコーディネーターという肩書を選ばれた理由は?

それ以外の肩書は、専門家っぽい印象があって、私にはちょっと堅苦しいかな、と(笑)。料理に関わるいろいろな仕事をしてみたかったですし、難しいものではなく、家庭料理をベースにした気軽なアレンジの提案などが自分には合っているかなと感じたので、親しみやすそうなフードコーディネーターという肩書にしました。

さまざまな仕事をしていく中で、自分に合っているものもわかってくると思います。私自身、料理の見せ方や発想が素晴らしい人をたくさん見てきて、その中で料理の仕事をしていくための強みとしては、自分自身のキャラクターを売っていくほうがいいなと感じるようになりました。

そうすると、「佐藤さんの料理教室なら受講してみたいな」と来てくださる生徒さんも少しずつ増えてきて、うれしいですね。

積極的に人に会い、自分自身のことや夢について発信を!

――なるほど。自分のしたい仕事内容やイメージに合った肩書・戦略を選ぶのも、独立の際に大切なことのひとつかもしれませんね。では、佐藤さんが考える、フードビジネスの難しさと喜びはどんなものでしょうか?

難しさはやはり、料理の仕事をしている人とつながらないことには、仕事の幅が広がっていきにくいことでしょうか。積極的に人脈を広げる努力は必要だと感じます。

また、フードビジネスに限ったことではありませんが、自分の裁量で仕事量を決められる反面、仕事とプライベートのオンオフの切り替えが大変だと感じることも多かったです。

以前は料理のオファーが来るのが楽しいし、仕事を増やしたかったので、スケジュールを目いっぱい入れて1日中仕事のことを考えていました。

でも、プライベートの時間がなくなり、恋人や友だちとの関係に支障が出てきたりもして……(苦笑)。最近は適度にバランスを取るようになってきました。

あと、どういったものが経費として計上できるのかわからないので、いまだに会計処理は苦労していますね。

確定申告の時期は、ひと月ごとにまとめたレシートと、源泉徴収票や支払調書の束を握って、税務署の相談コーナーで確定申告書を作っているので、『スモビバ!』さんのサイトを読んだりして勉強したいです(笑)。

今は取引先に発行していただく支払調書などを頼りに、なんとか確定申告を乗り切っている状態ですが、取引先に対しては発行義務がないようで、経費削減などの理由から、支払調書の発行を終了する企業なども増えていると聞いたので、確定申告の時期に慌てないよう、もう少し普段から意識づけをしておかないといけないかもしれませんね。

喜びとしては、おいしい料理は誰にでも喜んでもらえることが一番です。特別な記念日に、自分の料理で過ごしてもらえると、すごく光栄ですね!

積極的に人に会い、自分自身のことや夢について発信を!

料理は五感を刺激するものなので、振る舞った人に自分のことを覚えてもらいやすいのもうれしいポイントです。ケータリングを担当したパーティーに参加されていた方に、別の機会に偶然お会いして「あのときのローストビーフ、おいしかったです!」とか、いきなり声をかけられてびっくりすることもあります(笑)。

また、料理教室の生徒さんが、最初は料理が苦手だったのに、「この前のメニュー、家でも作ってみました!」と報告してくれたりするのも、やりがいを感じられて感動しますね。自分自身も料理が苦手だったので。

――人脈によって仕事のチャンスが舞い込み、それによってまた新たな人とのつながりを感じられるのは、とても魅力的なことだと感じます。仕事における、佐藤さんご自身の今後の展望はどんなものですか?

スタジオを構えて、自分個人の料理教室を開くことと、料理本を出版することが目標です。
とはいえ、頼まれたらどんなことでもできるだけ期待に応えたいので、お仕事のご依頼、お気軽にお問い合わせください(笑)。

――それでは最後に、独立を目指している方にメッセージをお願いします!

「フードコーディネーターになりたいのですが、どうしたらいいですか?」という質問や相談を受けることがあります。

私も同じように悩んでいたため、気持ちはよくわかりますが、本当に料理が好きなら動いたり学んだりすることも楽しいはずなので、ぜひ積極的にいろいろな人にコンタクトを取ったり、会いに行ったりしてみてください。

そして仕事のチャンスをいただけたら、ひとつずつ精いっぱい応えていけば、必ず道は開けると思います。

フードコーディネーターは名乗った者勝ちでもありますから、早めに名刺やプロフィールを作ってプロ意識を持つのも効果的かもしれませんね。

現代はSNSなど、自分を発信できるツールもたくさんあるので、夢や願いはどんどん発信していくこともオススメします!

積極的に人に会い、自分自身のことや夢について発信を!

 

    • 【関連記事】

Photo:塙薫子

c_bnr_fltaccount_online-2
閉じる
ページの先頭へ