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買い物弱者問題の解決は、地域を活性化させる―シェアショーファー・桃坂氏インタビュー

起業家・桃坂利彦さんはこのたび「株式会社シェアショーファー」を創業。「国内に700万人もいるという“買い物弱者”の下支えになる」という、同名の“おかかえ運転手”シェアリングサービスを考案されました。

さらに桃坂さんはそのビジネスプランを携え、2017年2月、シニア起業を支援する銀座セカンドライフ株式会社主催の「ビジネスプランコンテスト」に出場。50歳以上の個人事業主あるいは法人代表者が応募条件のこのコンテストは「新規性・革新性」「成長性・将来性」「経営者の資質」「社会的な貢献度」「収益性」「実現可能性」を選考基準として競われるもので、本年度は桃坂さんが「弥生会計賞」を受賞されています。

シェアリングエコノミーがにわかに注目を集める昨今、桃坂さんが考案された「シェアショーファー」とはいったいどんなサービスなのか——桃坂さんご本人にお話をうかがいました。

ビジコン出場の成果----「大きな看板ができた」

ビジコン出場の成果――「大きな看板ができた」

――現在、ビジネスの検証はどこまで進んでいるのですか?

プランはまだ机上にある段階ですから、2017年6月1日から2ヵ月間、日本の三大ニュータウンのひとつと言われる「高蔵寺ニュータウン」(愛知県春日井市)で実証実験を計画中です。ここは約4万5,000〜5万人が暮らしている大きなニュータウンで、だいたい昭和40年代に整備が進んだ場所。全体的に高齢化が進んでいますが、なかでも特に高齢化が著しいエリアを定め、そこで運営される老人クラブの方々にヒアリングを行いながら、試験車を投入した社会実験を行いたいと考えています。

ここで成功をおさめることができれば、具体的な事業化の段階にステップアップしていきますし、さらには愛知だけでなく、岐阜、三重などの日本の中部エリアを中心に、エリア拡大も見込んでいます。

――桃坂さんはこの「ShareChauffeur」で銀座セカンドライフ株式会社主催の「ビジネスプランコンテスト」に出場し、「弥生会計賞」を受賞されました。おめでとうございます。

ありがとうございます。高齢者を中心とした買い物弱者の問題をシェアリングエコノミーというプランで解決する—-審査員の方からはそんなタイムリーな面を評価いただけたのだと思います。

――なにか受賞の成果はありましたか?

この賞をいただけたことで、こうして取材にも来ていただけますし、そうして取り上げていただけることで、ある意味、社会的な信用も得られています。今後事業を行っていくうえで協業していくパートナーさんたちとも、こうしたビジネスのことをわりあい話しやすくなった面があると思います。1人でやっている事業ですので、今回の受賞が”大きな看板代わり”になりうるものだと実感しています。
また、今回のビジネスコンテストの受賞に伴い、副賞で「弥生会計 オンライン」を使うことができるようになりました。起業してからしばらくは無料の会計ソフトを使用してきたのですが、本年度以降は「弥生会計」を使用してみたいと考えています。

――今後の展望は?

このビジネスは、移動距離5km圏内のエリアを想定しています。買い物弱者の問題は、高齢者人口やまちのコンパクトさなど地域ごとに特性が異なり、私のプランが適用できるエリアを考えると買い物弱者700万人のうち100万人くらいが対象でしょうか。ですからまずはこの100万人のうち、1割にあたる「10万人」くらいで使われていくことが理想です。

――将来的には他にも買い物弱者を救うさまざまなサービスが展開されることも予想されます。

そうですね。さらに先を見れば、関連して自動運転車両といったテクノロジーにも期待しています。「ShareChauffeur」にかかる費用は多くが人件費に割かれますから、もしもそうしたテクノロジーが実現したときには、まだまだ拡がりを見せられると思うんですよ。

インタビューは弥生株式会社本社にて行われた

インタビューは弥生株式会社本社にて行われた

買い物弱者問題を解決する施策には「モノを届ける」「移動販売者を配備する」といった施策がありますが、どちらかといえばそれらは「あったら便利なサービス」といった感じでした。その点「ShareChauffeur」は「移動手段」そのもの—-。その地域に不可欠な自由な移動手段が提供されれば、おのずとその地域は活性されますし、そのことで若い人たちも集まってくるでしょう。

人口が減少していくことが確実視されるなか「ShareChauffeur」がこうした問題を解決できるものだと信じています。

――本日はありがとうございました。

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桃坂利彦ももさか・としひこ

桃坂 利彦

大学卒業後、ゼネコンに勤務し高速道路や新幹線の高架橋、下水道や共同溝など都市のインフラ設備の構築に携わる。その後、福岡県に住む両親が買い物弱者と言われる立場になったことをきっかけに、値段が高いタクシーや決まった時間にしか来ないバスに代わる新しい移動手段をつくるため起業を決意。2016年4月に株式会社シェアショーファーを設立。2017年2月、シニア起業を支援する銀座セカンドライフ株式会社主催の「ビジネスプランコンテスト」で弥生会計賞を受賞。 

株式会社シェアショーファー

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