いまさら聞けない! ビジネスマナーの基本【電話応対編】

ビジネスの基本ともいうべき、電話対応。周囲に注意してくれる上司がいないフリーランスや個人事業主の方は、あらためて自分の電話の応対が正しいものなのか、注意しておきたいところ。ひょっとしたら、基本的な電話対応すらできていなかった、なんてこともあるかもしれません。電話対応の仕方次第で、仕事につながったり、また、売上につながったりすることを考えると、基本的なビジネスマナーを決しておろそかにしてはなりません。今さら聞けない電話対応の基本について解説しましょう。
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目次
- POINT
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- 出るときは「もしもし」ではなく「はい、○○(会社名や屋号)でございます」
- 内容を復唱して確認すること
- 最後に切るときは、自分の名前と「ありがとうございました」で締める
電話はどう出るのが正解?
「もしもし……」
急に事務所の電話が鳴ったら、思わずそんなふうに口走ってしまうことが、あるかもしれません。しかし、「もしもし」はビジネスマナーとしてはNGです。
電話に出るときは「はい、○○(会社名や屋号)でございます」とはっきり社名や事務所名、店名を伝えること。ほかの人から代わってもらったときは、「はい、お電話代わりました」と言いましょう。また、もし、3回以上鳴ったときは「お待たせしました」のひと言を添えると、なおよいです。
私用の電話じゃあるまいし、「もしもし」なんて言わないよ……と思う人もいるかもしれませんが、意外と何気なく使ってしまっていたりします。電話はとっさにかかってきますし、携帯電話でも仕事の電話をする人は、気づかずにビジネスの相手に「もしもし」と言ってしまったりすることもあるのではないでしょうか。
自分の対応を振り返りながら、電話の出方に意識を持つようにすると、気づきがあると思います。
できる人の言葉遣い
相手の電話の対応で「この人、仕事ができそう……」と思ったことは、ビジネスパーソンならば、誰しもがあるでしょう。顔が見えない電話だからこそ、ちょっとした言い回しで、相手に好印象を残すことができます。
電話がかかってきて、上記のように正しく出ると、相手が自分の所属と名前を明かすことでしょう。そこで、このワンフレーズを使うようにしましょう。
「●●社の△△様でいらっしゃいますね」
という確認です。この確認をせずに、担当に回してしまうケースも少なくありませんが、聞き間違えが結構な頻度であります。また、担当が不在で折り返すときも「相手が誰か」は必要最低限、かつ、重要事項なので、しっかりと確認するようにしましょう。
そして、相手が希望する人に電話を回すときは、このフレーズです。
「木村でございますね。少々お待ちくださいませ。」
ここでもやはり確認が大切。相手が希望する人と違う人に回してしまうと、大きな混乱につながるうえに「電話対応がいい加減だ」という印象を与えます。事業所で複数いるような苗字の場合は、名前を聞くのも忘れずに。
もし、相手が木村さんと話したい場合、木村さんがほかの電話に出ているということもあるでしょう。このときは、このフレーズを使いましょう。
「木村はただいま他の電話に出ておりますので、終わり次第、こちらから折り返しお電話をいたしますが、いかがでしょうか?」
相手が出先の場合は、折り返されても困るケースがあります。相手の希望を聞きましょう。もし、内容をある程度、把握しておけそうな要件であれば、こう対応できればベストです。
「よろしければご用件をうかがいますが」
そして、最後は復唱しましょう。「復唱させていただきます」と「~でよろしいでしょうか」の2つのフレーズで、ほぼ隙のない対応だといえるでしょう。ここまでやれれば「電話対応はきちんとしていた」という印象を与えることができます。相手が新規の顧客や取引先の場合は、特にこのことが重要になります。
個人事業主は転送サービスや留守電を活用しよう
ひとりで事務所を切り盛りしているような個人事業主やフリーランスの方だと、「大事な商用の電話を移動中や商談中でとることができなかった」なんてことがあるかもしれません。
相手方にしたら、平日の営業時間中であればいつでもあなたの会社と連絡がとれる状態にある、ということはビジネス上の安心感や信頼感を与える大事な要素。もし事務所を不在にして誰も電話に出られないような場合は、転送サービスなどに加入していつでも自分の携帯に連絡がつくながるよう 配慮をしたり、もし電波が届かつながらないような場所にいて留守電になってしまっても「折り返しお電話いたしますので、お名前と連絡先をお願い致します」などのメッセージを自分の声で録音しておくことで、ずいぶんと印象が違います。
このようなちょっとした相手を心遣う気持ちをもつことが、あなたへの好感度をあげるはずです。
マナーのよい切り方
そして、「電話をどう切るか」は「電話にどう出るか」と同様に大切です。
基本は「電話をかけたほうが先に切る」。ですが、ビジネスにおいては、目上のほうが先に切るのが一般的です。つまり、お金をもらう立場である、顧客や取引先からの電話の場合は、相手が切ってから切る、ということになります。
「私、(●●部の)□□が承りました」「私、(●●部の)□□と申します」と、自分の名前とともに、「失礼いたします」「ありがとうございました」などのひと言を添えれば、パーフェクト。
慣れないうちは、意識的に行う必要がありますが、慣れれば一つの型として自然にビジネスマナーにのっとった電話対応ができるようになるはず。実践を通じて、電話対応の腕を磨きましょう。
photo:Getty Images