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白色申告から青色申告へのハードルはなかった? みんなの確定申告の実態調査!

フリーランスや個人事業主にはつきものの確定申告。
確定申告には2つの方法(白色申告と青色申告)がありますが、何となく白色申告を選んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は、個人事業主の方を対象に確定申告のアンケート調査を実施しました。
あなたは、売上規模や赤字を理由になんとなく白色申告のままにしていませんか?

お知らせ

2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!

POINT
  • 青色申告のメリットを理解しないまま、白色申告を続けている人が多い
  • 青色申告に移行するだけで、節税などのメリットを受けられる
  • 青色申告に移行しても、作業時間や手間がほとんど変わらない

調査結果① 白色申告者は自身の事業規模が小さいと青色申告を敬遠する傾向にある

様々な決まりごとがあり、ハードルが高いと思われがちな青色申告。
白色申告者は青色申告に対して、実際どのようなイメージを持っているのでしょうか?

青色申告に移行しない、できない理由

その実態を測るため、ずっと白色申告している人に対し「青色申告に移行しない、できない理由」をアンケートで訊いてみたところ、以下のような結果になりました。

1位 「青色申告をするほどの事業規模でないため」30%
2位 「赤字または所得が少ない」25%
3位 「複式簿記での帳簿付けが難しそう/手間がかかりそうなため」12%

過半数の人が事業規模の小ささや所得の低さによって、青色申告を敬遠し、白色申告を続けているようです。
しかし白色申告から青色申告に移行する条件として、事業規模や所得は関係ありません。
過去の調査ですが、実際に青色申告者と白色申告者の個人年収の比較データでは、双方の個人年収に大きな差がないことがわかっています。
【参考】「個人事業者の確定申告に関する調査」結果を発表 *2014年2月 「個人年収はいくらですか」より
白色申告と青色申告をした場合の概算納税額をかんたんに比べられるので「個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション」で計算してみてください。

青色申告だけでしか受けられないメリットをどれだけ知っているか

そして、ずっと白色申告をしている人、申告方法を白から青に変更した人に対し、「青色申告だけでしか受けられないメリットをどれだけ知っているか」を調査したところ、2つのグループの間で、青色申告のメリットの理解度に大きな差が出ていました。
ずっと白色申告の人、白から青に変更した人どちらにも一番認知度が高い「最大65万円の控除が受けられる」という項目でさえ、ずっと白色申告の人は、50%しか知りませんでした。
一方、白から青に変更した人の中で一番認知度が低い「赤字が3年繰り越せる(純損失の繰り越し控除)」という項目でも、青色申告に変更した人たちは52%もの人が認知しており、項目によっては倍以上の認知度の差がありました。そして、青色申告のメリットを知らない人が、ずっと白色申告の人は36%もいるのです。

調査結果② 白色申告者は、青色申告のメリットを知ると白色申告から青色申告に変更する傾向がある

それでは、白色申告者が青色申告に変更するきっかけとしてどんなことが多いのでしょうか?

なぜ青色申告にしようと思ったのか?

過去、申告方法を白から青に変更した人たちへ「なぜ青色申告にしようと思ったのか?」を聞いてみたところ、「税制メリットが大きいため」という理由が一番多くあげられました。
青色申告を行うと税制上のさまざまな優遇を受けることができます。なかでも最大65万円の特別控除を受けられることが大きな特典で、変更したきっかけでも一番大きな理由として回答されています。しかし、白色申告では青色申告のような特別控除は受けられません。

2番目に多かったのが、「赤字が3年繰り越せるため」という理由です。事業規模が小さいどころか赤字でも、青色申告なら赤字を3年繰り越すことができます。赤字だとその年の所得税はかかりませんが、さらに青色申告で赤字を繰り越すと翌年以降に出た黒字分から、赤字分を差し引いて所得税計算ができるのです。
また、白から青に変更した人たちのうち21.4%が「10万円以上30万円未満の備品が一括経費として計上できる」ことを理由に挙げています。白色申告であれば、10万円未満の備品しか一括計上できませんが、青色申告であれば30万円未満まで一括計上できます。備品やパソコン購入などで突発的な支出が生じても、その年の経費にできるのです。
メリットを1つずつ見ていくと、むしろ事業規模が小さいほど、青色申告のほうが安心だと言えますね。

