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売れ筋or死に筋を見極める「ABC分析」とは?

皆さんは「ABC分析」を知っていますか? ABC分析とは、販売管理や顧客管理等に使われる、経営分析の手法のひとつです。なかでもスモールビジネスを始めている方にとって、ABC分析はきっと新たな戦略を練るのに役立つツールになるはず……。ABC分析とはどんなものなのか、その基本から解説します。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

  • 売上構成比の累計を上位から算出し、A〜Cのランクに分ける
  • 勘や記憶に頼らない「客観的基準」となる
  • グラフ化することで、より分析結果がわかりやすいものに

ABC分析とは?

ABC分析は、以下の手順で行います。今回は、表計算ソフト・Excelを用いて作成してみましょう。

仮に8つのランチメニューを提供している飲食店があったとしましょう。同店のある一定期間中の売上総額は100万円。メニュー別の売上高を見てみると、下表のようになっていることがわかりました。

メニュー 売上高
a定食 ¥105,000
b定食 ¥150,000
c定食 ¥95,000
d定食 ¥55,000
e定食 ¥70,000
カレーライス ¥85,000
パスタ ¥45,000
日替わり定食 ¥395,000
合計 ¥1,000,000

これを、売上の大きいものから順番に並び替えてみます。

メニュー 売上高
日替わり定食 ¥395,000
b定食 ¥150,000
a定食 ¥105,000
c定食 ¥95,000
カレーライス ¥85,000
e定食 ¥70,000
d定食 ¥55,000
パスタ ¥45,000
合計 ¥1,000,000

ABC分析では、売上高の合計に対するメニューごとの構成比率(商品の売上高/全体の売上高)を、それぞれ算出。さらに売上高の上位から売上構成比の「累計」を算出します。

こうして見えてくるのは「合計(100万円)のおよそ7割を、日替わり定食・B定食・A定食の3品が占めている」ということです。ここではまずこれら3品を「Aランク」と設定し、以下、70%超〜90%以下を「Bランク」、90%超を「Cランク」と設定してみましょう。

メニュー 売上高 売上構成比 売上構成比 累計 ランク
日替わり定食 ¥395,000 39.5% 39.5% A
b定食 ¥150,000 15.0% 54.5% A
a定食 ¥105,000 10.5% 65.0% A
c定食 ¥95,000 9.5% 74.5% B
カレーライス ¥85,000 8.5% 83.0% B
e定食 ¥70,000 7.0% 90.0% B
d定食 ¥55,000 5.5% 95.5% C
パスタ ¥45,000 4.5% 100.0% C
合計 ¥1,000,000 100.0%

ABC分析でわかることとは?

こうして「構成比の累計を上位から算出→A〜Cのランクに分ける」というのが、ABC分析の手順です。

このとき設定する範囲は自由ですが、おおよそ「Aランク=上位70%~75%」「Bランク=Aランクを超えて90~95%まで」「Cランク=残り」で配分するのが通例です。

今回の例は、以下の通りです。

  • Aランク=上位から算出した構成比の累計が70%以下の範囲
  • Bランク=上位から算出した構成比の累計が70%超〜90%以下の範囲
  • Cランク=上位から算出した構成比の累計が90%超の範囲

では、この分析結果から何がわかるというのでしょうか?

今回の場合、売上上位70%(Aランク)に入る「日替わり定食」「B定食」「A定食」の3品は人気メニューであるといえます。同時に下位10%にある「D定食」「パスタ」は不人気のメニューです。手間暇かけてつくっていた自慢の「カレーライス」が、実はBランクにいるなど、気づきがあるかも知れません。

これら結果から「人気メニューは定番メニューとして固定する」「不人気メニューは入れ替えを検討する」「人気メニュー3品の共通点から顧客ニーズの傾向を探り、新しいメニューを開発する」……などなど、店舗経営者はABC分析により次なる一手を打つことができます。

例えば、Aランクにあるメニューは、売上構成比が高いということはよく出るものなので、品切れによる販売機会損失をしないように下準備を多めにしたり、食材の仕入れに注意するなども考えられます。

また、Aランクのなかでも「B定食」の原価率が高いのであれば、仕入の量やサイクルを変えたりすることで仕入原価を下げられるか検討したり、ほかのメニューと共通食材を模索するなどもできるかもしれません。逆にCランクにあるメニューでも、Aランク、Bランクメニューと食材を共有していて、食材ロスが少ないメニューなどは、継続したり、アレンジをして残すなども考えられます。

このように分析結果から対策をする場合は、ほかとの関連性も考慮して決定したほうがよいでしょう。ここで得られるデータは、勘や記憶に左右されることないものであり、客観的な基準になるといえるでしょう。

もちろん、今回の例は、飲食店のメニューでしたので、業種や品目によっては、季節に左右されるものもあることをおさえておきましょう。

グラフ化すれば、わかりやすく分析できる

ここまでは「商品の売上」で説明してきましたが、売上のみならず、自社の得意先の傾向を知ったり、在庫管理に活用したりするなど、さまざまなシーンにABC分析は活用できます。下位にランク付けされる取引先に対する新たな営業戦略にシフトする……など、先々を見た戦略的展開に役立つことでしょう。

ちなみに、この表をよりわかりやすい形にしたのが、次のグラフです。

このグラフはExcelを用いて作成したものですが、売上高(棒グラフ)、売上構成比(折れ線グラフ)の縦軸を2パターン設定する必要があるなど、作成には多少の手間がともないます。

弥生会計」(プロフェッショナル/ネットワーク)には、経営分析機能としてこのABC分析が搭載されています。

補助科目ごとの実績値を集計した後、ABCの重要度に応じてランク付けする—-。分析項目は売上高、仕入高、返品高など自由に選択・設定ができるうえ、ABC各項目の範囲もユーザー自身で自由に設定可能です。そのうえ分析結果はグラフで見ることもできますから、あらゆる局面の経営施策を重点的にサポートしてくれるでしょう。

ご自身の経営にABC分析を活用したいという方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか?

photo:PIXTA

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