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「接待交際費」に計上できる経費、飲食代以外に何がある?実例や注意点

勘定科目「接待交際費」。取引先の相手を接待した際の飲食代がこれに該当するのはよく知られていますが、実はほかにも接待交際費として計上できるものがあるんです。意外と知られていない接待交際費について、今回は探ってみたいと思います。

お知らせ

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POINT
  • 接待交際費は飲食代と思われがちだが、手土産代や送迎タクシー代も該当する
  • 法人と個人で扱いには違いがある。法人は上限あり
  • 接待交際費を経費にできるのは、自分が「接待する側」であるときのみ

接待交際費は飲食代だけにあらず

接待交際費とは、取引先に対する接待や贈答などにかかった費用のこと。もっともポピュラーなのが、取引先を接待したときの飲食代ですね。ただ、「接待」とは、必ずしも食事だけではありません。接待をする際に経費にできるものは、飲食代を確認する以外にもいくつかあります。

ゴルフや旅行・観劇の代金

接待というと飲み会と並んで思い浮かぶのがゴルフ。取引先の相手との仕事や交渉を円滑にすすめるために一緒にゴルフに行った場合、かかった費用は接待交際費として計上することができます。

また、旅行や観劇、イベントなどに招待した場合、かかった費用も接待交際費とすることができます。取引先の相手の送迎のために乗り物(飛行機やタクシー)を手配した場合でも、一般的な交通費の範囲内の額であれば、接待交際費として計上することができます。もちろん取引先の担当者と同乗して、目的地に向かった場合のタクシー代なども接待交際費として計上できます。

【参考記事】
スモビバ!勘定科目・仕訳大全集「得意先をゴルフに招待し、プレー代及びタクシー代を支払った。

お中元・お歳暮の代金

お世話になっている取引先に、お中元やお歳暮を贈る場合もあるでしょう。こちらも仕事を円滑にするための贈答品であり、接待交際費として計上ができます。

香典や結婚祝いなどの慶弔にまつわる代金

日頃からお世話になっている取引先や顧客などでお葬式があった場合の香典の費用、結婚のお祝いのためのご祝儀なども接待交際費として計上できます。もちろんプライベートでの出費は認めれず、事業やビジネスに関係する相手であることが大前提。また慶弔金は一般的に領収書がもらえない出費ですので、出費した日にちと金額をメモし、できれば案内状なども保管しておきましょう。

開店祝いや事務所移転のお花代、手土産などの代金

こちらも事業上で必要とされる相手であれば接待交際費として計上できます。お花やプレゼントなど領収書の残るものだと経費処理がラクですが、現金のご祝儀など領収書の残らないものは要注意。送った相手先や日にち、金額などをメモするなどしてご祝儀を送った証拠を残しておきましょう。

【個人事業主と法人】接待交際費には違いがある

さて、この接待交際費、実は個人事業主と法人で違いがあるのをご存知でしょうか? それは、交際費として計上できる額の上限のありなしです。

資本金が1億円以下の中小法人(※)の場合、交際費については、年間で800万円までの中で損金算入するか、交際費のうちの飲食代の50%を損金算入するかのどちらかを選択することになり、どちらにしても交際費として経費計上できる額には限度があります。
(※)資本金の額または、出資金の額が5億円以上の法人の100%子会社を除く。

一方、個人事業主にはそうした上限はなく、接待交際費などはすべての額を計上することができます。ただし、「個人事業の業務の遂行上直接必要と認められるもの」に限ります。詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。

【参考】
接待交際費とは? 法人の接待費・個人事業主の接待交際費の違い

接待交際費は、自分が「接待する側」であるときの経費

接待交際費になるのは、得意先への接待、贈答にかかる支出。すなわち、自身が「接待する側」であるときに、その接待のために支出した費用を計上します。

また、自分が誰かから接待を受ける際に自分が払った支出は接待費には該当しません。先に接待時のタクシー代金は接待交際費になると説明しましたが、こちらも、自分が接待する側であれば、取引先相手を送迎するタクシー代、さらに自身が会場へ向かう交通料金なども接待交際費にします。しかし、接待を受ける側である場合は、会場へ向かう際、タクシーに乗って料金を支払ったとすると、それは接待交際費ではなく、旅費交通費として処理することになります。

いかがでしたでしょうか?「接待」といえば一般的には飲食にまつわる支出だけ、と誤解されがちですが、香典や結婚祝いなどの慶弔金、また開店祝いや事務所移転のお花代や手土産代も立派な接待交際費となりますので、しっかり覚えておきたいところですね。

photo:Getty Images

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