会社設立に必要な「定款の作成」に何分かかるか試してみた 〜前編〜

法人設立にあたって必要な手続きをざっくり3分割すると「1.定款の作成」「2.登記の手続き」「3.登記後に必要な手続き」の3つです。筆者は2015年に合同会社を設立するためにこれらの手続きをネットの情報を頼りに自力で行いましたが、結果、本当にエゲツない、しんどい思いをしました。
そうしたなか、『スモビバ!』から「会社設立が簡単にできるツールがあるから試してみてほしい。実際に自分で法人登記の経験をしたことのある人に実際の時と比べてみた記事を考えたい」という相談を受けたのでやってみることにしました。結論から書くと、やってみたらひいき目なしで楽だったので参考にしてみてください。最初に書いておくとツールは無料で使えます。
この企画は前編・後編の計2本からなりますので、ぜひ後半もご一読ください!
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目次
- POINT
-
- 専門家に頼らず、自力で会社をつくるのは大変
- 定款作成はネットで探したひな形に記入するよりツールを使ったほうが早い
- 「書類の不備」を減らせるのがツールを使うメリット
自力で設立しようとした結果、市役所に4回、法務局に4回出直すはめに
はじめまして。Gerbera Music Agency合同会社の金野と申します。会社を設立したときのことを思い出して嫌気が差している顔で失礼します。
最初に少しだけ自身のことに触れますが、筆者は現在、ミュージシャンのプロモーションやPRをサポートする事業をしています。会社(合同会社)は2015年10月に設立しましたが、当時あまりお金に余裕がなかったので行政書士には依頼せず、ネットの情報を頼りに自力でもろもろの手続きを行いました。
結果、市役所や法務局とやり取りしている過程で書類の不備がわかったり、指摘を受け、何度も出直しするはめになったり、電子定款の認証に失敗したり……。結局、登記だけで1カ月もかかってしまいました。
市役所からの本人確認書類、いつ来るんだ。作業進められないじゃないか。
— 金野和磨 GMA (@konno108) 2015年9月9日
4度目の市役所。もうこれで最後にさせてください pic.twitter.com/f4XEw5lbZx
— 金野和磨 GMA (@konno108) 2015年9月10日
これだけ手間がかかったのは、市役所や法務局に提出する書類なので不備があると受け付けてくれないことと、自分自身のツメの甘さによるところも大きかったのだと思います。ひょっとして器用な方なら7日間くらいあれば自力で登記できるのかもしれませんが……。
ツールを使って定款を作成すると、法務局に内容の不備を指摘される確率を減らせる
さて、それでは、ツールを使ってどれだけ簡単に定款を作成できるか試してみようと思います。今回使用するのは「弥生のかんたん会社設立」というツール。
「弥生のかんたん会社設立」は、”株式会社”設立に必要な書類が、作成できるツールです。
ところが、筆者の会社は合同会社です。合同会社設立には、定款の認証が不要ですが、合同会社でも定款を作るほか新規設立手順は株式会社とほぼ同じなので、今回、編集部の方に確認の上、お引き受けしました。
さっそく「弥生のかんたん会社設立」を試してみた
▲TOP画面はこんな感じ
本来はログインするために会員登録を行う必要があるんですが、筆者は以前、やよいの白色申告を使って確定申告をした際に登録をしていたため登録手続きなしでログインできました。
上記がログイン後の画面。Step1〜3を完了させれば会社設立完了です。今回はまず、Step1の「定款の作成」を行います。「手続きを始める」ボタンを押すと……。
上記のように、定款を作成するための手順が表示されます。
定款作成の6つの手順
- 会社名・所在地
- 代表取締役
- 事業の目的
- 決算日・公告の方法
- 役員名簿・株主名簿
- 定款の確認
あとは1〜6の手順をポチポチと入力していけばOKです。
ちなみに筆者は当時、「定款作成ガイドブック」みたいな記事を見ながらネットで拾った定款の雛形を上書きする形式で作成したのですが、「これ本当に合ってんのかな…」という不安を感じながら作成していました。で、案の定、法務局に持っていった際に不備を指摘されたので、一度法務局で定款を修正して、近くのコンビニに行ってネットワークプリントして出し直ししました(こういう時、法務局はプリンターを貸してくれないことがほとんど。ついでに言うと税務署とか他の公的機関も)。
なので、こういう「フォームに入力すればOK」みたいな形式の最大のメリットは、「言うとおりに入力すれば内容に間違いがないことが担保されていること」だと思いました。内容の不備を指摘されて出し直しする手間を減らせるのが良いですね。
あと、他にいいなと思ったのが、何を入力すればよいか補足してくれる機能です。
ちょっと見えにくいですが、上記の図の赤枠で囲っているのが補足の文章です。
定款作成に必要な事項をいろいろと入力しているといくつか、何を入れればいいのかよくわからない項目が出てきます。たとえば上記のような「一株の価額はいくらにしますか?」とか。こういう項目が出てきたときに「1株1万円に設定する会社が増えているようです」と補足が出てくるのは良いですね。いちいちググらなくても済みます。
なお、なにも迷うことがなかったので今回は使いませんでしたが、なにか困ったときはチャットサポートも使えるようです。
ツールを使った結果、20分で定款が作成できた
その後、ポチポチと入力を続けていたらいつの間にか定款作成に必要な6つの手順が全て完了し、完成した定款をダウンロードできるボタンが表示され、Step1「定款作成」は終了しました。11時に作成をし始めたので、所要時間はなんと20分程度でした。雑談と今回の記事のために画面撮りをしながら入力していたので、集中すれば10~15分くらいで全部完了するかもしれません。
あとはStep2(Step1で作成した定款をはじめとした「登記に必要な書類」を揃えて公証役場と法務局に提出し、登記を完了するまで)、Step3(登記後に必要な、税務署や年金事務所との手続き)を完了させれば会社設立に必要な手続きは全て完了です。
Step2、Step3の様子を書いた後編は近日中に公開予定なので、ぜひチェックしてみてください!
▶︎後編はこちら
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