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どこから始めたらいい? 年末調整の準備

従業員を雇っている事業主には必須の業務である年末調整。年に一度の業務だけあって、事業主も従業員も年末調整の準備はどうしたらよかったかを忘れがちです。
今回は、年末調整の準備について解説していきます。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

POINT
  • まずは本年分の扶養控除等申告書が揃っているかを確認する
  • 各種控除証明書などは紛失しやすいので、届くことを早めに知らせておく
  • 扶養控除等申告書は本年・翌年分を比べると、適用もれを発見しやすい

【10月まで】本年分の扶養控除等申告書が揃っているか再確認する

まずは本年分の扶養控除等申告書が揃っているかを確認しましょう。

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扶養控除等申告書は、従業員本人の情報だけでなく、扶養親族の情報など年末調整の計算で必要になる各種所得控除について、本人から申告してもらう書類です。具体的には、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除といった本人や家族の状況など人に着目した控除で何に該当するかがわかります。

そもそもこの扶養控除等申告書は、その年最初の給与の支払いをするまでに本人から提出を受けていなければならないものです。給与の支払いでは従業員などから預かる源泉所得税の計算をしますが、その計算にあたっては給与支給額だけでなく扶養親族等の数も関係してきます。そのため、この扶養控除等申告書の提出がないと、源泉所得税は乙欄という高い率での計算となりますし、年末調整をすることができません。

なお、扶養控除等申告書には従業員本人や扶養親族等のマイナンバーを記入する欄がありますが、事業主がマイナンバーの事項について別途帳簿を作成している場合には、あらためてマイナンバーを記入する必要はありません。

【11月】従業員へ年末調整の告知

年末調整の計算で控除を受けるための各種証明書などは、10月末時点での状況をもとに作成されることが多いです。生命保険料控除や地震保険料控除、社会保険料控除や小規模共済等掛金控除、住宅ローン控除などで、これらの証明書類が11月ごろに本人へ送付されています。

また、税務署でもその年分の保険料控除申告書や翌年分の扶養控除等申告書などが配布される時期となります。最新の様式はこちらの国税庁へのリンクからダウンロードできます。
【参考】国税庁:税務手続きの案内>源泉所得税関係

11月中には従業員へ年末調整の告知を行い、証明書類の取り揃えや各種申告書への記入をしてもらいましょう。各種申告書への記入はなかなか大変ですが、国税庁で提供している「年末調整のしかた」の後ろのページに記載例などがありますので、印刷して配布してもよいでしょう。

事業主側で準備・配布するもの、従業員側で準備・提出するものを表にしましたのでご覧ください。

書式名等 対象となる控除など 備考
事業主が配布 扶養控除等(異動)申告書 扶養控除
障害者控除
寡婦控除
ひとり親控除
勤労学生控除
扶養の範囲を超えた人まで
記載されている場合があるので注意
16歳未満の年少扶養親族は
下段の住民税に関する事項に記載
給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書 基礎控除
配偶者(特別)控除
所得金額調整控除
給与所得者の保険料控除申告書 生命保険料控除
地震保険料控除
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除

翌年分の扶養控除等(異動)申告書 本年分と同じ 翌年に必要となるが、早めに回収して本年分と比較してみる
従業員が準備 前職分の給与所得の源泉徴収票 在職分の給与と合算して1年分で計算する
生命保険料控除証明書 生命保険料控除 新・旧、一般・個人年金・介護医療の区分に注意
地震保険料控除証明書 地震保険料控除 旧長期損害保険料の区分に注意
国保など本人が支払ったものの金額 社会保険料控除 本人の申告額による
社会保険料控除証明書 社会保険料控除 国民年金・基金にかかるもの
小規模企業共済掛金払込証明書等 小規模企業共済等掛金控除 本人が支払った小規模企業共済やiDeCoなど
身体障害者手帳等 障害者控除 添付の必要はないが、特別障害者等の要件を確認する
専修学校等・職業訓練法人等の証明書、在籍証明等 勤労学生控除 大学や高校など学校教育法に規定するものは添付の必要はない
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 (特定増改築等)
住宅借入金等特別控除
いわゆる住宅ローン控除
初年分は確定申告が必要
2年目以降にこの様式が発行される
年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書 (特定増改築等)
住宅借入金等特別控除
上記申告書と同じ用紙に印刷される
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 (特定増改築等)
住宅借入金等特別控除
金融機関等から発行される

とくに、証明書類は告知するのが遅れると、従業員が紛失されている場合もありますので、10月下旬には証明書類などが届き始める旨を早めの段階で知らせておくのもよいですね。

【12月】年末調整計算の事前準備

12月の最後の給与等の支給が決定すると、その年1年間の給与支払額が確定して年末調整の計算が行えるようになります。しかし、各種控除金額の計算は先にやっておけますので、給与計算時のミスを防ぐためにもあらかじめ事前準備を進めておきましょう。

本年分の扶養控除等申告書と翌年分の扶養控除等申告書とを見比べて、違いがないかを確認しましょう。特に、年の途中で結婚や出産・死亡などがあった場合に、本年分の修正がもれていることがよくあります。

また、16歳未満で扶養控除のない年少扶養親族や、19歳以上23歳未満で控除の上乗せがある特定扶養親族、70歳以上で控除の上乗せがある老人扶養親族など、年齢で控除の適用が変わることもありますので、前年と同じと思わずにしっかりと確認しましょう。

生命保険料の控除証明書など各種控除の証明書類は、紛失などで再発行となると窓口が混み合って時間がかかる場合がありますので、書類の有無を確認しておきましょう。

また、従業員から提出された書類のなかには、寄附金の控除証明書や医療費の領収書など、年末調整では受けられない控除に関するものが入っていることがあります。これらは本人が確定申告をすることになりますので、返却するとともに確定申告が必要である旨を知らせてください。

まとめ

いかがでしょうか。
年末調整は年に一度のうえ、毎年改正もありますので事前にしっかりと準備をして12月の本番に備えたいところですね。

給与計算ソフトを利用すると、生年月日などから扶養控除の金額を自動計算したり、控除証明書の金額から生命保険料控除の金額を自動計算したりと、年末調整の計算もかなりラクになりますので、年末調整が必要な従業員が何名かいらっしゃる場合は導入を検討してみてもよいでしょう。

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photo:Getty Images

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