調査結果③ 青色申告に変更しても難点はほぼない

これまでに見てきたデータから、「事業規模が小さい」「所得が少ない」といった理由から青色申告に向いていないと思い込んでいる白色申告の人たちが多くいたことが分かりました。しかし、青色申告のメリットを正しく理解すると、「青色申告に変更しない理由」が実は青色申告への誤解であったことが分かります。

青色申告に変更しないもう一つの大きな理由として、最初のグラフで12%の人が回答をしていた「複式簿記での帳簿付けが難しそう/手間がかかりそう」という意見がありました。そこで、白色申告から青色申告へ移行した人と、ずっと青色申告を行ってきた人に対し、複式簿記について訊いてみました。

白色申告から青色申告に移行したことで、確定申告のためにかかる作業時間に変化があったのか

まず、白色申告から青色申告に移行したことで、確定申告のためにかかる作業時間に変化があったのかを訊いてみたところ、過去白から青に変更した77.3%の人から「変わらない」または「短くなった」という意外な回答が得られました。

白色申告から青色申告へ移行した人に対し、複式簿記による帳簿付けが問題なく行えたか

次に、白色申告から青色申告へ変更した人に対し、複式簿記による帳簿付けが問題なく行えたかという質問に対しては、約半数の47.4%の人が「問題なく行えた」と回答しています。
また、確定申告書類の作成方法別で見た結果、エクセルなどの表計算ソフトや手書きで帳簿を作成している人は、「問題なく行えた」人の割合が30%程度だったのに対し、会計ソフトを利用した人は半数以上が、「問題なく行えた」と回答しています。
つまり、会計ソフトを利用しているグループは、白色申告の人がイメージしている「複式簿記での帳簿付けが難しそう/手間がかかりそう」という問題を感じていない人の割合が高いことになります。

青色申告をする上での難点

最後に、ずっと青色申告を行ってきた人にも、青色申告をする上での難点を聞いてみました。
その結果、約半数の人が「特に難点はない」と回答しておりますし、会計ソフトを利用している人は「複式簿記が面倒」「申告書類の作成が面倒」ではないことは、白色申告から青色申告にした人の回答からも明らかなので、ずっと青色申告をしていた人も同様に会計ソフトを利用すれば問題は感じないと判断できそうです。

総じて青色申告に移行するハードルはあまりないと言えるのではないでしょうか。

まとめ:思いたったが吉日! 次からは青色申告にしてみよう!

今回実施した調査から、
・青色申告のメリットを理解しないまま、白色申告を続けている人が多いこと
・青色申告に移行するだけで、節税などのメリットを受けられること
・青色申告に移行しても、作業時間や手間がほとんど変わらないこと
・特に会計ソフトを利用していると、青色申告に必要な複式簿記も問題なく行えること
がわかりました。
いずれにせよ、個人事業主をしていれば確定申告は必ず行う必要があるもの。
青色申告をしたい年の3月15日までに、税務署に所得税の「青色申告承認申請書」を提出すれば、その年分から青色申告へと変更することができます。
オトクな青色申告へ移行して、豊富なメリットを享受してはいかがでしょうか?
【参考記事】
個人事業主のための青色申告承認申請書の書き方

会計ソフトを利用すれば、面倒な帳簿付けの時間や手間を省くこともできるので、確定申告が不安な方は今のうちからソフトの導入を検討しておくといいでしょう。

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調査概要
調査機関:株式会社マクロミル
回答者:確定申告を実施している個人事業主(白色申告の方、青色申告の方、白色申告から青色申告に変更された経験のある方)
有効回答数:516サンプル(白色申告の方:171サンプル、青色申告の方:173サンプル、白色申告から青色申告に変更された経験のある方:172サンプル)
調査期間:2017年10月23日(月) ~ 2017年10月24日(火)
調査手法:インターネット調査
調査内容:記帳方法、確定申告方法、青色申告の理解度、性別、年代など

photo:Getty Images

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