はじめての「就業規則」のつくりかた

2021/03/31更新

この記事の執筆者宮田 享子(社会保険労務士)

ひとりで会社を設立された社長さん。就業規則を作成してみませんか?今日は会社のルールである就業規則は、そもそも何のためにあるのか、また就業規則をつくっておくことでどんなメリットがあるのかを解説いたします。さらに、作成するうえでのポイントもお話しいたします。

POINT

  • 就業規則は何のため?就業規則は「会社のルール」
  • 最低限守るべきことがある
  • メリットを理解し、従業員が少人数でも作成することがおすすめ

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就業規則は何のために作る?

そもそも就業規則は何のために作るのでしょうか?法律の定めでは「常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならない」とされています。

では「法律で決まっているから作らなきゃいけない」という言い方に対し、その逆を考えると「法律で決まっていなかったら作らなくてもいい」とか「従業員がまだ3人だからまだ作らなくてもいい」ことになってしまいますね。はたしてそうでしょうか。

会社のルールは暗黙のルールではない

就業規則はつまり「会社のルール」ということです。ルールと言えばスポーツを連想されることでしょう。例えばテレビで観るような野球やサッカーですと、公のルールがあって「この場合はアウトだ」とか「この場合は得点になる」ということがすぐにわかります。

では学校や会社でレクリエーションとして楽しむ場合はどうでしょう。公のルールがあるとしてもその場でオリジナルのルールにアレンジするということもあるかと思います。

会社のルールもそれと似ています。まずは法律の定めがあり、そこに会社オリジナルのルールを加えアレンジするという感じです。気心の知れた仲でごく少人数であれば暗黙のルールが通用しますが、多くの場合はそれでは困ることでしょう。

就業規則を作成する際に最低限守るべきこと

就業規則を作成するうえで最低限守るべきことがいくつかありますが、必ず記載しなくてはいけない事項は以下のとおりです。

  • 1.
    始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
  • 2.
    賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  • 3.
    退職に関する事項(解雇の事由を含む)

詳細はこちらをご覧ください。

参考
厚生労働省:就業規則を作成しましょう新規タブで開く

どんなメリットがある?

では就業規則を作成すると、どのようなメリットがあるのでしょう。

(1)社長の思いを伝えることができる

会社という組織はチームです。チームリーダーの思いをメンバーに伝えることはそのチーム全体の目標となり活力となり、良い雰囲気をつくれるのではないでしょうか。筆者が就業規則作成のお手伝いをする時は最初のページに企業理念を入れることをおすすめしています。

(2)トラブルを事前に防止できる

近年、労使トラブルが増加し続けています。労働条件を明示する際に個別の労働契約書に記載する他、就業規則に対象者を明確にして定めておくという方法もあります。こうしたことで「言った、言わない」というトラブルが発生する前の防止になります。

(3)優秀な人材を確保することができる

企業理念がシッカリと伝わり、労働条件がハッキリと明示され、職場全体の雰囲気が良い。そのような会社には優秀な人材が集まることでしょう。「働きやすい職場」「安心できる職場」「居心地の良い職場」では誰もが働き続けたいと感じるのではないでしょうか。

便利なひな形もあるけれど

就業規則作成の初めの一歩として、ひな形があると便利です。厚生労働省がモデル就業規則を公開しており、ダウンロードすることができます。

参考
厚生労働省:モデル就業規則について新規タブで開く

ただ、これをそのまま使用するのではなく会社の実情に見合ったものにしましょう。

服務規定に注目

就業規則のなかでも会社によってカラーが出やすいのが「服務規程」です。その会社の社風によって許されること、許されないことが変わってきます。また最近では、SNSの利用により企業のイメージダウンや情報漏えいなどを防ぐための定めをする企業も増えてきました。時代と共に変化していくものでもありますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。就業規則を作成することは会社を元気に、働きやすく、より良い組織づくりをすることに繋がることでしょう。法律では「常時10人以上」となっていますが、少人数でもあらかじめ作成することをおすすめします。また、将来的には法律の改正のたびに見直しをすることも必要になってきます。そのようなことも視野に入れながら、あらかじめ専門家に相談しながら作成するのもひとつの方法ですね。

photo: Getty Images

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この記事の執筆者宮田 享子(社会保険労務士)

宮田享子(みやたきょうこ)
社会保険労務士。産業カウンセラー。
社労士事務所・社労士法人等で実務経験を積んだ後、2010年(平成22年)独立開業。労務相談の他、講師業やメンタルヘルス対策に力を入れている。趣味はオーボエ演奏とランニング。

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